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Google検索品質評価ガイドラインから学ぶSEO対策

要 点

・良質なコンテンツはページの「目的」をよく満たしている
・PQ( Page Quality )評価は以下の要件で決まる
  ・ページの目的
  ・専門性、権威性、信頼性( E-A-T )
  ・メインコンテンツの質と量
  ・サイトに関する情報とコンテンツ作成者の情報
  ・サイトまたはコンテンツの管理者の評判
・専門性とは、コンテンツ制作者の専門性のこと
・権威性とは、コンテンツ制作者、彼らのコンテンツ、またはサイトの権威性のこと
・信頼性とは、コンテンツ制作者、彼らのコンテンツ、またはサイトの信頼性のこと
・Needs Met 評価とは、検索クエリとその検索結果の評価基準のこと
・PQ 評価はNeeds Met 評価に影響を与える
・検索品質評価ガイドラインを読むことで、サイト設計やコンテンツ作成の方向性が見えてくる


1. 検索品質評価ガイドラインとは

このガイドラインは本来、Googleが検索エンジンがユーザーのためになっているかを確認するために行うテストで使われるものです。

なぜなら、コンテンツが「良質」かどうかはデータだけを見ても分からないので、実際に人を集めて検索結果をテストする必要があるからです。

つまり、評価者はこのガイドラインを見て、特定のキーワードの検索結果がユーザーのためになっているかどうかを評価しているのです。

Googleがせっかく「こんなコンテンツを評価しますよ」と言ってくれてるわけですから、活用しないというのはありえないと思います。

しかしこのガイドライン、英語で172ページあるので、具体的かつ役立つ部分のみを抽出して掲載します。

以下、要約です。

2. Googleの言う”良質なコンテンツ”とは

ガイドライン曰く、ページにはそれぞれ「目的」があり、その「目的」を良く果たせているページが”良質なコンテンツ”として評価されるべきと述べられています。

例えば、

ニュースサイト:最近の重要なイベントを知らせること
動画投稿サイト:動画をシェアすること
フォーラムサイト:意見を述べること
Eコマースサイト:商品やサービスを売ること
質問サイト:他のユーザーに質問すること
金融系サイト:ある通貨を別の通貨に換算すること
404 ページ:ページが存在しないことを伝えること

などです。

3. YMYL領域とは

これは、幸福、健康、経済的安定や安全に大きな影響を及ぼすトピックのことです。YMYLとは、Your Money or Your Life の略です。

具体例で言うと、

重要なニュース
・国際イベント
・ビジネス
・政治
・科学
・テクノロジーなど
※日常生活に絡むスポーツやエンタメなどはYMYLに含まれない。
行政や法律関連
・投票
・行政機関
・公共機関
・公共サービス
・法的な問題(e.g. 離婚、児童保護、養子、遺言)
金融
・投資
・税金
・退職計画
・ローン
・銀行業務
・保険
・特に何かを購入したりお金を送金するサイト
ショッピング
・商品やサービスの情報
・特に何かを購入するサイト
健康と安全
・病気
・薬
・病院
・非常時の対策(災害など)
・危険な行動
特定のグループに関すること
・年齢
・カースト
・障害
・民族性
・性同一性
・滞在資格
・国籍
・人種
・宗教
・性別
・性的指向
・軍籍の有無
・差別、疎外、家庭内暴力などの被害者
その他
・フィットネス
・栄養
・住居
・大学選択
・就職
など、私達の生活に大きな影響を与えるトピック

以上が検索品質評価ガイドラインに示されているYMYL領域の具体例です。


4. ページコンテンツの種類

ガイドラインによると、サイトのコンテンツは3種類あります。

・メインコンテンツ(MC)
・補足的なコンテンツ(SC)
・広告などのマネタイゼーション(Ads)


4-1. メインコンテンツ

メインコンテンツは、まさにページの「目的」を達成するのに中心的な役割を果たします。

note であれば、今まさにあなたが読んでいるこの記事がメインコンテンツです。

このページの「目的」は、検索品質評価ガイドラインの内容を分かりやすく伝えることと、その活用方法です。したがって、それ以外のすべて(ポップアップ画面やアイコンなど)はメインコンテンツではありません。

