見出し画像

お気に入りでも永遠には使えない?「スキー板の寿命は約100日」

お気に入りの道具は、ずーっと使い続けていたいものです。

特にメインの道具であるスキー板は、毎年ニューモデルが登場して同じシリーズの板でも微妙に違いがあり、「これだ!と思う」板は数年に一本だったりします。

しかし、そんな自分にとって特別な板も寿命を迎える時が来てしまいます。

今回は、「板の寿命と長持ちさせるコツ」について語っていきます。

スキー板の寿命は約100日⁉

私の体感としては、10万円以上する板も「3ヵ月ちょっと」「4ヵ月あまり」ほぼ1シーズンで全力で滑るには不安な板になってしまいます。

高価な物なだけに一冬で終わってしまっては、悲しいですよね。

あくまで「スキーを仕事にしていた私の体感」なので、一般の方は、何倍も長く使えますので安心してください。

そんな約100日の内訳ですが、以前に12月中旬から3月末まで「レッスン・研修・練習」を一台のスキーで行った経験を基にしています。

リフト始発からコース下見(練習)で「1時間」~午前レッスンを「2時間」~昼食後、午後のレッスンを「2時間」~日没まで練習「2時間」~ナイターで研修「1時間」~リフト終了まで練習「2時間」~踏み上げで練習(板を担いで登ること)「1時間」~ホットワックスして一日が終了

なんと合計で1日11時間(1+2+2+2+1+2+1)×約100日、頑張ってくれた板はシーズンの終わりと共に寿命を迎えていました。

毎日使ってシーズン後半には、ヘタリを感じていたので実際にはもっと短いかも知れませんが、元気な若いスキー教師の話なので「あくまでも大体の目安」として考えていただけたらと思います。

(スノーボードの現役プロ・元プロの友人も同意見でした)

シーズン10日ほど滑る方であれば10年ほど

シーズン30日ほど滑る方であれば3年ほど

使用頻度や内容にもよりますが、100日を一つの目安にすると乗り換え時期の参考になると思います。

寿命を迎えた板は使えないのか?

雪の上を滑る事だけを考えると、滑走面やエッジの手入れをしていれば滑ること自体には影響がないように思えますが、実際には大きな違いが出ます。

この大きな違いとは「バネの力」が失われる事です。

フレックス(たわみ方向へのバネ)やトーション(ねじれ方向へのバネ)といった言葉で表現されますが、この力が効かなくなると「エッジの捉え・保持力」「スキーの走り・加速感」「切り替えのタイミング」など、ターン弧を描く時だけでなく「直滑降」の様に真直ぐ滑る際の安定感さえも失われてしまいます。

こうなってしまうと「思っている以上にターンが切れ込んでしまったり・突然エッジのホールドが無くなる・以上に振動し始める」など「怖い思いをすることになります」

また吸収や反発といった「バネの力」を失った板は、非常に疲れるため強引な操作や無理な運動の原因となり「上達の妨げ」になってしまいます。

これらの事から、快適な滑りの為には「バネの力」が欠かせません!怪しいと思ったら「作業用や観賞用」などの次の役割を与えてあげてください。

怪我や事故の原因にもなるので「使用の際には十分に気を付けましょう」


お気に入りの板を長持ちさせるコツ!

「複数の板で使用頻度を下げる」

好きな板ほど、使用頻度が高くなり早く寿命を迎えてしまいます。

しかし、シーズン初めは思うように滑れないものです。「滑走感覚や身体の使い方を思い出す時間」が必要で、使い慣れた板を使用して、先ずは「足慣らしをしましょう。

また積雪量や雪質も安定しないのでゲレンデに小石や枝などが出ていて、板に傷が入ってしまう事もあります(春スキーも同様)。気を使いながらでは楽しめませんし、いきなり傷物になってしまっては悲しいので「お気に入り」は温存しておきましょう。

足慣らしも済み、雪質も安定しているハイシーズンの1月中旬~2月末の時期に「お気に入り・おニュー」を使って楽しみましょう。

朝イチ・パウダー・青氷(アイスバーン)など、自分の好きな特定の条件を設定すれば「特別感も増し」使用頻度も下げて延命できます。

※板が1台しかない場合は、レンタルの利用も検討してください。


「マメなお手入れ」

ワックスやエッジの手入れをして万全の状態をキープすることも大切なのですが、削りすぎては寿命を縮めてしまうかも知れません。

ホットワックスをかける際にも、アイロンの温度が高過ぎれば滑走面を痛めてしまいます。焦らず適切なお手入れをしてください。

でも… 道具も場所も無い… そんな方は使用後にタオルなどで水気を拭き取ってあげて下さい。その際に板の傷やボルトの緩みなどが無いかチェックすることが大切です。

深い傷などは芯材が水を吸って致命傷になりかねないので、そういった事にならないよう「マメにできるお手入れ」で板の変化に気づいてあげましょう。(早期発見でリペアすれば大丈夫な場合が多いです)

また、相談できるチューンナップショップを利用することも良いことだと思います。(相談できないショップはオススメしません)

「使い分け」と「お手入れで」大好きな板を長く愛用してあげましょう。

「充実した100日を送ってほしい」

「スキーの寿命」をテーマに書いてまいりましたが、道具を使うスポーツは、その扱いが丁寧であるほど受ける恩恵も大きいと思います。

特にスキー・スノーボードの板は滑走するために無くてはならないものであり、ご自身に充実した時間を提供してくれる大切な存在です。

永遠には使用できない板ですが、最後の日を迎えるまで・適切に扱い・全力で楽しみ・お手入れをして「天寿を全う」させてあげてください。


余談…

「コースを一本滑ったら元の性能は無い」

「1シーズン店置き(旧モデル)は使えない」

などなど色々な話を聞きますが、その違いを体感できる人は非常に少ないと思います。こ慣れたくらいが丁度よかったりしますので、シビアになり過ぎないようにしてください。

また、経年劣化もありますので古くなった板は、使っていなくても緩やかに劣化してしまいますので十分注意して扱うようにして下さい。

どんな道具も「ご縁」があって自分の元へ来てくれます。

大切な相棒と良いシーズンをお過ごしください🌈


最後までお読みいただきありがとうございます。

「スキーの先生」としてスキー指導の事を中心に・用具・技術・ライフスタイルなどを色々と書いております。

是非フォローして頂き、人生の充実にお役立て下さい。

よろしければサポートしていただけると大変励みになります。頂いたサポートは創作の糧にさせていただきます。お心遣い感謝いたします。