Allen Strange『Electronic Music: Systems, Techniques, and Controls』(1972)読書ノート①概要編
めちゃくちゃ久しぶりのモジュニカ学習帳ですが、名前に相応しい内容の記事を書き始めます。
『Electronic Music』の読書会が始まるので、予習兼ねた読書ノート風な記事を書きます。紹介文とかはChatGPTに丸投げして、体裁だけ整えました。細かい確認はしていないので正確性には欠けることもあるかと思いますが、本や著者自体の研究をガチガチにしたいわけでもないのでご了承ください。
さてまずは概要編ということで、基礎知識をどうぞ。
本書とAllen Strangeについて
アレン・ストレンジのプロフィール
アレン・ストレンジは1943年、アメリカのモンタナ州で生まれました。彼は1960年代からBuchlaモジュラーシンセサイザーを中心にした電子音楽の作曲活動を展開し、カリフォルニア州立大学サンノゼ校で長年にわたり電子音楽を教えていました。その教育への貢献は、後進の育成のみならず、電子音楽を一つの体系的な学問分野として確立する手助けとなりました。
彼の作品は、ランダム性や即興性を重視した独創的なアプローチが特徴です。従来の音楽形式に縛られず、音そのものの物理的性質や心理的影響を探求することに情熱を注ぎました。
著書『Electronic Music: Systems, Techniques, and Controls』について
1972年に初版が出版された『Electronic Music: Systems, Techniques, and Controls』は、電子音楽の分野で長くスタンダードな教科書として親しまれています。この本は、電子音楽の技術的側面を詳細に解説しつつ、クリエイティブなアイデアを育むための実践的なアドバイスを提供しています。
本書の特徴
1.シンセサイザーの技術解説
BuchlaやMoogをはじめとするモジュラーシンセサイザーの基礎から高度な応用技術まで、実例を交えながら解説しています。具体的なパッチ例や音作りの手法は、初心者からプロまで幅広い読者に役立つ内容です。
2.音響理論と実践の融合
音波、フィルタリング、モジュレーションなどの音響理論を分かりやすく解説し、それらをどのように音楽的な表現に結びつけるかを丁寧に示しています。
3. 創造性を刺激する内容
単なる技術解説に留まらず、読者が自らの音楽アイデアを育てるヒントが散りばめられています。モジュラーシンセサイザーを単なる楽器ではなく、「音を彫刻するツール」として捉える哲学が根底にあります。
今日でも読まれる理由
本書は、出版から50年以上経過した現在でも、多くの電子音楽家やサウンドデザイナーにとってバイブル的存在です。デジタル技術が進化した現代においても、モジュラーシンセサイザーやアナログサウンドに立ち返る動きが強まる中、ストレンジの洞察は普遍的な価値を持ち続けています。
アレン・ストレンジの遺産
アレン・ストレンジは2008年に逝去しましたが、その遺産は今日の電子音楽や音響アートの中に息づいています。彼の著書『Electronic Music』は、新しい世代の音楽家にインスピレーションを与え続け、彼の革新的な精神と深い知識は、電子音楽を愛するすべての人々にとって貴重な財産です。
サンキューChatGPT、ということで、古典でありバイブルであることがなんとなく分かりましたね。
どのくらいバイブルなのかというと、我らがMake NoiseもYOUTUBEで本書の紹介や、記載されているパッチング例の紹介をしています。
『Electronic Music: Systems, Techniques, and Controls』の全体像
さてこの本、デカくて重くて高いわけですが、どのくらいのボリューム感の本なのでしょうか。総ページ数は約280ページ、ただし図鑑みたいなサイズです。
何も考えずに適当に開いたページはこんな感じ。
内容は全16チャプター、とりあえず全部書き出してみましょう。"(1.1-1.2)"はチャプターの小見出しの番号(全部書くの無理、多すぎ)、DeepLに丸投げした翻訳も付けました。
Preliminary Statements about the Subject Matter(1.1-1.2)(主題に関する予備的記述)
Considerations of the Basic Parameters of Sound(2.1-2.2)(音の基本パラメータの考察)
Electronic Sound Sources and Their Characteristics(3.1-3.19)(電子音源とその特性)
Basic Signal Processing: Amplifiers and Filters(4.1-4.17)(基本的な信号処理 アンプとフィルタ)
Concepts of Voltage Control(5.1-5.18)(電圧制御の概念)
Control Voltage Sources(6.1-6.84)(制御電圧源)
Sub-Audio Modulation(7.1-7.29)(サブオーディオ変調)
Audio-Rate Modulation(8.1-8.67)(オーディオレート変調)
Equalization and Filtering(9.1-9.49)(イコライゼーションとフィルタリング)
Magnetic Tape Recording(10.1-10.11)(磁気テープ録音)
Audio Mixing(11.1-11.28)(オーディオ・ミキシング)
Reverberation, Echo and Feedback(12.1-12.29)(残響、エコー、フィードバック)
Panning and Sound Location Control(13.1-13.18)(パンニングとサウンドロケーションのコントロール)
Miscellaneous Equipment(14.1-14.10)(その他の機器)
Performance Electronics(15.1-15.6)(パフォーマンス・エレクトロニクス)
Scores for Analysis and Performance(16.1-16.11)(分析とパフォーマンスのためのスコア)
およそ電子音楽に関わるベーシックな事項が、これでもかと網羅されていますね。言及範囲がChapter9以降のような内容にまで踏み込んでいる書籍はなかなかないと思うので、読み応えがありますね(死)。
概要のまとめ
さて、まずは第一回読書ノートということで、『Electronic Music: Systems, Techniques, and Controls』の全体像を色々眺めてみました。
全部読むのかあこれ、とまあまあしんどい気持ちと、これだけの情報量を自分のものに出来るかもしれない成長への期待を感じています。
休眠状態だったモジュニカ学習帳でしたが、学習成果の共有ができるよう少しずつ復活させていこうと思いますので、乞うご期待!