また、メインコンテンツのあるページには、分かりやすいタイトルがトップにあるべきです。

タイトルはメインコンテンツをうまく要約したものであるべきです。なぜなら、ユーザーが何のページを訪れているのかすぐに理解できるからです。


4-2. 補足的なコンテンツ

補足的なコンテンツとは、優れたユーザー体験を提供するものです。例えば、ナビゲーションバーや目次などがこれに当たるでしょう。

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このページの最初と最後に、ページを運営している団体や個人のプロフィールがあります。

これは「誰」が記事を書いているのか知るのには有用ですが、このページの「目的」を達成するのに直接影響しているわけではありません。

しかしながら、こういったUIがあることで、ユーザーが効率よく情報を探したり、その良し悪しを判断することができるのです。


4-3. 広告などのマネタイゼーション

いまや広告とデジタルは切っても切り離せない関係にあります。どこもかしこも広告だらけになっているので、デジタル広告の効果が落ちてきているとう議論も出てきています。

しかし、良質なコンテンツを提供するには、コストがかかるのもまた事実です。

検索品質評価ガイドラインによると、広告それ自体は、コンテンツの質を左右しないとしています。マネタイズができないと存続できないサイトも多くあるからです。

以下は、マネタイズ方法の一覧です。もちろんこれらが全てではありませんが参考までに。

・PPC( Pay Per Click )広告
・バナー広告
・アフィリエイト
・データマネタイゼーション
・サブスクリプション
・寄付


5. PQ (Page Quality) 評価基準

ページを評価する上で最も重要なのは以下になります。

・ページの目的
・専門性、権威性、信頼性( E-A-T )
・メインコンテンツの質と量
・サイトに関する情報とコンテンツ作成者の情報
・サイトまたはコンテンツの管理者の評判

専門性とは、コンテンツ制作者の専門性です。

例えば、法律に関する記事があったとしたら、一般の人よりも弁護士が記事を書いたほうが、高い専門性があると言えます。

権威性とは、コンテンツ制作者、コンテンツそのもの、またはサイトの権威性になります。

信頼性とは、コンテンツ制作者、コンテンツそのもの、またはサイトの信頼性になります。


ここまでの話だと、その道のエキスパートでないといけないような気になりますが、それはトピックによって変わります。

具体的には、「病気の治療法」に関する記事は、医師が執筆または監修するほうが良いです。

しかし、病気の「体験談」に関することは、別に医療関係者でなくとも構わないわけです。

なので、自分の仕事や日常体験など自分の専門を見つけてコンテンツを作ってみてください。


続いて、メインコンテンツの質と量です。

各ページには「目的」があり、その目的を達成するのに十分な価値が提供できていなければなりません。

したがって、保険料の計算アプリですとか、ショッピングカートがきちんと動作するかどうかなどの機能性もコンテンツの「質」に含まれます。

また、情報を提供するための記事であれば、

・正確:事実ベースの情報 & 外部の信頼できる情報を参照する
・具体的
・オリジナリティ:他にはない情報
・包括的:法律、経済、文化など様々な視点からの分析
・深い見識
・専門家のコンセンサス

