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UIにおける体言止め(名詞)と動詞
自分の携わるプロダクト「ABEMA」にて、UIにおける文言のガイドラインを定めて運用している。
しかし、一部難しいなぁと思うテーマがあったのでメモ。
それが体言止め(名詞)と動詞についてだ。
ちなみに、その文言ガイドラインで何を記しているかはコチラ。
- 本ガイドラインのゴール
- 簡潔に、正確に
- 謙譲語・尊敬語について
- 体言止め(名詞)と動詞
- 過去形と現在形について
- 一人称と二人称(あなた or わたし)
- 句読点について
- 伝わりやすい言葉を選ぶ
- 単語レベルでの表記ルール
それぞれの項目について結構詳しく定めているのだが、本記事では体言止め(名詞)と動詞についてどのようなガイドラインにしたか、どこに悩んでいるかをメモってみる。
体言止め(名詞)と動詞について、どんなガイドラインにしているか
基本的にはテキストエリアが不必要に大きくなるのを防ぐために、ボタンやリストの項目名に用いるテキストは「体言止め」「名詞」にするが、ある条件を満たした場合は「動詞」を使う。
1. 「体言止め/名詞」を使う場合
選択されたオブジェクトに対するタスクは「体言止め」「名詞」を使う。
例:メール(オブジェクト)を送信(タスク)するとき
⭕️送信 ❌送信する
⭕️メールを送信 ❌メールを送信する
例:ユーザー名(オブジェクト)を変更して保存(タスク)するとき
⭕️保存 ❌保存する
例:履歴ページから項目(オブジェクト)を削除(タスク)するとき
⭕️削除 ❌削除する
2. 「動詞」を使う場合
タスクからオブジェクトを選択する場合は、より主観的な意識にさせるため「動詞」を使う。
例:投票する(タスク)をタップして、誰(オブジェクト)に投票するか決めるとき
⭕️投票する ❌投票
例:購入する(タスク)をタップして、コイン(オブジェクト)をいくら購入するか決めるとき
⭕️購入する ❌購入
3. 例外について
上記1と2の例外は以下。
・特別に行動を促したい場合はオブジェクトとタスクの順番に関わらず「動詞」を使う。
・テキストを配置できるビューが小さいときはオブジェクトとタスクの順番に関わらず「名詞」を使う。(例:ツールバーのラベルボタンや40~64pt程度の小さいボタン)
とまぁこんな感じに。
つまりはオブジェクトベースかタスクベースかで名詞と動詞を使い分けている。
基本的には文言ガイドラインはしっかりと定められたが、名詞or動詞については難しかった。
アクションするときの文言は基本的に体言止め/名詞で全く問題なく成立するのだが、
サービスを作っているとどうしても「〜〜する」などと動詞を使いたくなるのだ。
英語はどうなのかわからないが、日本語においては動詞にすることでユーザーの行動が促せるというか、ユーザー自身が主観的に感じられる場合があるのではないかと。
ユーザーがアプリケーションを道具として扱う際にインターフェースを通して「命令」するのか、
アプリケーションとユーザー自身が溶けこんでインターフェースをまるで「自分の思考や行動」のように感じさせるのか。
ちなみに
2016年時のABEMAにおいても、シェア機能を「友達に教える」というライティングにすることで主観的な意識を促そうとしたこともあったが、
素直に「シェア」にした方がちゃんと使われることが後々判明した笑
正解がなかなか無いような気もするし、AppleやGoogleが正解を出しているような気もする。笑(ググっても日本語における正解を見つけられなかったけれど。)