最近心に浮かんだあれこれ
おはようございます。
12月ももう半ばですね。私は毎年、冬は寒いし野球もシーズンが終わってしまうから嫌いだといいつつ、12月はクリスマスソングとクリスマスらしい街並みと、鍋などの冬ならではの食と、年末年始の特番と、、、みたいな感じで、12月ならではの年末に向けての匂いが結構好きだったんですが、今年は全く違った匂いの中で今を過ごしています。冬のベルンは初めてなので、新しい愛をひとつひとつ見つけながら歩いている感じです。
クリスマス前は割とギリギリまで授業を受けていたりするのですが、年末年始はがらっと予定も真っ白で。こんなに予定がないのも久しぶりだし、ルームメイトも友人たちも帰省してしまうので、どう過ごしたものか、考え中です。やりたくてできていないことや、行ってみたい場所は尽きないのですがね。
ヨーロッパの冬は、とにかく夜が長いです。8時ごろ、ようやく日が昇ってきて、17:00にはもう真っ暗です。なので最近は、8時以降でないと絶対に起きられないし、8時より前に起きないといけない予定は極力避けて生きています。先週話した人の中に、毎日6:45に起きて朝練していると言っている人がいましたが、とてもじゃないけど無理です(笑)ずっと住んでいたら慣れるのでしょうかね。昼間も、どんよりと曇っているか、雨がふっているかのどちらかがとても多いです。夜の深さも暗さも、もっともっと深いように感じます。でもその分、たまに晴れ間がのぞくと、きゅんとするほど幸せな気持ちになります。あるとき、ビートルズのHere Comes the Sunが、今までの10倍くらい素晴らしい曲に感じたことがありました。今までもめちゃくちゃ大好きな曲だったんですが、冬が長い、そして冬の夜は長いという国で、ジョージも育って暮らしてきて、それでこの曲を書いたんだな思ったら、太陽が垣間見えたときに幸せになるリスナーの気持ちに、きっと私が思っていた何倍も響く曲だったんだろうな、とかなんとか思い巡らせたりなどして。こういう小さな発見は、ただの自己解決自己満足のマイワールドですが、結構テンションが上がります。あーここ来てよかったなー、ビートルズに一歩近づいちゃったもんなー、人生楽しいな、とか勝手に思います。
ビートルズといえばですが、時々、まだ暗い7:00とかに目が覚めると(布団からはもちろん出ません、8:00まで二度寝します)、小学6年生の時の年明けに、父がビートルズをこよなく心底愛しているからという理由で、家族でイギリスへ旅行へ行ったときの朝を思い出します。朝ホテルで朝食をとったとき、いざ出かけようとフロントへ降りたとき、窓から見た8:00過ぎの空が真っ暗だったときの景色と、それをみて、ヨーロッパにいる実感がふわっと湧いてきたときの気持ちです。もうあれ、10年前になるのか。それでも、ちゃんと自分の中にそんな些細な瞬間が残っていることに驚きます。
でもあの旅行は、本当に印象深くて刺激が多くて、今でも覚えている気持ちも景色も、細かくたくさんあります。きっと知らないうちに、私の中で扉がわあーっと開いて、風圧の変化で風が起こった部屋みたいに、大きな変化が運ばれたんだと思います。上記の理由でもちろんリヴァプールにも訪れたのですが、あのときあの街を歩きながら、いつかかっこいい大人になったら、コーヒー片手にヒールのブーツを履いてこの街にもう一度来たいな、一人旅でまた戻ってきたいなと、強烈に思っていました。今、イギリスが実家でちょいちょい帰ったりしている友人を見たりすると、諸々はいったんおいておいて、物理的な距離は結構現実的に可能なんだな、とか考えたりします。ヒールのブーツも持ってるしな。12歳の頃の自分の夢を、どこかのタイミングで叶えてあげられたら、なんかちょっと素敵かもしれない。
