中途半端な
14、19、そしてこれからもきっと増えていってしまう。
中途半端な数字の時期に、どうにも心が揺さぶられるようになっているらしい。自分のことを「しあわせだ」と思う一方で「しあわせなはずなんだ」と思っている自分もいる。どちらにも寄りきれないから、間で燻ったままでいるうちに、気が付いたら歳だけとっていた。大人になんて全然なれないじゃん、って思うくらいには時間が経った。
また一緒に飲もうって言ったまま一人で冷えていく缶ビールを捨てることも出来ない。希望も無ければ期待も無くて、執着の権化みたいに居座り続ける。ほとぼりが冷めたら飲み切るか、それでもだめならちゃんと捨てようと思う。
「大人にならなくちゃ」と周りの人が言い始めて、そのたびに苦しくなってしまう。私はまだ大人になれないよ、ってもじもじしているうちに、きっとみんな、飛び込んでいく。羽なんて生えてこないってわかってしまった私たちは、歩いてきた道を引き返す勇気も無いから、断崖絶壁を前に立ちすくんでしまうんだけど、みんないつの間にか覚悟を決めたみたいな顔で飛び込んでいく。立ち止まっているのは私だけみたいな気がする。飛び込んだら水面、冷たいし痛いから、ゆっくり崖を降りたらダメかな、そんな逡巡の間に、みんな、今日も大人になっていく。
おいていかないでほしい。ひとりにしないでほしい。
でも、ひとりになりたくないから、進むしかない。
不自由の中で、限りがあるからこそ強くつよく光り輝くのなら、凡に満ちたこの人生に区切りでもつければ輝くかと思ったのにな。前や上を向くには暑すぎる。積極的に下を向いて暗闇に目を慣らして、夜に歩けたら、それで許してくれないだろうか。