キッズキッチンレター10月号
カンブツというと、一般的に植物性のものを乾かした物を言います。動物性のものを乾かすと、ひもの。ドライフルーツやナッツ、そういった分類しにくいものも全部含めて言いたいときは「かんぶつ」とひらがなで書くようです。
「かんぶつ」は、乾燥したもの全て、なので、穀類や豆類、パスタ、そんなものも含みます。
かんぶつは子どもの頃から身近にありました。基本的には乾いたものを水につけて戻して加熱するだけで食べられるので、何かと家にありました。また特に出汁をとる用の昆布やいりこ、鰹と干しエビはいつもキッチンの棚にあり、そのまま食べられるので、子どもが勝手におやつに食べていい食品でした。そこには、たまにアゴ(焼き干し飛び魚)や焼き干しのベラ(キュウセンと言う名前の魚)がおいてありました。同じ場所に置いてある、たらの味醂干し、スルメも“勝手に食べてもいいおやつ“でした。外洋航路に乗っていた親戚がたまに持ってきてくれるレーズン、マンゴー、プルーン、カラント、胡桃にアーモンド、そんなものもおやつでした。
記憶に残るかんぶつはおやつばっかりですが、かんぶつには、手軽に、冷蔵庫に入れなくてもよくて、すぐに食べられる印象があります。乾物はとにかく手軽です。切ってありますし、戻してそのまま、あるいは加熱するといつでも食べられるようになります。特に炊飯器など自動の加熱調理器を使って利用すると、“インスタント食品“の部類に入るのではないでしょうか。昔ながらの知恵が詰まっていて、なおかつ今も大活躍する食品です。
基本的にどんなものも水に戻して、その水はお出汁になるので、そのまま使っても大丈夫なのですが、ひじきだけはご注意ください。「水戻し不要」と書いてあるもの以外、必ずたっぷりの水で戻し、その水は捨ててしまいます。無機ヒソが含まれているので、30分以上水戻しし、その水はよくよく絞って捨てます。