これで「体重を落とす健康食品!」と言っていいの!?
という質問をいただきました。
実際のサイトのURLもいただきました。質問をいただいた当時は閲覧できたのですが、現在は見ることができなくなっているようです。そのページはこのようなものでした(図1)。アクセスしたときの情報と一緒に示します。
https://sb-rakuraku-slim.myown-page.com/ab/laku-f2-17q-le03?ldtag_cl=RHIxvqayTFab7rUCa6uKfAAA(2023年4月12日アクセス)
このサイトは健康食品の広告が掲載されているサイトでした。「飲むと体重が減る」といった魅力的な説明が並びます。実際の商品の詳しい説明は別のサイトでなされていました。機能性表示食品という分類の食品で、エビデンスに基づいた説明がされているように見えますが…。実際にエビデンスとして使われている論文まで読んでみると、この情報の問題点だけでなく、機能性表示食品の制度そのものの課題まで見えてきました。
実際に栄養疫学専門家の目で見つめるとどう評価できるのか、紐解いていきますね。
※この記事は個別の食品を批判するものではありません。世の中に出回っている食情報をどう読み解くとよいのか、実例に基づいた説明を行うために、実際に発信されている情報を具体例に用いて解説したものとなります。
※この記事のように栄養疫学者に回答してもらいたい疑問・質問がありましたらお問合せフォームからお寄せください。
疑問・質問回答サービスの詳細はこちらで説明しています。
こんな思いで運営しています。
●機能性表示食品として登録された商品
さきほど挙げた広告サイトから、この商品の購入ページへ移ることができました。
https://www.nicorio.co.jp/item/nlbf/ (2024年2月28日アクセス)
酪酸菌やある種の有機酸が含まれる健康食品のようです。摂取することで、腸内環境を改善や、体重が減少するのを助ける機能があると説明されています。そして機能性表示食品であるとも書かれています。消費者庁に届出をすることで、食品の機能を表示することを認められた食品です。ただし、消費者庁は提出された書類の信頼度を評価しません。必要な書類をそろえて提出すれば、消費者庁が表示を「審査」や「許可」するわけではなく、事業者の責任で機能性を表示できるんですよね。このあたりが、審査があり許可制である特定保健用食品とは異なります。
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