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マルチプラットフォームに対応できるVRMの仕様をまとめてみた

VR系noteの初回となる前回は、「VRといえば!」なVRChatを始める方法を完結にまとめました。アンドエンジニアに私が書いた記事のスピンオフ記事として公開した記憶が微かにあります。

今回は、「VRプラットホームでオリジナルアバター使ってあんなことやこんなことをしたいけど、プラットフォームごとにアバター作り直すの面倒臭すぎるから、どの環境でも使いまわせそうなアバターを作りたい!」という欲張りさんに向けた記事です。私もVR始めたばっかな初心者であり、そんな欲張りさんのひとりでもあるため、今回調べてみた次第です。

なお、今回は3Dモデルのアバターのみを対象とし、MMDやLive2Dは対象外にします。これらはVRChatじゃ使えないのでね。

結論

調査した結果、以下の通りとなりました。VRC(Quest)とambrの要求仕様が厳しいですね。

だいたいのマルチプラットフォームに対応できるVRMスペック
ポリゴン数: 10000未満
メッシュ数: 2以下
ボーン数: 110以下
マテリアル数: 2以下
ファイルサイズ: 12MB以下

以下、VRプラットホーム毎の調査レポート

2020年7月1日時点のまとめとなります。対象は、「VTuber」でググって探しだしたVR・VTuber系のサービスから、自作VRM(または他の3Dモデル)のアップロード・インポート機能を有しているサービス群を抽出して選定しました。その結果、VRChat, cluster, REALITY, ニコニコ立体, THE SEED ONLINE, Vroid Studio/Vroid Hub, ambrが調査対象として残りました。

VRChat

VRChatは、VRの世界やアバターを作って使って色々する、VR SNSか、VRソーシャルメディアか、あるいは1つの世界かディストピアの先駆けのようなモノです。個人的には、現世にあるサービスで、もっとも「ソードアート・オンライン」や「Ready Player One」に出てくるようなゲーム世界に近いものがあると思っています。

よく分からないようであれば、以下の記事を読むといいですよ(宣伝)!少しは分かるようになると思います。

VRCで使用するアバターのスペックは公式のドキュメントに存在しました。兎にも角にも、以下を御覧ください。

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▲ 「PC Limits」PC版のアバタースペック表 (引用: VRC Doc)

全部英語ですね。そもそも3Dモデリングの用語すらも分からないのに、それが英語になってしまった日には、理解する術がありません。ただ、とりあえずExcellentからMediumのAvator Qualityに収まるようにすればだいじょうb・・・否ッ!このスペックではVRChatユーザみんなが使い回せるアバターのスペックにはなりません!

VRChatは、パソコン以外にもOculus Questからも遊ぶことができます。ただ、Oculus Questから遊ぶ際には端末性能がPC比で落ちるため、より厳しいアバターのスペックへの制約が課せられることになります。それが以下の図です。

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▲ 「Quest Limits」Oculus Quest版のアバタースペック表 (引用: VRC Doc)

素人目線ではありますが、なんとなく制限が厳しくなった気がしますね。なお、どんだけしんどい制限なのかは3Dモデル作ったことがないので想像がつきません!

ただ、そもそもとしてVRhatはVRMをそのままアップロードできないため、VRMを作成した後にコンバータにかけてアップロードする必要があるんですよね。

せめて、コンバータにかける前のポリゴン数やボーン数だけでも、MediumよりいいQualityに収めておきたいものです。→無理そう。

cluster

スマフォやパソコンから遊んだり、イベントを主催したり参加できたりするバーチャルSNSとして、ここ数年、国内でその勢いを着実に伸ばしつつあるVRプラットフォームです。簡単にワールドを作れるらしいところが良いとのこと。

clusterにアップロードできるVRMの要件は次のとおりです。

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▲ 「カスタムアバターの制限」clusterのアバター仕様一覧 (引用: clusterホームページ)

 すごく丁寧にまとめてくれていますね!要件はVRChatのPC版Excellent Qualityよりは緩そうです。Quest対応するつもりのアバターを作れば、とりあえずclusterでの使い回しはできそう。

REALITY

REALITYはバーチャルライブ配信アプリです。REALITY内でアバターを作成して、そのまま配信までできちゃいます。

ただ、こちらにはVRMなどのアバターのインポート機能は存在しないようです。。。ただ、REALITYで作成したアバターは先に紹介したclusterとアバター連携できるようです。これは便利そうですね。

ニコニコ立体

ご存知ニコニコの3Dモデルの共有サービスになります。VRMだけじゃなくて、MMDやGLBなど色々な3Dモデルを利用できるサービスです。

アップロードの仕様は以下のアップロードページにあります。VRMについては、容量が100MBまでなのに注意したいですね。

THE SEED ONLINE

VirtualCast, Inc.が運営する3Dモデルやアセットの共有サービスです。ここにVRMをアップロードすれば、VirtualCast、MakeAvatar、カスタムキャスト、ニコ生、Vタビ、Vスタンプ、VDRAWなどの各種サービスで使用することができます。1GB上限とのことですが、それ以外にはスペック制限が見当たりませんでした。本当にええんか???

VRoid Studio / VRoid Hub

Vroid Studioは、3Dアバターを絵を描くように作成できるサービス。

Vroid Hubは3Dキャラクターの共有サービスになります。

対応アプリはめちゃくちゃ多いです。

アップロード制限が64MBなので、それさえ越さなければ大丈夫そうですね!

ambr

VRChatのような仮想世界を楽しめるサービスです。

このサービスにアップロードできるアバターのスペックはこちらに書かれてますね!

制限に関する記述は次のとおりなようです(上記記事引用)。

CGサイズ制限
ポリゴン数 : 12000 以下
ボーン数 : 110 以下
マテリアル数 : 2 以下
ファイルサイズ : 12MB 以下
テクスチャ関連の描画制限
①各デバイス共通の描画制限
Outline/Width/ModeはNone以外に設定されていても描画に反映されません。
Noneの扱いで描画されます。

②OculusGoでの描画制限
各テクスチャは一定値まで縮小されて表示されます。
以下のテクスチャは設定されていても描画に反映しません。
・Rim/Color
・Lighthing/ShadingShift/Shadow Receive Multiplier
・Lighthing/ShadingShift/Lit & Shadow Mixing Multiplier
その他の制限
VRM Spring Boneの動作は無効になります。
Rendering TypeはCutout, Transparent, TransparentWithZWriteは動作負荷が高いため極力使わないようお願いします。

おわりに

今回調べたスペックに則って、次は自分のアバターを作って、各プラットフォームに実際にアップロードしてみようと思います!

末尾ながら、前回と今回の記事を含めて、私が書いたVR系の記事はマガジン化してまとめています。私が「スーパーVRデキルエンジニア」になろうがなるまいが、是非にチェックくださいますようお願いいたします。


元ITコンサルタントのフリーランスエンジニアによる雑記を書いています。いただきましたサポートは北欧移住および某計画の資金とさせていただきます。何卒よろしくお願いします。