コンセントのノベルティグッズを制作しました - 社内コミュニケーションのデザイン
こんにちは。コンセントの新卒2年目 UX/UIデザイナーのサカモトです。
今回は、社内コミュニケーションのツールとして制作したノベルティグッズについてご紹介します!
制作の経緯 - 社内コミュニケーションの活性化をねらう
制作のきっかけは、コンセントの Cluture Design group による社内環境改善のための取り組みでした。
Culture Design Group(以下「CD」)とは、「BPR」「庶務」「労務」「財務会計」「法務」「管理」の専門業務を主に担う、コンセントの「全社を支援し組織能力を高める」部署です。名前のとおり、コンセントメンバーが心地よく、意欲をもってはたらける文化をつくるために日々工夫を凝らしてくださっています。
今回のノベルティ制作は、CDがコミュニケーションの活性化の一環として発案したものです。
近年、社内の交流イベントや、ワークショップ等のお客様を招いてのイベントが増えてきたことを受けて、「愛着がわくアイテムを置きたい!」「お客様に喜ばれそうなグッズを差し上げたい!」という思いからプロジェクトが立ち上がりました。
第1弾では、食事やお菓子を囲んでの交流の場を華やかに彩る「紙ナプキン」を制作することになりました!🍽
特定のメンバーをデザイナーとしてアサインするという選択肢もありましたが、「日々クライアントワークに勤しんでいるメンバーに、遊び心をもってデザインを楽しんでほしい」という意図から、アイデアは社内コンペというかたちで募ることにしたようです。
楽しそうなお祭りにはできるだけ乗っかりたい!(という習性により、学生時代からあらゆる活動に飛び込みまくっている)と考え、私もエントリーを決めました。
全社による投票と、プロジェクトメンバーによるブランディングや実用性等の観点でのチェックを経て、最終的に私の案で制作することに決まりました。
コンセプト - 想いを包んで手渡す包装紙
アイデアを出す際に、まずは紙ナプキンの特徴やイメージ、そこから連想されるモチーフなどを洗い出していきました。
薄く透ける素材 → トレーシングペーパー、レース
4ツ折りにする → ハンカチ、折り紙
人に差し出す → 手紙、プレゼント🎁
「プレゼント」という単語が出てきた時に、「紙ナプキンそのものがプレゼントになる訳じゃないんだよな」という思いが浮かびました。
実際に活用される交流会やイベントなどのシチュエーションにおいて、プレゼントは「会えて嬉しいです」「楽しく過ごしてください」という歓迎の気持ちそのものです。
それなら紙ナプキンはなんだろうと考え、「紙」という素材、「プレゼントを演出するもの、包むもの」という役割から、「包装紙」というモチーフが連想されました。
ここで、『想いを包んで手渡す包装紙』というコンセプトが固まりました。
このコンセプトでやるならいかにも包装紙らしくしようと思い、「連続したパターンの図柄」「イラストを囲むファンシーな飾り枠」など、具体的な表現も自然と決まっていきました。
ねらい - ビジョンにふれるきっかけをつくる
図柄に入れるイラストレーションも私が制作しています。
「なんとなく」で描くのでなく、なにか意味をもったものや、目的のために有効に機能するものにできたらいいなと考えていました。
そこで、コンセントのミッションである『デザインでひらく、デザインをひらく』を活用して遊ぼうと思いました。
「扉をひらく🚪」「本をひらく📖」「花がひらく🌷」など、〈 ひらく 〉で連想したことばをイラストにしています。
クライアントやパートナー企業、入社間もないメンバーとの交流の場で、「これはコンセントのミッションの『ひらく』に掛けてるんですよ」という会話のフックになることを狙っています。
制作 - その素材ならではの工夫のいろいろ
はじめて制作するものには、「そんなことも考えなきゃいけないのか…」といった気付きがいつもたくさん。
印象的だったものをご紹介します。
① イラストは版がズレても成立するように
上の図の「BEFORE」のようにパーツごとに色を完全に分けてしまうと、版ズレ(色ごとの版がズレて出力されてしまう現象)が大きく生じた際にイラストが成立しなくなってしまいます。
通常の紙の印刷と異なり、紙ナプキンは素材が薄く柔らかいため、版ズレ(色ごとの版がズレて出力されてしまう現象)が大きくなりやすいそうです。