などの要素を盛り込んだコンテンツのほうが質が高いです。

また、ショッピングサイトであれば、ユーザーが商品を見つけ、購入できる機能を備えていなければなりません。

オンライン証券会社のサイトであれば、カスタマーサポートのページと連絡先が明記してあるほうが望ましいです。


サイトに関する情報とコンテンツ作成者の情報は、主に誰(特定の個人、団体、会社)がサイトまたはコンテンツを制作 / 運営しているのかに関する情報です。

なぜなら、ユーザーの信頼を勝ち取るためには、「誰が言っているのか」が重要になるからです。

ビジネスであれば、どんなビジネスを展開しているのか説明しましょう。店舗情報、営業時間、メニューなどの情報です。

個人であれば、ネットで使っているユーザー名ですとか、SNSへのリンクがあれば十分ですが、経歴などがあれば E-A-T を評価するのに役立ちます。

特にYMYL領域であれば、より多くの専門性、権威性、信頼性を証明する情報を提供しなければなりません。なので、Eメールアドレスだけ提供するだけだと不十分です。


サイトまたはコンテンツの管理者の評判は、仮に無かったとしても良いPQ評価を得ることは可能ですが、あった方がいいです。

ただし、ネガティブなサイトの評判がついていると高いPQ評価は付かないので注意してください。

また、エンターテイメントやレシピなどの専門性がそこまで求められないトピックに関しては、

・人気度
・ユーザーの反応
・レビュー

などが評判の根拠になりえます。


6. クオリティが低いコンテンツの特徴

基本的には、PQ 評価基準に反するコンテンツが質の低いコンテンツになります。

具体的には、

・十分な E-A-T が担保されていない
・メインコンテンツの質や量が不足している
・コンテンツのタイトルが誇張されており、内容を表していない
・広告やサイトのUIがメインコンテンツの邪魔になっている
・サイトのやコンテンツ制作者の情報が乏しい
・サイトやコンテンツ制作者の評判が良くない

などが見るべき箇所になります。

広告の内容もマイナス評価の対象になり得ます。

例えば、

・タイトルや画像が誇張されている
・アダルト、暴力的またはグロテスクな内容が含まれている
・閉じるのが難しい&ページスクロールしても追従してくる
・アプリのダウンロードを強要してくる

などです。


悪徳ビジネスですとか詐欺行為に関する評判があった場合は論外ですが、それほど酷くなくとも全体的にネガティブな評判は、ロークオリティなサイトと見なされる可能性があります。


7. サイトの評判

PQ 評価において、サイトの評判は重要な地位を占めています。

そしてサイトの評判は基本的に、

・ユーザーの体験
・専門家の意見
・サイト管理者が企業や団体である場合、管理者自身の評判
・サイト制作者とコンテンツ制作者が異なる場合、コンテンツ制作者の評判

によって決まります。

PQ 評価は、サイトやクリエイターの自作自演レビューよりも第3者の自然なレビューを評価するように設計されています。

検索品質評価ガイドラインは、

・レビュー
・参照元(記事のリンク先等)
・専門家からの推薦
・ニュース記事

など、第3者による信頼できる情報をチェックするようになっています。

特に商品やサービスを販売しているサイトは、ユーザーレビューが重要になってきます。もちろんポジティブなレビューがたくさんある方が良いです。

数だけでなく質も重要です。例えば、何らかの有名な賞を受賞した場合は、かなりポジティブに評価されます。

著者やクリエイターの場合、彼らの経歴が評価の重要な指標になります。

YMYL領域の場合、その道の専門家の推薦などが評価に大きなインパクトを与えます。

簡単に言うと、サイトの種類やトピックによって重視すべき情報が変わるのです。

例えば、ショッピングサイトではユーザーレビューが重要視されますが、医薬品(YMYL)に関するサイトでは、重要度が下がり、専門家の意見などがより重要視されるのです。


8. サイトの評判の調べ方

なるべく自作自演ではない、信用できる情報源に当たってください。

この方法で、自分のサイトのみならず、競合サイトの評判も調べることができます。

オンラインで活動する人のミッションは、この「評判」を上げることと言っても過言ではないでしょう。

例えば、

・ニュース
・ウィキペディア
・ブログ
・雑誌
・フォーラム
・商品レビュー
・専門家の意見
・コンテンツ制作者の場合、経歴や過去の実績、受け取った賞
・その他利害関係のない組織または団体からの情報

