きれいな姿でおくりだす! 意義深い「ラストメイク」の役割
皆さま、「ラストメイク」という言葉を
聞いたことがあるでしょうか?
昔からの言い方で、いわゆる「死化粧」のことです。
お化粧と考えると、主に女性向けと思っている方も多いと思いますが、
実は男女問わず行うことができるものです。
例えば、髭を剃ったり髪型を整えたり、
こんな身だしなみは男性でも必要ですよね?
この程度の身だしなみは、葬儀社では当たり前。
乾燥を防ぐために化粧水やオイルを塗ったり、
空いている目や口を閉じる。
このくらいの微調整は、常日頃から行われます。
これ以上に、実際にお化粧を施したり
脱脂綿などを含ませて調整を行ったりする「ラストメイク」。
今回は、とても意義のあるラストメイクについてお伝えします!
ラストメイクで行われることは?
ラストメイクとして行われることは、様々あります。
ラストメイクの前に「湯灌」で体を奇麗にする場合もあり、
湯灌についてはまた別の機会で書こうと思います。
「ラストメイク」は、意味通りお化粧を施したりもしますが、
それだけではありません。
例えば、故人様が事故で亡くなってしまった場合など、
見える部分に傷がある場合があります。
こんな時、ラストメイクで傷を目立たなくする事が出来ます。
また、長い闘病生活の末に亡くなってしまった場合など、
お顔が瘦せてしまっていたり、目が窪んでしまっていたりします。
そんな時は、お元気だった頃のように
お顔をふっくらさせたり、血色を足すことも出来ます。
ちなみに、故人様のお身体を奇麗に保つ技術として、
以前紹介した「エンバーミング」という技術もありますが、
こちらは主に「長期保存」を目的とした
殺菌消毒・防腐・修復がメインの処置となります。
"故人様を奇麗にする" という処置は似ていますが、
目的が異なります。
ラストメイクとして行われる主な事としては、
鼻・口・耳の脱脂綿詰め
(体液が流れ出て来るのを防止するため)着せ替え
(排泄物などを取り除き、お着替え)外見を整える
(お口や目などが開いていれば閉じ、髪の毛や髭などを整える)ラストメイク
(お化粧等で生前に近いお姿に整える)
上記のようなことが行われます。
ラストメイクのメリット
ラストメイク(死化粧)は、
昔からご家族やご親族の手で行われてきたものだったそうですが、
ラストメイクの大きな意義としては、
ご家族様や参列者の方々の気持ちをお守りする
という所が1番かもしれません。
故人様を最期に奇麗にし、生前の頃のような姿で
納得して穏やかな気持ちでおくりだす。
ご家族やご親族にとって、
故人様にできる限りのことができたと納得できる事は
大きな意味があります。
闘病の影や事故の傷などが見えると
故人様の苦痛が想像できてしまい、
遺されたご家族やご親族、ご友人の方々にとっても
辛い気持ちになってしまったりします。
故人様が穏やかな表情で苦しみの無い姿に整える事は、
もちろん故人様の尊厳を守る事にもなり、
また周りの方々の気持ちを守る事にも繋がります。
気になる所は遠慮せず相談しましょう
前述した通り、
ラストメイクの大きなメリット・目的としては、
遺された方々のケアです。
ここが目的なので、故人様の事で気になることがあれば
遠慮せずに何でも相談してみましょう。
生前の故人様をよく知っているのは、ご家族やご親族です。
生前の頃のお写真などをお借りしても
ご本人のイメージと違ってしまう事もあります。
ここの髭は残してほしい
もっと髪型をこうしてほしい
肌はもっと小麦色だった
など、気になる点があれば伝えましょう。
故人様の状態によっては難しい場合もありますが、
プロの手によってイメージに近づける事もできます。
より納得して安心しておくりだす為のお手伝い。
ご自身が納得できるように、
些細な心残りも無くしておきましょう。
ただお化粧を施すだけではなく、
目的や意味を知るととても意義深い「ラストメイク」。
故人様を奇麗にするのはもちろんのこと、
沢山の方の気持ちをお守りすることにもなります。
もちろん、プロの手に頼らず
ご家族の手で行っていただいても良いものです。
大切な方の最期のおみおくり。
ご自身や周りの方々の為にも、
納得して穏やかな気持ちでおくりだしましょう。
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