【今日を切り抜く】権威性を纏った笑い
先輩たちが部室を出るとき部室に冷たい空気が吹き込んだ。僕たちは、談笑しながら部屋を出ていく先輩たちを静かに見ていた。扉が閉まると、暖房のおかげでどんどんと部屋は暖かくなった。部活の先輩たちがいる間はダンマリだった同期たちが、縛りつけたものを解放するかのように喋り出した。まるで担任が出ていき教室に残された小学生のように。僕たちのメンタリティの弱さを感じた。
先輩たちはハンドボールがすごく上手だ。それゆえか、雑多な会話の中で権威性を纏った笑いをふいに繰り出す。その積み重ねが僕ら