などです。

これらの情報源の中に、信頼性において「完璧」ではないものもあるかもしれませんが、少なくとも運営者や会社自身が書いたもの(いわゆるステマ)は避けるべきです。

また、商品やサービスのレビュー数が少ない場合もステマである可能性があるので、安易に信じることはできません。

逆に注意点として、少数のネガティブなレビューやレビューがあるのは、まったく構いません。小規模なビジネスや個人の場合、それが当たり前だからです。

つまり、極端にポジティブなレビューが少数だけというのは疑わしいということなのだと思います。


次に、具体的な調べ方です。ibm.com を例に取ると、

・「ibm -site:ibm.com」で検索
 ⇒ 「IBM」に関する記事の内、ibm.com 上の記事は除く
・「ibm.com -site:ibm.com」で検索
 ⇒ 「ibm.com」に関する記事の内、ibm.com 上の記事は除く
・「ibm reviews -site:ibm.com」で検索
 ⇒ 「IBMのレビュー」に関する記事の内、ibm.com 上の記事は除く
・「ibm.com reviews -site:ibm.com」で検索
 ⇒ 「ibm.comのレビュー」に関する記事の内、ibm.com 上の記事は除く
・コンテンツの作成者に関して、名前や通称などで検索する

簡単に言うと、自社サイト以外の記事を検索するんですね。


ここまで、PQ評価の基準とサイトの評判を調べる方法を説明しました。

次に、どうすればPQ評価を上げることができるのかについてです。


9.  サイトをユーザーに理解してもらう

何度でも言いますが、サイトには「目的」があり、その目的をどの程度達成できているのかが、ページやサイトの「品質」を決定づけます。

検索品質評価ガイドラインには、PQ( Page Quality )評価という指標を使って、ページの品質を測っています。

そして、評価者がなるべく均質な評価ができるように評価のマニュアルが存在します。

このマニュアルを参考にしてサイト設計やコンテンツ制作を行うことで、ユーザーだけでなく、Googleにも評価されやすいクオリティを提供することができるでしょう。


9-1. ホームページを理解してもらう

ホームページは通常、サイトの重要な情報やリンクが掲載されていると考えられているので、PQ( Page Quality )評価 の対象になります。


まず、ホームページに戻るためのリンクを設置してください。

「ホーム」や「メインページ」、クリック可能なロゴをサイトの上部に置くことで、ユーザーがどこをクリックすればホームページに戻れるのか分かりやすくなります。

他にはURLを

// URL
https://note.com

のように、ドメイン名だけを使って検索したときにきちんとホームページにたどり着けるようにしておくことも重要です。

ドメイン名とは、"example.co.jp" のように末尾が

・".com"
・".org"
・".net"
・".info"

