伝統工芸×食の体験型レストラン「CRAFEAT」に行ってきた
今回はシグマクシスの島から、石川県で味わった食体験の記事です。
先日、石川県金沢市にある「CRAFEAT(クラフィート)」という体験型レストランを訪れました。石川県の食材を中心とした料理を、輪島塗、山中漆器、九谷焼などの伝統工芸の食器で提供され、店名は、工芸を意味する英語「CRAFT」と食べることを表す「EAT」を組み合わせています。
お店で出される料理は、1枚数万円の料理皿や1客50万円の蓋碗!などで提供
されます。実際に見せていただきましたが、厚みのある金箔で見事な松が描かれた輪島塗のお椀でした。
料理は美しい器に盛られると、見た目も美しく、数倍美味しく感じられます。また、お店で器を手に取るだけでは伝わりにくい漆器の良さを、食事を通して体験することができます。漆器は保温・保冷性が高く、食べる際の口当たりが良いことが特徴です。さらに、日常の手入れや注意点なども丁寧に教えてもらえるので、使い心地をより深く理解することができます。
実際に食べた器の中で気に入ったものは購入することもできます。注文した物は後日、自宅に届けてもらえますので私のように遠方に住んでいる場合も安心です。漆器の修理(お直し)も引き受けていただけるそうで、どんな産地の木製漆器も蘇らせてくれるそうです。心強い!
ちなみに、美しい器だけでなく、趣向を凝らした演出も加えたお料理も大変美味しくいただけました!(食べるのに夢中で上手く写真が取れてない…)
視覚、触覚、味覚、嗅覚をフル活用しながら食の体験ができるレストランで満足度めちゃめちゃ高かったです。
この店を運営する田谷漆器店は、創業200年(1818年~)の老舗塗師屋で、10代目の店主 田谷昂大さんが、日常で使われなくなっている輪島塗への憂いから始めたそうです。
私は石川県のお隣、富山県出身ですが、子供の頃に祖父母の家で伝統工芸の器が日常的に使われていたり、お正月にはちょっと高そうな輪島塗でお雑煮を食べた記憶があります。しかし、大人になってから自分自身で使ったり、購入する食器の多くは工業製品が中心となっていることに改めて気づかされました。これからは自分の気に入った器を見つけて、長く使い続けてみようと思える体験でした。
(Written by Takeichiro Shima)