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やすらぎの灯

先日、父の葬儀に際して、市営の斎場にお世話になった。

この斎場は、これまでも親族の葬儀の際に何度か来ている。ここの設備として、「売店」と「喫茶スペース」があるのだが

その名も「やすらぎ」

この、喫茶スペース店員のお姉さまが、とても素敵でコミュニケーション上手な方なのである。

待合室で、持参したお茶を淹れて飲むこともできるのだが、お姉さんと言葉を交わしつつコーヒーを口にすると、「やっぱり違うな」とホッとする。

今回伺った話は、
・今日はお葬式がとても多いが、寒いせいか、待合室から出て来る人が少なく、静かである
・お葬式が多いのは、やはり真冬と真夏
・「やすらぎ」では、コーヒー以外にも軽食が出せる。10人くらいまでなら待合室への出前も十分対応可能。
・お姉さんは、斎場の近くに住んでいる
・働き始めてこれまで、喫茶コーナーにひとりもお客さんが来なかった日は、2回だけあった。

などたわいもない話である。
でも、たのしい。

斎場という性格上、お客さんが来る時間は集中してめちゃくちゃ忙しいし、来ない時間は超、暇だと思う。劇場の売店でバイトしていた経験を思い出す。

斎場という場所柄、「やすらぎ」へは、楽しい気持ちでやって来るお客さんは、基本的にいないと思う。

しかし、ここでコーヒーを注文すると、沈んだこころの温度がやや上がり、あたたかい気持ちになる。ありがたい。

「やすらぎ」のお姉さんのように、かかわる人の心に火を灯す存在に憧れる。

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