などで終わる部分のことです。


9-2. サイトの管理者を明示する

あらゆるサイトは、

・サイトの管理者
・コンテンツ制作者

を明らかにすべきです。

したがって、

・About Us
・Contact Us

などのようなページを作成し、誰がサイトを管理しているのかを明らかにしましょう。

サイトの管理者は必ずしも「人」である必要はなく、企業のような法人や団体でも構いません。

個人ブログや会社ブログなどのサイトであれば、誰がコンテンツ制作者なのかも示したほうが良いです。

例えば、

・アーティスト
・著者
・ミュージシャン

などがこれに該当します。

なぜならGoogleは、ユーザーがサイトをより理解するためにそういった情報が必要だと考えているからです。

一方で、サイトの管理者とコンテンツ制作者が異なる場合があります。

例えば、FacebookやTwitterなどのSNSからYahoo知恵袋のような質問サイトなどです。

Youtubeを運営しているのはアルファベット社ですが、コンテンツを作っているのはYoutuber達ですよね。

なので、個別のページにコンテンツ制作者のことが掲載されているかどうかも忘れずにチェックをしてください。

最後に、コンテンツ制作者を雇ってコンテンツをサイトに掲載している場合、コンテンツの「質」を担保するのはサイト管理者なので注意が必要です。


9-3. 連絡先情報を追加する

連絡先の有無も評価されるポイントの1つです。

連絡先情報の目的は

・機能していないページの報告
・コンテンツの削除依頼
・問い合わせ

などさまざまな理由があります。

それに対してサイト側は

・Eメールアドレス
・電話番号
・住所
・お問い合わせフォーム
・SNS

これらの情報を公開してユーザーとのコミュニケーション手段を確保しています。

問題は、「どの程度の情報量を開示すれば良いのか?」ですが、それはサイトの種類によって変わってきます。

具体的には、ショッピングサイト、銀行、クレジットカードに関するサイトであれば、連絡先ページやカスタマーサービスに関する情報は極めて重要です。

逆に、サイトの目的によってはある程度の情報を非公開にすることもやむを得ない場合もあるでしょう。

個人のブログで電話番号まで載せる必要はないでしょうし、ユーザーがコンテンツを作成するケース(掲示板やSNSなど)では、名前すら公開しなかったりします。

この点に関しては、国や地域によって基準が違うので、明確にこうしなければならないという情報は少なかったです。

似た業種・種類のサイトを見つけて、同程度の情報を公開すると良いと思います。


8. モバイルユーザーの検索意図の理解

ネット検索は、モバイルからが多いです。Google もそれを認識しているので、モバイルファーストの姿勢で検索エンジンの改善に取り組んでいます。

これまで、ページコンテンツの良し悪しを説明してきましたが、そもそもユーザーが何を達成したいのかを理解しないと、何を目的にコンテンツを作ってよいか分かりません。

よって、この章では、ユーザーの検索意図について述べていきます。

検索品質評価ガイドラインでは、検索クエリのカテゴリーを以下のように定義しています。

・Know クエリ
・Do クエリ
・Website クエリ:特定のWebサイトを見つけたい
・Visit-in-person クエリ:特定のビジネス、カテゴリー、組織を見つけたい

もちろん1つの検索クエリに複数の検索意図が含まれている場合もあります。言い換えれば、1つの検索クエリの背後に多くのユーザーがいるということです。

Know クエリは、特定のトピックについての情報を探しているときに検索されるキーワードです。

実際のクエリには、シンプルで議論の余地がないものから、抽象的ではっきり答えられないものまでさまざまなものがあります。

例えば、「岸田首相 身長」などのクエリは単純で正解は1つしかありません。

反対に、「岸田首相」だとかなり抽象的です。そのような場合は、検索意図が複数含まれている可能性があります。


Do クエリは、ユーザーが何かを達成したいときに検索されるキーワードです。

したがって、クエリの中には「動詞」になり得る単語が入っています。

英語だと動詞は最初の方に来ますが、日本語だとクエリの後ろの方にあるでしょう。

具体的には、

・「アプリ名 ダウンロード」:特定のアプリをダウンロードしたい
・「性格テスト」:性格テストを受けたい
・「BMI 計算」:自分のBMIを計算したい
・「映画名 DVD 購入」:映画のDVDを買いたい

などになります。


Website クエリは、その名の通り特定のサイトを見つけるためのクエリです。

例を挙げると

・「youtube」:youtube.com のページ
・「ebay」:ebay.com のページ
・「canon デジタルカメラ」:キャノンのデジタルカメラのページ

などです。


Visit-in-Person クエリは、これまたその名の通りですが、直接訪れたい場所を探すクエリです。

Google は、このクエリの検索意図を判断するときに、ユーザーの場所を重視します。

検索クエリが「スパイス」だったとして、ユーザーの近くに「スパイス」という名前のカレー屋があった場合、Google はこのカレー屋を優先して検索結果に表示する可能性があります。

逆に、そういった名前の店がない場合、単にスパイスの種類や定義に関するコンテンツを表示することもあります。


クエリの検索意図が分からないときは、実際にGoogle検索にかけてみてください。

検索意図が複数あったとしても、検索結果の1ページ目をざっと見れば、潜在的にどんな検索意図で検索されているのか検討がつきやすいです。


9. 検索結果の評価

さまざまなクエリと対応する検索結果が存在しますが、評価の方法は同じです。

Googleは検索結果がモバイルユーザーにとってどれだけ満足いくものなのかを定期的に調査しています。


Google の検索結果には、以下のような種類があります。

Special Content Result Block ( SCRB )

