「後飾り」を知っていますか?
宗教が影響する事もあり、
専門用語や細かいマナー、考え方などが多くあるお葬式。
お葬式に参列した経験は何度かあっても
それは初めて知った! という事も多いかもしれませんね。
地域性もまだ色濃く残っていたりして、
北海道の一部地域では "お香典に領収書を出す" という地域もあったり
知らないと他の地域で恥をかく…なんて事も多いですよね。
今回は、お葬式の後のお話、「後飾り」についてです。
中の人もSKKに入って初めて知ったこの言葉。
知らない人も多いかもしれませんね。
後飾りの飾り方や処分方法など、ご説明いたします!
「後飾り」とは?
「後飾り」とは、お葬式・ご火葬が終わった故人様を、
納骨までの期間ご自宅でご安置するために設置する祭壇です。
後飾り祭壇と呼ばれ、略して「後壇」と呼ばれています。
ご納骨は四十九日の法要時にあわせて行われるのが一般的です。
四十九日に納骨する場合は、後飾りはご火葬後から四十九日までの期間
設置するという事になります。
後飾りはどの宗教でも用意をする場合が多いですが、
必要なものは各宗教で異なるので注意が必要です。
宗教別!後飾り祭壇の飾り方
■仏式
白木の祭壇で、2段または3段が基本です。
白木を使用しない場合には、白い布をかけます。
四十九日法要が終わるまで、毎日お線香とロウソクの火を点し
故人様の魂を供養します。
祭壇の配置に明確な決まりはありませんが、一般的には下記の配置です。
最上段:故人様のご遺骨、遺影
2段目・3段目:白木位牌、ロウソク、香炉、鐘、お花、供物
供物は仏飯やお水、果物、故人様が好きだった食べ物などをお供えします。※浄土真宗では仏飯やお水などをお供えしないので注意が必要です。
■神式
白木で作られた8足の祭壇(仮霊舎)を使用します。
祭壇の配置も決められており、以下のようになっています。
上段:故人様のご遺骨、遺影
中段:霊璽(れいじ)、榊(さかき)
下段:三方(さんぼう)、玉串、水玉、火立など
・霊璽とは、故人様の御霊を一時的に移すもので、
仏教の位牌にあたります。
・榊は、神道でよく用いる神様が宿る場所です。
・三方は、食事を置く台のことで、お酒・お水・塩・お米を配置します。
・玉串とは、仏教でのお焼香やキリスト教の献花の際に用いられるもので、
ご葬儀後は祭壇に置きます。
■キリスト教式
飾る方法には、特別なルールはありません。
一段で作る場合も多く、小さめのテーブルに白い布をかける事も多いです。
十字架、故人様のご遺骨や遺影、聖書や生花などを飾るのが一般的です。
後飾りの設置場所
ご自宅にお仏壇がある場合は、仏壇の前か傍に後飾りを設置します。
お仏壇がない場合は、お部屋の北側か西側に置くことが基本です。
湿気や日差しはご遺骨の状態に悪影響を与える可能性があるので、
水回りや窓際などを避けて設置するのがオススメです。
後飾り祭壇は弔問される方がお参りする場所でもあります。
お客様がお参りしやすい場所に置くように設置しましょう。
後飾りはいつまで飾る?
後飾りは一般的には納骨までの期間飾ると前述しましたが、
それは仏教宗上の一般的なお話です。
細かくは宗教宗派によって違ってくるので注意が必要です。
<仏教>
前述した通り、四十九日法要で納骨を行うのが一般的なので、
四十九日法要まで後飾りを使用します。
四十九日後は仏壇を用意し遺影や仏具はそちらに飾ります。
また、後飾りで使用していた白木位牌から本位牌に魂を移す
位牌開眼も四十九日法要とあわせて行い、本位牌を仏壇に飾ります。
<神式>
神道では、亡くなってから50日後に五十日祭(ごじゅうにちさい)を行い、
家族を守る守護神になると考えられています。
この五十日祭で納骨を行うのが一般的で、それまで後飾りを使用します。
五十日祭の後は、自宅の神棚に祀られるのが一般的です。
<キリスト教式>
キリスト教では後飾りをいつまで置くか明確なルールはありませんが、
一般的には、カトリックの場合は7日目の追悼ミサまで、
プロテスタントの場合は1ヶ月後の昇天記念日まで置かれます。
後飾りの処分方法は?
納骨も終わると、後飾り祭壇は不要になります。
その際の処分方法で最も一般的なのは、
通常の家庭ゴミとして処分をすることです。
付属している仏具などは、不燃物として処分することもできますが、
そのまま仏壇で利用される方も多いです。
後飾り祭壇は葬儀社のプランオプションとして入っている事も多いですが、
最近では処分の事も考えて、段ボールで手作りされる方も多いようです。
処分の際には自治体のルールに沿って処分しましょう。
また、処分するのは気が進まない方は葬儀社やお寺に相談してみましょう。
お焚き上げなどで処分して貰える場合があります。
後飾り祭壇は期間限定の祭壇です。
ただ、お骨になった故人様を納骨するまで、
一緒に居られるわずかな時間とも言えます。
毎日ろうそくやお線香に火を灯し、お供え物をしながら
日々のことや思い出話を語りかけてみるのはいかがでしょうか?