それからこの間の日曜日、こちらで初めて映画館に行きました。ベルンの映画館で、チョイスが「君たちはどう生きるか」と「怪物」の二択というよくわからない状況になりましたが(笑)、一緒に行った人がジブリ好きな人だったことと、なんとなくスイスでジブリ観てみたいと思ったこともあって、二度目の「君たちはどう生きるか」でした。噛めば噛むほど味わいが増すのがジブリですしね。日本にいたときはミニシアターに行くのが趣味みたいなところあったけど、映画館もまあなんせ高いので、次回は半年後くらいになると思います:(
映画の感想はネタバレ防止のため避けます(笑)。日本とは、お客さんたちの笑いのツボが違ったりして、面白かったです。こういうところで、なんというか、血に流れる文化の違い、感覚の違いみたいなのを感じることもあるんだなあ、と思ったり。たまに私会話の中で、アホみたいなタイミングで笑ってることとかあるんだろうな(笑)
映画の終わり、エンドロールで米津玄師の≪地球儀≫が流れて、日本の中のものだと思っていたその声を映画館で聴いたとき、なんだか不思議な気持ちになりました。記憶の糸が引っ張られて、小さい時に観たジブリの映画たちと、それと一緒に埋まっている景色や思い出や誰かの声みたいなのを、すーっとめぐっている感じがして。「地球儀を回すように」、昔、世界地図の本にやたらハマって、弟と一緒に寝る前に母によく読んでもらっていたこと、スイスは永世中立国なんだよ、日本からいちばん遠い国は、地球の反対側にある南米のブラジルとかアルゼンチンとかその辺で、人口ランキングはこうで、面積はこうで赤道がこうで、みたいな話をしたのも、いまだに景色や会話と一緒に覚えていることに気が付いて、時間がたって、あの時見ていた世界地図上の場所に今はいて、いろんなところから来た友人と知り合って、なんかそれってすごいなって思ったり。いつ何時も、時間は一定の速さで前にしか進まないけど、その中で、時々こうして時空を旅するような空間と感覚に落ちることってあります。映画の力とか音楽の力みたいな言い方は安易だけど、でも実際、そういう力をこれらは持っていて、それを浴びた時間だったんだろうな。穏やかであたたかい日曜日の夜でした。
それから一度目に見たときよりも、日本語の美しさが骨に沁みました。当時映画を見る前に読んだ、米津玄師さんの≪地球儀≫に関わるinstagramの文章が印象的だったのを思い出して読み返してみたら、それも、研ぎ澄まされて、目を閉じて深呼吸をしたくなるような、本当に美しい言葉運びでした。
こちらに来てようやく、日本語の美しさにもちゃんと実感として気が付いて、詩や歌詞を書くことを再開しています。何にもならないどこに出すでもないただの趣味ですが、言葉と音楽の関係性には以前から面白さを感じていて、書くことは私にとっては、音楽にもすごくいい影響があります。こういう話をこちらで友人とするには、まだまだ英語もドイツ語も必死に上達させないといけないですけれどもね。頑張ります。
それからこれはもうだいぶ前になりますが、随分と雪が降りました。ベルンは年に数回しか雪は降らないと聞いていたんですが、、でも、本当に美しい数日間でした。Instagramに写真を何枚か投稿しましたが、ここにもそのあと撮ったものを1枚載せておきます:)
意図していませんでしたが、昔話多めになりました。今年はもうレッスンも終わって、残すは授業とこまごましたイベントだけなので、余裕のあるうちに試験に向けての勉強やらドイツ語やら、しておきたいところです。言うのは簡単です。いまのところは未来の自分に期待しておきます。せっかくほんわか穏やかな回になったので、雰囲気を壊さないように、前回ちょっと話した女の子たちの恋バナのくだりは、またまた後日。
12月は忙しい方が多いと思いますが、どうかご自愛くださいね。ここへの次の投稿が年内か年明けになるかわかりませんが(笑)、引き続きお付き合いいただけたら嬉しいです:)