SCRBとは、検索結果のトップにあるボックス型のコンテンツのことです。

言葉の定義や天気予報、有名人の生年月日など、解釈の余地のない「事実」に対してSCRB形式での検索結果を返す傾向があるように思います。

なので、ほとんどのユーザーはそこにある情報に満足し、リンクがあったとしてもクリックしないかもしれません。

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Web Search Result Block

通常のブログなどの記事です。クリックされ、コンテンツが消費されることが想定されています。

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Device Action Result Block

これは、ユーザーに対して何らかのアクションを促す検索結果です。例えば、モバイルアプリを検索したユーザーに対して、すぐインストールできるようにしています。

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10. Needs Met 評価

Needs Met 評価とは、検索結果がどれだけ検索ニーズにとって役立つものかを推し量るための評価基準になります。

一方でPQ(Page Quality)評価は、サイトのページを評価するためのものなので注意してください。

ちなみに、PQ評価が低いと、Needs Met 評価も悪くなります。ガイドラインの言葉を借りると「Useless is useless」だそうです。

つまり、PQ (Page Quality) 評価基準は前提条件で、そもそもPQ評価基準を満たさないと検索順位の上位にいくための「資格」すらない状態です。

そういった高品質なコンテンツの中で、さらに検索ニーズに関連するものだけが検索順位の上位に君臨していると考えることができます。


話を戻します。

ガイドラインでは、ニーズを

・完全に満たしている(FullyM)
・高いレベルで満たしている(HM)
・適度に満たしている(MM)
・わずかに満たしている(SM)
・満たしていない(FailsM)

という基準で評価します。

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目指したいのはもちろんFullyMですが、このレベルに至るには、

・クエリとユーザーニーズが明確かつ具体的で、あいまいさが無い
・ユーザーが最小限の労力でニーズを満たすことができる
・ユーザーが他のコンテンツを見る必要がない

という基準を満たす必要があり、非常にハードです。

いくつかの例がガイドラインに示されていましたが、ほとんど全てが

Website クエリに対する結果
Device Action Result Block
Special Content Result Block ( SCRB )

これらに該当しています。

つまり、

・「youtube」など特定のサイトを検索しているケース
・ユーザーにアクション(アプリのインストールなど)を促すコンテンツ
・株価など解釈の余地のない情報や事実を表示するコンテンツ

に限られていました。


これらの情報から言えることは、ユーザーの検索ニーズを満たすには、ロングテールキーワードを狙うほうが良いということです。

ロングテールキーワードとは「iphone カバー ショップ」など複数の単語で構成された検索キーワードです。情報量が多い分、検索ニーズがはっきりしており、回答しやすいクエリです。

逆に、1語しかない検索クエリだと、1つのコンテンツで複数の検索ニーズを満たさなければならなくなります。これは少々難しいかもしれません。

そのような場合、SEOで上位表示されるにはコンテンツの力だけでは不十分で、サイトやコンテンツ制作者の評判を上げる必要があると思われます。


加えて、ユーザーのニーズを十分に満たす良いコンテンツだったとしても、情報が古くなった場合、評価も下がります。

継続的なリライトが必要になるでしょう。


11. 最後に

大多数のSEO対策をする人の目的は、より多くの検索流入が欲しいからでしょう。なぜなら検索順位と検索流入は大きく関係しているからです。

Ignite Visibilityの調査(2020年)によると、検索順位とCTR(Click Through Rate)には、平均ベースで以下のような関係があります。

Position - CTR
Position 1 – 43.32%
Position 2 – 37.36%
Position 3 –29.90%
Position 4 – 19.38%
Position 5 –10.95%
Position 6 – 10%
Position 7 – 5.28%
Position 8 – 4.13%
Position 9 – 4.13%
Position 10 – 3.11%


Googleは、検索品質評価ガイドラインを通じて、どういったコンテンツを評価するのか示しているわけですから、それに従うことでSEOにも効果のあるコンテンツ作りができるはずです。

つまり、ウェブ制作とコンテンツマーケティングとSEOはセットで考えないといけない問題なのです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


参 照

1. General Guidelines - Google, 2021/10/19
https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/en//searchqualityevaluatorguidelines.pdf

2. Website monetization - wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Website_monetization

3. Does Advertising Actually Work? (Part 1: TV) - FREAKONOMICS 
https://freakonomics.com/podcast/does-advertising-actually-work-part-1-tv-ep-440/

4. GOOGLE CLICK-THROUGH RATES (CTR) BY RANKING POSITION [2020] - Ignite Visibility, 2020/5/15
https://ignitevisibility.com/google-ctr-by-ranking-position/


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