見出し画像

「経営者目線で仕事しろ」ってよく言うけど

あなたは勤め先の上司や社長から「経営者目線で仕事してほしい」なんて言われたことがありますか?

僕は以前勤めていた会社で言われたことがあります。全体朝礼で本社から来た偉い人がみんなの前に登壇してこのセリフを高らかに言っていました。

当時は同僚たちと「経営者の給料も権限ももらってないのに普通にムリだろ」みたいなことを愚痴った記憶があります。笑

そんな僕ですが、今では「自分も経営者になったつもりで考えて仕事をする方が良いよね」と思うようになりました。

なぜならそれは自分がフリーランスや経営者になったときには必ず持つことになる視点だからです。僕はフリーランス音楽家として仕事をするうちに自然と経営者目線で仕事をするようになっていきました。

もしもゆくゆくはフリーランス・自営業、あるいは経営者として自分の事業をやっていきたいのであれば、どんな業種であってもこのことには絶対に向き合う必要があります。

(一生サラリーマンとして過ごすつもりであればそのままでいいと思いますが、ここを読んでいる人はきっとそうではないでしょう)

今回はなぜ経営者目線で仕事するべきなのか?その意味や、その目線の先にあるものは何か?といったことについて書いていきます。


「経営者目線」って結局どういうこと?

経営者目線というのは「自分ごととして捉えること」「俯瞰して見ること」「たくさんの人によろこんでもらえるビジネスを考えること」だと思います。

◆自分ごととして捉える

「いやいや、『経営者目線』って言ったって自分は経営者じゃないんだから、そんなの無理だよ!」と思っちゃいますよね。

でも、もし今あなたが会社員として働いていたとしてもできることはあります。たとえば自分自身を『株式会社 自分』だと考えることです。

会社の収入(月収30万円)に対して、経費(毎月の家賃・生活費など)が上回れば赤字になりますね。その場合は経費を削減するか、何らかの方法で収入を増やして黒字にすることが考えられます。

「収入が少ない、小遣いが少ない、仕事がしんどい」と嘆いていても業績は上向かないので、『株式会社 自分』をより良くするために先を見据えて、今自分ができることを考えてひたすら行動するしかないのです。でなければ借金で自転車操業して、いつか破産する日におびえながらそのXデーが来ないことをただ祈るばかりになってしまいます…。

こうして自分のことだと思うと怖いですよね。だけど、自分の勤め先の会社のこととなるとみんな案外よく知らずに漠然としたまま働いてるわけです。つまり「他人事」と思っているから理解度がボヤけてしまうんですよね。

なので、自分ごととして捉えること、できるかぎり自分で手綱を握ることが重要です。

◆俯瞰して見る

いち社員の立場だとつい「自分の仕事はここからここまで、そっちは自分の仕事じゃない」というふうに考えてしまいがちです。

しかし、仕事の全体像を俯瞰して見て動ける人の方がより視座が高いと言えます。一般的には経営者(つまりそのビジネスのオーナー)はその仕事の全体像を把握しています。

会社というのは色々な部署や役割の人がいて一人ひとりがすべてを知らなくても回るようになっているわけですが、その弊害として「自分以外の人がどんな仕事をしているかよく分からない」ということも起こります。

そのせいで「現場の俺たちが汗かいて稼いでるのに、エアコンの効いた部屋で仕事してる事務職がなんで俺より給料もらってんだ!」と言いたくなってしまうわけです。

俯瞰して見ればどの業務もその会社のビジネスのために必要な仕事なのですが、局所的に自分のことだけにフォーカスすると

会社というのは単一の業務ではなく、現場の作業員だったり、企画、営業、経理、その中でもリーダー的な立場とそうでない人など、さまざまなポジションの人たちが各々の業務を分担しています。組織が大きければ大きいほどその全体像が見えにくくなってしまうものです。

すると仕事全体への理解度がボンヤリしてしまい、自分の担当する部分にだけフォーカスして「あっちは自分の仕事じゃないから知らない」という縦割りになりがちです。

経営者的目線というのは「物事を俯瞰して見れる」とか「自分自身や自分のやっている業務を客観的に見て改善することができる」ということ。その対極にあるのが「自分のことしか考えていない」状態のことだと思います。

◆より多くの人によろこんでもらえるビジネスをする

いちアルバイトや社員の立場だと「お給料をもらうために働いてるだけ」とドライに考えてしまいがちです。しかし、経営者は「そのビジネスを通じて誰かが喜んだり、誰かの役に立つことができるか?」を考えています。

なぜなら、そのビジネスが商売として成立するのは「需要と供給が一致するとき」だけだからです。誰かが困っていることを解決したり、欲しいものを提供したり、喜んでもらえることをしたり…そういう需要に応えることが巡りめぐって利益になるわけです。商売として成立しなければ利益は出ませんし、従業員への給与も払えなくなってしまいます。

我々サラリーマンがお給料をもらえるのは「会社からの需要に応えて労働力やスキルを提供しているから」とも言えますが、それはいわば会社という枠組みとビジネスがあるからであって、我々はそのごく一部の役割を担っているだけに過ぎません。

会社が提供するビジネスが顧客の困りごとを解決したり、役に立ったり、喜んでもらえたりすることで顧客にお金を払ってもらえるわけです。サラリーマンはあくまでそのビジネスの代行者です。

たとえば私がスターバックスの店員だったとして、直接お客さんに接客して喜んでもらえたとしてもそれはスターバックスという看板とビジネスがあるから成り立っているわけです。

「いや、自分の仕事が評価されているんだ!もっと給料をもらわないとおかしい!!」といくら言ったところで、会社の評価システムや給与テーブル以上のお給料はもらえないでしょう。

自分の業務や給料のことばかり考えるのではなく、その仕事の向こうにいる人のことを考えること、誰かのために仕事するという目線が大事です。

音楽に置き換えて考えよう

では、これを『自分のビジネス』に置き換えて考えてみましょう。

ここでは音楽で生計を立てること=ビジネスとします。

ここから先は

1,768字
この記事のみ ¥ 500

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?