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キッズキッチンレター9月号

今年も8月は暑かった!暑いときはパン!特に今年は蒸し暑く、エアコンを入れていても温度が高い状態が続きました。パンの発酵にとってはとてもいい条件でした。エアコンが入って体感温度は涼しい感じでも室温は25℃以上で湿度もあり、保温器なしでよく発行した良いパンが焼けました。難しいと言われるパンですが、イーストのご機嫌を損なわなければおいしくできるものです。ちゃんと膨れたかどうか目で見て、やさしく触って、においをかいで、と、五感を使ってイーストの声を聞くのです。その一方でレシピに書かれた分量は必ずしっかりと守ります。特に粉と水の関係は出来上がりに大きく影響しますから、しっかりと秤を使って計るのがいいのです。きっちりと計って再現性を求める科学と、人間の五感のなせる感覚とが融合するのがパン作りとも言えます。パン作りでの失敗の原因、よくあるのは「待たないこと」です。忙しい社会では、「レンジでチンとすればでパンができる!」だとか、「30分でパンができる」というのがもてはやされたりしますが、信じてはいけません。パン作りは、生きものを相手にするのである程度の時間はかかります。手間はかからずとも暇は掛かるものです。イーストが働きたい環境で、しっかりと働かせてあげることが、おいしいパンへの近道なのです。理想的には何時間ものんびり作るのがいい。3時間から5時間ぐらいかかるでしょうか。捏ねて歯ごたえを出すパンでも、柔らかいパンでも、そのぐらい時間をかけるとよいのです。(例外は菓子パンなど卵や牛乳の入るパンです。栄養がたくさんあるので雑菌も元気になってしまうため、比較的早い時間でどんどん焼き上げていきます)とは言え、私たちの教室は90分しかありません。時短パン作りはどうするか?と言うと、イーストが働くためのごはんの砂糖をいれて、イーストがよく働ける湿度と温度がある場所において、しっかり働いてもらいます。何度かパンを焼いていると、生地の様子がよく分かってきます。アルコール臭は発酵しすぎですぐに焼きます。腐った臭いがしたらイースト以外の何かが起こっています。パン上手になるコツは、イーストの様子をよく観察して、待つ、です。子どもたちには、いい状態の生地を見て、触って、においをかいでもらい、覚えて帰ってもらいます。パンがどうしてもうまくいかないときは、パン上手な人と一緒に作るといいですよ。その時は、生地の状態に注目します。良い生地の状態を覚えたら、それに近づけるように作ったらいいからです。

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