スクール選びの重要性(学生団体編)
授業の一環として中学・高校を中心にスキー教室(スキー修学旅行)を実施している学校は多く、中には各学年で行き先を変えて毎年実施していたり、一貫校などでは中学1~高2までの5年間実施している所もあります。
この他にもスポーツクラブ・スイミングスクールなどでも、宿泊を伴ったスキー教室を行う所がありゲレンデは多くの団体で賑わいます。
非日常の中で学ぶスキー学習の機会は大変有意義なものですが、スクール選びを間違うと大変なことになります。
特に近年では、指導者の減少・高齢化・教育不足などが原因で事故や怪我を招いてしまったり、楽しく滑ることができないまま日程を終了するケースが増えています。
教育の専門家である先生方も講習内容や安全性に関して疑問に思っても「雪上のプロ」として見ているインストラクターに対し些細なことでクレームを申し出る機会は少ないと思います。
しかし
「実際はプロと言えるほどの経験や実力のある方は少ないのが現状です」
残念なことですが「楽しければ良い」「初心者だから」「人手不足だから」と言い訳を繰り返し、今やルールも安全性を無視してトラブルを起こすケースも少なくありません。(裁判になるケースも有るほどです)
スキー学習の基準や目的を見直し本来のお客様である「生徒さん」の為にスクール選びをしていただきたいと思います。
この記事は
スキー場を訪れる先生方・生徒さんの雪上での時間が充実したものになるよう 担当の教員の方・実行委員の生徒さん・保護者の方々に向けて書いております。
※スクールを「良くしたい」と思うインストラクターの方~将来スキー・スノーボードのコーチを目指す方にも読んでいただけたらと思います。
スキースクール選びは必要か?
・長年お世話になっているから。
・空いているスクールがそこしかないから。
・ホテル(ゲレンデ)に入っているスクールだから。
などの理由で担当スクールを決めている学校は多く、比較検討することなく「例年どうおりで良し」としているのではないのでしょうか?
実際、現地での講習後の打ち合わせの席で「来期も同じ感じで…」なんて話になるものです。
事前の下見の際には、スクール側の責任者と打ち合わせを行う~ゲレンデを見て簡単な説明だけでスタッフもレッスンも見ていない状態で終了です。
上記の様に「例年通り」となるのは初めてスクールを利用した際の印象が良かったり、担当者の対応が良かったりと初期の好印象によるものだと思います。
しかしスクールは毎年変わります
季節モノの仕事なので人の入れ替えが激しく、多くの人間が入れ替わります。
以前は経験の浅いコーチが混ざっていても充分なフォローができ、レッスンの質を保つ事ができましたが、近年では比率が変わりフォローできる人間の質も低下している所が多く見られます。
コーチを指導する側も経験が浅く、滑走技術も講習内容も良し悪しの区別がつかない状態であったりします。
またレッスン内容や流れをマニュアル化して効率を求めた結果、教育・練習の時間短く状況判断も技術を見る力も無いままに担当コーチになっている人間が大半です。(新人だけでなく中堅やベテランスタッフも含む)
レッスン内容だけでなく怪我や事故のリスクも大きく、骨折などの大怪我をスクール側が把握していないなんて事例もあるほどです。
良いスクールは「楽しいければ良い」の裏側に徹底した安全管理やスタッフの技術向上など「努力と教育」があるものです。
酷いスクールも良いスクールも選ぶのは先生次第です。
上辺の印象や接待に惑わされる事なく「生徒さんの為」に良い選択をしてあげてください。
良いスキースクールを選ぶために
以前、担当の先生が休日を使い、学生が使うホテルとスクールにお客様とし来訪し自身のレベルアップと共に「団体利用時の相談」をしていることが多くありました。
相談内容としては
・以前利用していたスクールやスキー場の問題点
・スキー教室の趣旨(レッスン内容)
・緊急時の対応(完全管理)
・スタッフの教育体制
・開講式・閉校式でのコーチによるデモンストレーションの内容など
その後、団体利用の際もスクールの質・対応力を自分の目で確認しているので要望や提案をすることが容易になり、より充実したスキー教室を実施することができます。
