【企業インタビュー】募集時社員0名の小さな会社が新規事業PR、副業者の人柄とアイデアで奏功
長崎県壱岐市で県内唯一のクラフトビールを手がける『ISLAND BREWERY』
もともとは100年以上の歴史を持ち、焼酎と日本酒を扱う酒造会社でしたが、5代目社長の原田知征さんが2021年からクラフトビール一本で事業を行っています。
同年5月に販売を開始し、季節限定商品を含め4~5種類販売されるビールは人気も上々とのこと。しかし、販売当初は商品のブランド化やPRなど販促に関するノウハウがまったくなく、スキル人材の知恵を借りることにしました。
実際、副業者と働いてどんな成果があったのでしょうか。原田さんに伺いました。
――副業人材を募集した背景から教えてください。
募集したのは2021年2月です。新しいブランドや商品を立ち上げるので、PRの大切さはわかっていましたが、専門の人材を雇う余裕がありません。
そんな時、Skill Shiftの運営会社社長とお会いする機会があり、副業人材を活用する仕組みを始めて知りました。それで使ってみようかなと。
――専門人材を地方の企業で採用するのは、やはり大変ですか。
現在、会社は正社員3人とアルバイト4人で運営しています。当時は社員は0名でした。この規模ですとPRだけを行う人材を採用することはリスクが大きい。正社員となると金銭的にも大きな負担になりますし、PRだけでなく瓶詰めでも何でもやってくれないと仕事が回りません。
コストを抑えて、副業という限定的な形で協力してもらえるのであればありがたいと考えました。
――どれくらい応募がありましたか。
1カ月で53人です。もう少し長い期間募集していたら、応募者の最多人数になったかもと、後から聞きました。
――それだけ多いと絞り込むのも大変だったのでは。
全国から応募がありました。応募者の年齢も20代から60代までと幅広く、広告代理店にお勤めの方や経営者の方、ビール業界にいる方など、職種もさまざまでした。
ある程度広告に携わっている「即戦力」の方が望ましいと思いましたので、履歴書や職務経歴書で15~20人くらいに絞り込み、そこから私がオンラインで面談しました。
――最終的にお願いしたのはどんな方ですか。
採用したのは2人です。1人目は広告代理店で企画立案などのお仕事をされている男性で、現役バリバリです。
もう一人は商品PRや地方創生のお手伝いをされている女性。商品開発に当たり、ペルソナ(想定するユーザーモデル)を「30代、デザイン業界で働く」女性に設定していたので、女性の意見も聞きたいと採用しました。
決め手になったのはフィーリングというか……人当たりの良さや一緒に働けるかどうかという感覚ですね。お二人とも本業があり、私たちとはあくまでも副業としてかかわっていただけるという点もポイントでした。というのも、個人で仕事をされている方からの応募も結構あったのですが、例えばプロジェクトが進むにつれ単価が引き上げようとしたり、仕事が増えるたびに料金が上積みされたりしては困るからです。決められた報酬や業務内容の枠内でやってもらえる人がよかったので。
――具体的な依頼業務はどのようなものですか。
副業者のお二人は東京、大阪に住んでいるので、私と3人で毎週1回、
オンラインミーティングを行っています。
まずホームページの制作からはじめ、ブランディングやキャッチコピー、
製品ラベルの制作と進んできました。
――具体的な成果や進捗について教えてください。
魚に合うビールを作りたいというコンセプトが自分の中にありました。
ただ、ビールは魚より肉のイメージがあります。
このコンセプトを押し出すべきかどうか逡巡し、議論を重ねところ、最後は副業者さんから背中を押してもらいました。
「後発のビールだから、何かとんがった部分があったほうがいい」と。
副業者お二人からそれぞれ案を出してもらい、「魚を食べるなら。ISLAND BREWERY」とのコピーが生まれました。
製品ラベルも副業者の知り合いの方にデザインしてもらった結果、そのかわいさから商品に興味を持ってもらうお客様も多いので、本当にお二人にお願いしてよかったと思います。
ーーー緒に働いてみてどんな感想をお持ちですか。
お二人とも実際にPR業務に関わっている方なので、その経験をベースにしたアドバイスにとても助けられています。
今後はオンライン販売も強化していきたいので、そこもお手伝いしてもらって、しばらくは一緒に仕事をしていくつもりです。
内部の人間だけで議論すると凝り固まった意見になってくると思うので、外部の視点は常に取り入れていきたいと思います。
――副業人材を検討している企業へアドバイスをお願いします。
お勧めしますよ。「しまった」と思うこともなかったし、費用対効果を考えても採用して良かったです。ただ、自分たちが何をやりたくて副業者を募集するのか、それを明確にすべきですね。曖昧だと作業量も報酬金額も増えていきかねないので。
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