大動脈解離 #1 眠れない と思っていたら大動脈解離だった
……
(眠 れ な い …)
いつもと同じように ベッドに寝ているのに なぜか眠れない。
時計を見ると午前1時。
ぁぁもう1時、早く眠らなきゃ。
再び時計を見ると午前2時。
ダメだ、眠れない…。
おかしい・・・
こんなに寝付きが悪いのは初めてだ。
なぜ寝付けない? 体に痛みもなければ、苦しいわけでもない。
いや、強いて言えば 変な感じはあるような…?
自分でもよく分からない。
スマホの電源を入れて 起動画面を見ながら自問自答…。
(なんか変だよね?)
(救急車…呼ぼうか?)
(この程度で?)
(迷惑じゃないかな?)
(もう少し横になっていれば眠れるかも?)
(大事にはしたくないなぁ…)
うーん。
いや…。
"なにかがおかしい"のは間違いない と思う…。
勘違いだったらゴメンなさい…!
午前2時30分 意を決して119番。
現状を説明すると 救急車が来てくれることに。
着替えて、保険証や財布を用意していると救急車が到着。
妻も付き添いで一緒に救急車へ。
自力で歩いて階段も降りれる、受け答えもできる。
我ながら急病人とは思えない姿に、申し訳なさを感じてしまう。
救急隊員が病院に電話をするも受け入れ拒否が続き、ようやく見つかった病院へ救急搬送。
救急車の揺れに少しの気持ち悪さもあるが、体に痛みは無いし 病院に搬送されいることにも安心して(疲れかな?ちょっと点滴すれば朝には帰れるかな?タクシー代がかからないように近くの病院だといいな)くらいに考えていた。
病院に到着、ストレッチャーで運ばれながら駆け付けた母と話している最中に意識が途絶えた。
・・・
・・
・
・
・
人の気配に 目を覚ますと
体中に管が繋がれた状態でベッドに横たわっていた。
(なにコレ…?)
私に気づいた看護師さんが
「良かったですね、助かりましたよ」
(…助かった?)
「”お名前”と今日の”日付” 分かりますか?」
名前は大丈夫だったが、日付は1日ズレた答えに。
(あれ?今日は〇日じゃなかったけ?)
手短に説明された内容によると
・ここは川崎の幸病院
・大動脈解離で危篤状態だった
・緊急手術を受け今に至る
生死を分ける大手術からの生還を果たしたようだが まるでピンとこない。
ただ、胸の大きな縫合痕とズキンとさす痛みが ”これが現実” であることを押し付けてくる。
(大動脈解離…か、、、)
色々考える気力もなく再び眠りに落ちてしまった。
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