【企業インタビュー】海外で事業を立ち上げた経験を持つ希少な人材に出会い、新たな海外戦略を見出せた
自然豊かな岐阜県富加町に本社を構え、浄水器やシャワーヘッドなどの開発・製造・販売を手掛ける株式会社ドリームバンク。「必要な機能に絞りシンプルなものをつくる」という同社のコンセプトは、多くのユーザーから高い支持を得ています。
今後は国内だけではなく、本格的に海外進出を目指すという同社。そこで海外進出を支援するアドバイザーとして、副業人材の方を起用しました。
「全国で人材を探せるのが副業人材のメリットだと感じたので、あえて探すのが難しい海外の経験と知見を持つ方を募集しました。その結果、理想的な方と出会うことができました」と語るのは、同社管理部の部長を務める梶田恵理子さん。今回は副業人材を起用した経緯や今後の展望について、梶田さんに伺いました。
―御社の事業内容を教えていただけますか?
浄水器やシャワーヘッドなど、水処理装置の開発・製造・販売を行っています。販売先は主に個人のお客様で、自社オンラインショップを運営する他、大手ECモールにも出店しています。特にロングヒットとなっている家庭向けのキッチン用浄水器は、シリーズで累計10万台を超えました。
弊社は「シンプルの研究」というコンセプトで、ものづくりをしています。日本企業が開発するのは、高い技術力を生かした多機能のプロダクトが一般的ですよね。でも私たちは機能を増やすより「本当にお客様が欲しい機能に絞る」ということを大切にしています。
これはシンプルな製品の方が、むしろお客様の生活にフィットしやすく、長く愛用していただけると考えているからです。また部品や構造がシンプルなため、環境に配慮したものづくりにつながるメリットもあります。
―副業人材を活用したいと思われた背景について、教えていただけますか?
弊社は社員約10人という小さな会社です。ですからやりたいことはたくさんあるものの、社員だけで対応するというのは正直難しい状況です。今後について悩んでいた時、地元の信用金庫の方が副業人材を勧めてくださいました。
Skill Shiftの仕組みをお聞きしたところ、都心を含めて日本全国にいる人材の中から探せるところがメリットだと感じました。そこで今回は弊社近隣では最も採用が難しいと思われる、海外展開に詳しい方を探すことにしました。
例えばECサイトのアドバイザーのような方でしたら、岐阜県内で探すこともそれほど難しくないと思います。でも海外で事業を展開した経験が豊富な方となると、なかなか弊社のような地方企業では見つけることはできません。
弊社としても、ちょうど海外展開を本格的に検討し始めたタイミングでした。数年前にアジアの複数の企業と提携したことはありましたが、これまで弊社として積極的に海外進出は行ってきませんでした。ただ会社の将来を考えると、やはり海外へ進出していくべきという話になっていたところでした。
―募集の時点で「こんな人材を採用したい」というイメージはありましたか?
弊社の場合「どの地域に進出するか?」というところから、副業人材の方に相談したいと考えていました。ですから「中国に詳しい」「インドでの経験はある」という特定の地域に詳しい方ではなく、幅広い地域での経験とノウハウを持つ方にお願いしたいと思っていました。
―副業人材の方の募集から採用までの流れを教えていただけますか?
Skill Shiftで募集を行ったところ、13名の方からご応募いただきました。その中からご経歴を拝見して、1名に絞って面接しました。
その方は海外のさまざまな地域でご経験があり、大企業の現地法人で社長もされていたという方でした。例えば「輸出入の業務に詳しい」というスキルも、もちろん弊社としては必要です。ただそういった業務は、こちらで調べればなんとかなるかなという感覚があります。一方で、海外でゼロから事業を立ち上げ、会社の代表を務めたという経験は本当に貴重です。こういう経験を持つ方は応募者の中でこの方だけでしたので、もうこの方しかいないという感じでした。
とはいえ相性もありますので、一度面接でお話しして、お互いに合わないと感じたら改めて募集しようと考えていました。
実際オンラインで面接したところ、人柄も素晴らしい方でした。実は私自身前職で中国やインドでビジネスをしていた経験がありまして、海外展開に関わる方の中には「こういうやり方をすればいい」と断言される方がわりと多いなと感じていました。
でも今回面接した方は、弊社のやりたいことをしっかり聞いていただいた上で、今後の方向性をお話ししてくださったんです。面接をしてみて、さらにこの方にお願いしたいと思いましたね。
この方は関東にお住まいの方で、現在は大企業を定年退職され、Skill Shiftを通じていくつかの企業のアドバイザーをされているそうです。
―副業人材の方にお願いしている業務について、教えていただけますか?
今年(2024年)の1月に契約しまして、1回オンラインでミーティングを行いました。
もともと社内では、世界各国の水道事情をリサーチするところから始めようという意見もあれば、全く別のアプローチをした方がいいという意見も出ていました。社内にノウハウがないので、アイデアや意見は出るのですがそこで止まっていました。
そのあたりを初回の打ち合わせで副業人材の方に相談したところ、「今の日本や世界の状況を踏まえると、1つの手法に決めるのではなく複数の手法で進めてはどうでしょうか」というご意見をいただきました。副業人材の方はご自身の経験や今の世界事情などを踏まえてお話しされるので、非常に説得力がありました。
副業人材の方とは月に2回打ち合わせを行う契約なのですが、初回以降は弊社の事情で打ち合わせができていない状況です。でも副業人材の方は「打ち合わせできなかった分は後でいつでも対応できますし、月2回と言わずいつでもご連絡ください」と言っていただいています。実際に打ち合わせできていない期間も、メールで相談するといろいろなアドバイスを送ってくださいます。
こういったやり取りからも、弊社のような地方企業をサポートしたいという副業人材の方の想いがすごく伝わります。大企業の海外法人を立ち上げたというご経歴も素晴らしいのですが、人柄も本当に素晴らしく、出会えたことに感謝しています。この方と一緒ならいい方向に進められるだろうという、安心感がありますね。
―今後の展望について、教えていただけますか?
初回の打ち合わせは非常に有意義なものでした。弊社の都合で時間が空いてしまいましたが、できるだけ早いタイミングで次の打ち合わせを行って海外展開を具体的に進めていきたいと考えています。副業人材の方に「アドバイスしてよかった」と言っていただけるような、成果を出したいですね。
将来的には、世界のさまざまな国や地域で私たちの製品を使っていただいて「生活のクオリティが向上した」と言っていただけるところまで、目指したいと思っています。
COMPANY PROFILE
株式会社ドリームバンク
〒501-3303 岐阜県加茂郡富加町羽生1482番地1