さらに、今回のデザインはイラスト1つのサイズが3cm角程度と小さいため、版ズレの影響を大きく受けやすいです。
このため、イラストは「グレー → 主線として使い、イラスト全体の輪郭を描く」「イエロー → イラストのアクセントカラーとして使う」という処理に変更しました。
② 色が薄めに出る
紙ナプキンのような薄く柔らかい紙は、インクが載りにくく、通常より色が薄めに出ます。
今回おこなった2色刷りは、DICなどの特色を指定し、印刷所に刷っていただきます。
色見本を見ながら色を選びますが、見ている色よりも薄くなることを考慮する必要があり、慎重に色を選びました。
③ 紙を畳んだとき、色が濃いと干渉しあう
正方形の紙ナプキンは4ツ折りの状態でストックされます。
素材が薄いため、グレーの色が濃すぎると絵柄が干渉しあってしまいます。
干渉を避けつつ、薄すぎて絵柄が見えなくならないような濃度を、②を踏まえながら狙うことに苦戦しました。
④ 「視認性」と「ブランディング」を考慮してイエローを選ぶ
コンセントのコーポレートカラーは蛍光イエローです。
しかし、蛍光イエローでそのまま刷ると、明るすぎて十分な視認性を保てません。
オレンジに寄せると視認性は上がりますが、コンセントのコーポレートカラーの印象からは外れてしまいます。
すこし青みがかったグレーを含むようなイエローにすることで、視認性とブランディングの両立を目指しました。
完成 & オフィスに設置
完成品が届きました。
かわいい。
グレーの干渉度合いやイエローの視認性が不安でしたが、理想通りの色合いに仕上がりました。
懸念していた版ズレは、届いた現物を見たところ殆どなく、とても綺麗に刷っていただけました。
左が色調整前、右が色調整後です。グレーを薄くしたことで干渉が和らいでいます。
社内の交流会や、クライアントとの打ち合わせで活用いただいているようです。
来社したクライアントから「かわいいですね!」「こういうトーンのデザインが作りたかったんです」といった反応をいただいたり、会話のきっかけになったりしたという話を聞き、その場面を想像してこそばゆい気持ちになりました。自分の制作したものが、自分の手から離れたところで、コミュニケーションのきっかけとして役目を果たしてくれたことを嬉しく感じます。
余談 - 種類の異なるヒリヒリ感について
ノベルティ完成からしばらく経ったあと、社内の勉強会で「縦方向のレビューと横方向の比較には異なるヒリヒリ感がある」というような話をしました。
「縦方向のレビュー」とは、例えばADの元でデザインレビューを受けるような場面を指します。
「横方向の比較」とは、例えばロゴ制作プロジェクトにおいて複数のデザイナーが同じテーマに対してロゴを制作し、その中からデザイン案の決定を行うというような場面をイメージしています。
入社以来、私は「横方向の比較」を行うようなプロジェクトには携わったことがなかったので、今回の社内コンペはコンセントで初めての「横方向の比較」の経験でした。
それに対して、学生時代は毎日が比較の連続でした。
憧れの同期に負けたくない気持ちで常にヒリヒリしていたのを覚えています。
プロジェクトで案件上位者からレビューをいただく際もどきどきヒリヒリしますが、横方向の比較とはまた異なる感覚だなと感じます。
今回のノベルティ社内コンペは、「縦方向のレビュー」と「横方向の比較」での異なるヒリヒリ感を少し思い出すきっかけとなり、楽しい機会でした。
普段の生活では滅多に得られないヒリヒリ感というものがあり、それを得るためにはみずから行動する必要があるのかも……というようなことを考えていました。
まとめ
社内の施策に関わったことで、効果を身近で知ることができたり、メンバーから伝えて貰えたりするという喜びがありました。
ノベルティはささやかに場を演出するものですが、気持ちを上向かせたり、誰かとの会話のきっかけになったり、目に留めてくれた方の体験を少しでも豊かにする力をもたせたいと考えながら制作しました。
小さな豊かさのためにいろんな工夫を凝らすようなものづくりを、またできたらと思っています。
さいごに
🙋 一緒に働く仲間を募集しています
コンセントでは、対象とするデザイン領域の広さから多くの職種があり、一緒に働く仲間を募集しています。
ご興味持っていただいた方は、カジュアル面談からでもぜひお気軽にお話しさせてください!
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