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意義のある「献体」という選択


皆さんは「献体」という選択を考えたことがありますか?

日本の医学の進歩や若手の育成のために意義のある
「献体」という選択。

ただ、遺されるご家族にとっては複雑な思いもありますよね。

今回はそんな「献体」についてのお話です。



「献体」とは?


献体とは、死後のお身体を解剖教室などに提供し、
医学生や医師の研究や育成に役立てられ、
医学の進歩と若手の育成に貢献することができるというものです。

SKKでも、たまに献体をご希望されている故人様を
提供先の大学病院へ搬送することがあります。

現在のところ、医療従事者やそのご家族の方が
献体の登録をしているケースが多いように感じます。

というのも、現在の日本では、
献体に登録するには、ご家族の同意が必ず必要になります。

献体登録をしていても、死後にもう一度ご家族に同意の確認を取り、
最後の同意が得られて初めてお身体の提供が行えます

SKKでも実際に、献体登録を行っていても最後のご家族への確認で
同意が得られず、献体にならなかったケースがあります。

意義のある選択ですが、献体にはデメリットもあり、
おみおくりをしたいご家族にとってはとても複雑なものでもあります。




献体になるには?


献体になるためには、まず登録が必要になります。
登録の手順としては、下記のような手順になります。

・各都道府県の医科、歯科大学などに問い合わせて、
 献体登録の申込書を取り寄せる。
         ↓
・申込書に記入し、ご家族の同意の印を貰う。
         ↓
・申込書を申し込み先に郵送する。
         ↓
申込書が受理されると登録証が発行されます。
※不慮の事故などに備えて、常に持ち歩く必要があります。




ご葬儀を執り行いたい場合は?


献体に登録した場合、ご逝去から48時間以内に
お身体を提供しなければならないという決まりがあります。

その為、献体を選択した場合にご葬儀を執り行う方法は2つです。

  • お通夜やお葬式を執り行った後にお身体を提供する
    ご火葬は行えないので、お葬式終了後に提供先へ搬送となります。
    お通夜やお葬式料金はかかりますが、火葬料金はかかりません

  • ご遺骨が返還されてからお葬式を執り行う
    献体で提供された後はご火葬後にご遺骨として返還されます。
    1~2年で変換されると言われています。


献体の注意点


献体には様々な制約もあり、注意する点が多くあります。

  • 献体の受け入れは、ご逝去から48時間以内なので
    提供前にご葬儀を執り行う場合には早急に手配しなければならない。

  • ご逝去後にドライアイスを当てて冷却することができない

  • お身体の提供後は準備期間もありすぐには解剖が行われず、
    変換されるまで1~2年かかる

  • ご火葬後に返還されるため、ご家族でのご火葬はできない

  • 臓器提供をすると献体にはなれない
    (ドナー登録をしている場合は献体を大学に断られるケースも
     あるそうです)




日本医療の未来のため、優秀な人材の育成のために
とても意義のある献体という選択。

ただ、遺されたご家族としては、
やはり自分たちで綺麗に送り出してあげたい、傷つけられたくない
という複雑な思いもありますよね。

献体や臓器提供など、意義のある選択をご希望される場合は
ご家族とよく話し合い、お互いの思いをよく理解し合うことが大切です。

意義のある選択について、まずは考えを確かめ合ってみるのは
いかがでしょうか?





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