かけがえのない2週間をふりかえってみた。
おはようございます。
今日でベルンに来て1週間になりました。朝方生活はなんとか継続中です。ようやく部屋が暮らせる状態になって、主要な手続きにも赴いたところです(まだ終わってないけど)。
さて、日本からのフライトは、初めてQatar Airline(カタール航空)を使って、カタールでの乗り継ぎを含めて約24時間という旅でした。長い!!!!!!!!!!!!!!! 深夜の便でしたが、最初の12時間は寝ようと努力してあまり寝られずに終わり、5時間のトランジットをはさんで、最後の7時間は睡眠不足による眠気で寝て終わりました。2便目はいつ飛んでいつ着陸したかいまいち覚えていません:)
いちばん初めの面白かったことは、トランジットでチュニジアから来ている日本への留学生と仲良くなったことです。私の持っていたトロンボーンケースに食いついてくれて、なんとこの後国に帰ってプロポーズをするんだと指輪の箱を見せてくれました。彼の母国では気が強くて、よく食べよくしゃべる子がモテるそうです。ビーチでサンセットの時間にプロポーズをすると言っていました。うまくいったかなあ。
はじめは真っ暗だった外がだんだん明るくなって、人も増えて、空港内が起きていく感じを見ているのが面白かったです。前に友達が「時間が消えている感じがして不思議じゃない??」と言っていたけど、朝起きて夜寝るという生活の時間軸から外れて、外側からその流れを見るような感覚を味わうのは、フライトの醍醐味だという気がします。
こちらに着いてからは、まず部屋を整えるのに必死でしたが、ルームメイトが何かと手伝ってくれました。家から1時間かけて、見渡す限りの山と畑が広がる中に忽然とある、入るのがちょっと怖いくらい、信じられないくらい大きいIKEAにも行きました。
ベッドと机は近所のリサイクルショップで購入したのですが、車がないのでどうやって運ぶかが問題で、ただ、とりあえず固い床で寝なくて済むようにマットレスだけでも運ぼうとルームメイトが言ってくれたんですね。それで売り場に戻ったら、私が代金を払い済みのベッドを、舐めるように眺めているマッスルな男性がいたんです。そのベッドは折り畳みの機能が付いていて、私は正直その機能はほしくなかったんだけど、それがその店で一番安いものだったので…。私たちが「それもう買ったんだよ」と言ったら、「これは素晴らしい、本当に欲しかった、別のを探すから写真だけ撮らせてくれないか」と言うんです。そうしたらルームメイトが、突如交渉を始めたんです(私のベッドなのに)。私は隣で傍観していたんですが(私のベッドなのに)、気が付いたら、マッスル男性の家にある使わないシングルベッドと、私が買ったベッドを交換しようという契約が発生していました(私のベッドなのに)。いや、感服しました。すごいルームメイトを持ちましたね。結果、私は木製でメイドインスイスで足を上げる機能付きの、やたら良いベッドを手に入れた上に、買ったものはすべて彼がトラックで運んでくれて、家具をどうやって運ぶ問題もすべて解決、その上、後日別のところで手に入れた中古のソファも、彼が同僚を連れてきて、運ぶのを手伝いに来てくれました。
いや、いまだに信じられませんが…あ、そう、しかもその人の会社は、私の住んでいるアパートのオーナーに、清掃で雇われていたんです。世界は狭いというかなんというか、面白い縁があるものです。
そんなこんなで、1週間過ぎました。いや、出国したのが1週間前だなんて、信じられません。もう遠い昔のように感じます。
そう、出発前の1週間は、準備に追われながら、とにかく大好きな人たちに会いまくった日々になりました。たくさんの人から、たくさんの愛をもらって、私にとって忘れられないかけがえのない時間になりました。
私は3年前にもHKB(Hochschule der Künste Bern / 私が通う学校の名前の略)を受験して不合格を食らっているんですが、今あってそのときになかったものは、寂しいという感情でしたね。当時は次のステージへ進むとき、これまでを切り捨てて逃げ場をなくすという方法しか知らなかったので、こんな風にたくさんの愛をもらって、そのあたたかさと一緒にここに来るということはできなかっただろうと思っています。そしてそれができて、本当に良かったなと。
藝大3年間で出会ったかけがえのない友人たちは、本当に私の人生を豊かにしてくれました。藝高で出会った親友のかけがえのなさにも、この3年で改めて気が付きました。家族や先生のありがたみも、これからも失いたくない大切な人の大切さも。これからここで頑張っていく上で、きっとこの気持ちは私を助けてくれるし、今あるありがとうは今言いたい:) 今は寂しいというよりは、心に感謝とパワーを抱いているような気持ちです。今週は、ドイツ語でトラムの定期を買ったり、携帯の契約に行くときに、その気持ちがぐっと私の背中を支えて、行け!!と言ってくれているような感じでした。本当に、幸せで大切な時間になりました。みんなありがとう。ありがとうございます。
今回は長めの文章になりましたが、今後も気ままに続けていきます。今日からとうとうレッスンが始まったり、授業が始まるとどうなるかわからないけど…できるだけ色々とこちらに書き残したいなと思っているので、電車移動の暇つぶしにでも、またのぞきに来てください;)