1年目が終わったことに気がついた。
おはようございます。
信じられないことに、今年度の授業が今月頭で終了しました。絶賛夏休みに突入しています。
学校生活1年目がもう終わったと言うのは、本当に信じられません。あっという間だったけど、想像以上に様々な出来事と、色々な気持ちに出会いました。ドイツ語は思ったより上達していないけど、トロンボーンの方は自分の想定を遥かに超える充実度でした。
年度が終わった感はこちらは本当に薄くて、節目ではありつつ、そんなに特別な何かはありません。夏休みは、数週間旅行はするけど、他はトロンボーン特別強化合宿をひたすら続けるような感覚です。来年度からのたくさんの旅と戦に向けて、力を蓄えているような(笑)
音楽をやる人間としてだけではなく、地球に住む1人の人間として、すごく大切なことをたくさん学んだ時間でもありました。きっとこれはこれから先も、そうであり続けるものだと思う。自分の考えていた当たり前が、全く当たり前ではないことを知ること、それから、本当にたくさんの人に助けてもらったから生活できたという実感は、人生が豊かになるだけではなくて、許すことを覚えたり、優しくなることを教えてくれたりもしました。日本を発つ前にある先生が「日々できる限り良い人であれたらいい、と思いながら生きていますね」と言っていたのを思い出して、その当時はそれがピンとこなかったけど、この一年を通して、何となくそれが分かるようになったような気がしたりなどしています。
この一年、どうしてこんなに迷いなく、まっすぐ練習できたのかなって考えたら、今自分が歩いてる自分の道が、そしてその道の行く先が、すごくはっきり見えるようになったということが大きいと思います。それはもう95%はイアン・バウスフィールドのレッスンのおかげで、彼のレッスンを受けられることが幸せで仕方なかったからというのが主な理由ではあるんですが。10月ごろのレッスンで彼に言われたセリフをいまだに覚えていて、それは「僕は君に才能があって、できる生徒だと思ったからこのクラスに取った。だから君は、やろうと思えばこの程度の曲何の問題もなくできるはずなんだ。それなのに、なぜやらないの?」
このセリフは、度々練習室で「一週間でできることはこれくらいだろう」という謎の自分で勝手に決めた妥協や限界が顔を出すたび、私の脳みそをカンカンと叩いて、私を頑張れせてくれたと思います。それからこれを言われた瞬間に、頭の靄が消えて、目の前の見通しがすごくよくなった感覚があったことも覚えています。彼も私をよくすることに本気なんだと感じられたからかもしれないし、自分を信じられるよう上手く暗示をかけられたのかもしれないし、ただ単に英語がまだまだで運よくポジティブに言葉を捉えることができただけかもしれないけど、とにかく誰かと比べたり余計なことを心配したりせず、言われたことをがむしゃらにやってみようというスイッチが、このときに入った気がします。「なぜできないの?」とか「もっといい音で吹かないとここの生徒とは言えない」みたいな言い方と紙一重な気もするけど、結果的に、少なくとも私にとって、史上最高にポジティブなエネルギーを持った「本気出して練習しろよ」だったなと思います。
その日以降、彼に同じことを2度言わせてはならないというプレッシャーのもと、毎週必死で練習したこと(Basta3日チャレンジの辛さはわすれもしない)、それから、彼の言うことを100%信じて疑わず、オートマティックに言われたことをこなす姿勢をブラさなかったことに関しては、自分を褒めてあげたいと思っています。結果的にそれが、私の中でこんがらがっていた、散らかり放題だった部屋を整理整頓してくれて、迷いなくまっすぐ練習できるようになりました。来年も、この一年と同じくらいの伸び幅で成長できたらいいな。前述のとおり、今はその起爆剤を作るべく、楽器の練習というよりむしろトロンボーンのトレーニングをしている感じです。
これは個人的な意見なので、あらゆる人に当てはまるとは決して限らないと思うのですが、なんだか今いる場所は息がしづらい、と感じている人がいるとすれば、それを留学の理由にしてもいいと私は思います。今いる場所が苦しい、今ここで何だか上手くいかないという理由で外の世界を求めることは、何となく逃げのように感じてしまうこともあるかもしれないし、時に少しリスクのあることだとは思います。でも、どんな選択も行ってみなければわからないことだらけだし、やっぱり違ったと思えば、やり直して再スタートをするのに、遅すぎるということはないとこの頃感じます。いろんな理由で、20代後半になっても勉強を続けている人はここにはいっぱいいるし、皆それぞれにそれぞれの時間軸を歩んでいるのだから、それに早いも遅いも、正解も不正解もないんだなと。それから、自分に合う場所というのは世界のどこかに必ずあって、それと同様に、どう頑張っても合わない場所というのもあるんだと私は思う。息がしやすい場所で、楽しく人生を頑張ることができるなら、それがどこであろうと、それがあなたの人生だよね、っていうことでいいんじゃないかと。とりとめもなくそんなことを思っています。
3か月の夏休みを日本に帰らず過ごすと言ったら、各方面友人たちに驚かれましたが、夏のベルンは美しいだろうなと、いまから楽しみにしています。こちらでの初めての夏ですし、ベルンやスイスを満喫しようと思っています。最近の大きめな出来事は、友人に教えてもらいながら泳ぎを練習し始めたことかもしれません。自分は壊滅的に泳げない人間だと思っていましたが、想像以上に楽しくて、割と良い成果を上げている気がします。
素晴らしい最初の一年を支えてくれたすべての皆さん、心からありがとうございます。このブログをのぞきに来て、超個人的な心のうつろいにお付き合いいただいた皆様も、ありがとうございます。引き続き、通勤通学時間の暇つぶしにでも、お付き合いいただけましたら嬉しいです。
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