学生団体のレッスン中も「なんの練習ですか?」「シッカリとレッスンしてください!」とコーチに直接「ご意見」を頂戴する場面もありました。
もちろん期待に応えられなければ来期は別のスクールへ。
良いと思えば他のスキー場でも依頼されます。
以前はスキーの指導経験のある先生も多く、「レッスンを見る目」があったのでコーチ自身も緊張感をもってレッスンに集中し、良いコーチになるために練習や勉強を繰り返していたものです。(良いコーチ・スクールにとっては通常のことです)
ちょっと真面目過ぎると思う方もいるとかと思いますが、スクール選びによって学習内容も怪我や事故に対するリスクも大きく変わっるので当然の事だと思います。
ココまで徹底することが難しい場合でも
打ち合わせの際に
・趣旨を伝える「ルールやマナー・基礎技術など」
・質の高いデモンストレーション(基礎技術)
・安全対策の徹底
など、事前に要望をシッカリと伝えることで、「対応できるコーチを集め・研修を行い・デモンストレーションの練習をする」などの準備ができます。
コーチも人間なので完璧とはいかないまでも良いレッスンに近づくことが期待できます。
意見や要望を伝えることで、コーチの質・レッスンの質が良くなるだけでなく、話し合いの基準ができることで相談や改善を通して、より良い学習の機会になると思います。
※打ち合わせの充実に満足しないでください
しっかりと対応と結果を見て利用・継続の有無を判断してください。
誠意の無い所は改善の余地もありません。
こんなスクールは要注意
見るべきポイント
・デモンストレーションが酷い
・班がバラバラで纏まりがない
・できない生徒を怒鳴りつける
・怪我や事故の責任を他人のせいにする
・コーチと生徒の滑りが違い
この他にも講習中の喫煙・休憩時の飲酒・レッスンの放棄など
「まさか!」と思うようなコーチもいたりします。
このような場合、個人の問題ではなくスクールの管理能力が無い場合が多いので、早期の改善は難しいと思います。
(中には教育もしないで自主性なんて便利な使う所もあります)
もしもの時
・責任が負えますか?
・保証でお金が降りればOKですか?
※責任をとっても怪我も後遺症も治せません!
冬の消化行事と割り切っている方もいるかも知れませんが、重大事故が起きてからではどうにもなりません。
本来の目的である「スキー学習以前の問題」です。
生徒への悪影響~実害を及ぼします。
言い訳ばかりで改善されない場合には、スグに他のところへ移ることを
オススメします。
まとめ
以前、学生団体のレッスンに力を入れているスクールに所属していた時、良いの評判を聞きつけ紹介や口コミで多くの学生団体の方に利用して頂きましたが、いつの間にか技術も指導力も低下し「信用を失って」消えていきました。
逆に事故や怪我も多く最低のスクールだった所も数年で評判の良いスクールに変わっていたりもします。
老舗~新設校まで様々なスキースクールが存在しますが、どこのスクールも常に変化しています。
良いスクールは日常的に研修・練習を行い「未来のスキーヤーの為に」提供できるサービスの質を向上させています。
一方、口先だけの やっつけ仕事で時間とお金を浪費させて
「子供と業界の未来を奪う輩」も多く存在します。
どちらも長い年月をかけて「それが普通」になってしまっています。
その中で良いスクールを見つけることは難しい事かも知れませんが、その選択次第で雪上での学習の質が大きく変わってきます。
公認や肩書などの看板・おだてや諂いに騙されることなく良いスクールを選んでください。(上記の最悪がすべて当てはまる有資格者もスクールも多数実在します)
決定した際にも一度の下見だけでなく、メールや電話での問い合わせで要望を伝え、プロとしての実力を発揮してもらいましょう!
是非「生徒さんの為になるスクール選び」をお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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