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これウソやで→親しい友人5人の平均年収が自分の年収になる
「親しい友人5人の平均年収が〜」なんて話、よく聞きますよね。
インチキ自己啓発セミナーとか、ペテンの 高額塾の勧誘でよく使われる常套句の1つです。
でもね、これってウソなんです。
完全なウソじゃないんだけど、原因と結果が逆なのです。
人脈アピール塾とかで「お金持ちがたくさん参加しているので、彼らと仲良くなるチャンスです!親しい友人5人の平均年収があなたの年収になるので、彼らと友達になればあなたもお金持ちになれます」とかいっていますけどね。断じてそんなことはないです。
実態としては、年収が近い人同士で付き合いがち…だから「親しい友人5人の平均年収は…」というわけです。
どういうことかというと、年収が大きく違う人と付き合おうとしても、生活習慣や価値観の違いが障壁になることが多いんです。
たとえば、ランチ1回3000円が普通の人と、500円のワンコインランチが定番の人。休日にタクシーを使う人と、必ず徒歩や自転車の人。
いつでも好きなときにまとまった休みが取れる人と、有給を1日とるのにも数ヶ月前からの根回しが必要な人。
こういう日常的な行動パターンの違いが、付き合っていく上でのストレスになってしまうわけです。というか、付き合うこと自体を不可能にしてしまうわけです。
「じゃあ、高額な塾やサロンに参加して、年収の高い人たちと交流し、可能な限り彼らに合わせるようにすれば…?」
このように考える人も多いでしょう。
でも、それは大きな間違いです。
というか、そういうメンタリティで下の立場から近づいていくからカモられる人が後を絶たないのです。
本当に稼いでいる人たちは、わざわざ見ず知らずの人と交流するような塾やサロンには参加しません。時間の無駄ですからね。
なんだかんだそういう場所にいるのは、群れの安心感に身を寄せたい人たちか(なぜ彼らが不安になるのかを考えてみましょう)
あるいは自分より下の人たちに「私は年収が高いんですよ」とマウントを取りたい、承認欲求の強い人たちがほとんどです。でもって、本当に稼いでいる人が積極的に見ず知らずの人と関わってまで承認欲求を満たさなければならないほどに、渇望感を持っているなんて思いますか?
というわけで、実態としては、塾主催者がソコソコ稼いでいる知り合いを雇って「私は年収●●●●万円稼いでいます!」と発言させているケースも少なくありません。そういう見せ方をすれば「ここに参加すれば自分も!」と勘違いする人が出てきますからね。
実際は、そこに参加したからお金持ちなのではなく、お金持ちだからそこに参加している風に籍を置いてくれとお願いされているだけというのが実態なわけですが…。要するに、数百万円の参加費を払わせるための演出でしかないわけです。
ついでにいっておくと、有名経営者や、難関専門資格を有している人たちも参加している(たとえば医者や弁護士など)といったふれこみも、何のことはない、彼らが価値を感じて、お金を払って参加しているのではなく、無料のサクラとして招き入れているだけというのが実態です。
集団属性の高さを売りにしているようなサロンやコミュニティについては、例外なくこの手の演出で優良誤認をさせようとしてくるので注意が必要です。
そもそもの話をすると、本当に年収の高い人たちって、自分の収入を積極的に話したがらないものなんですよ。聞かれたとしても、過少申告気味に控えめに言う人の方が多いです。
なぜか?
それは、収入を正直に話すことで、余計な面倒に巻き込まれたくないからです。最近流行りの闇バイトのターゲットにされるリスクはもちろんですが、それ以外にも知り合いからお金の貸し借りを持ちかけられたり、投資や保険の勧誘をされたり…。
加えて、本当の成功者の人って、学生時代からのリア充が多いんです。
だから友達やら知り合いが多いわけですが、その一方で、当時から自分に対して気に入らない、面白く思っていないと感じている潜在的なヘイト意識を持っている一方的な知り合いも非常に多いのです。そういう人たちに攻撃されるリスクがありますし、なんならそれまでの人生でも大なり小なり嫌がらせをされてきた、嫉妬されて不快な思いをしてきたという場合が多いですからね。ゆえに、成功をひけらかすデメリットが大きいのです。
それに、本当に稼いでいる人は、自分の収入を他人と比較する必要性を感じていません。むしろ、「年収いくら稼いでいますか?」なんて聞いてくる人自体を警戒します。
あと、ある程度以上のビジネスをしていれば、取引先との守秘義務契約もあります。したがって、収入やその背景となる事業への取り組みを詳しく話すことはできないんです。
どこどこのコンサルをやっているので…なんて普通は対外的にアピールするもんじゃないですし、そんなコンサル危なくて雇わないですから、まともな会社は。
だから「上場企業のコンサルを〜」なんてアピールしているような輩は、だいたい偽物だとわかるわけです。何なら、非上場企業であっても、そういうのを対外的にアピールするコンサルなんて願い下げですからね。(もちろん守秘義務ゆえにぼかしていると彼らは言うのかもしれませんが、それができてしまう以上、いくらでもハッタリなんてかませますからね)
その他、飲食店やブランドメーカーのオーナーをやっていても、嫉妬心に駆られた人から、悪意あるデマで中傷されるリスクを懸念して、大々的なアピールをしたがらない人は多いわけです。
それなのに、高額塾やサロンで「私は億り人です!」とか平気で言える人って、実態はどうなんでしょうね、ということです。
もし本当に億単位で稼いでいるのなら、まっとうな仕事で稼いでいるなら、そんなところに参加しなくても、いくらでも楽しい付き合いなんてあるんです。というか、そのプロセスで自然発生するものです。
別にこれ、お金持ちの世界に限らず、他者への思いやりを持って生きる人生を歩んでいるなら誰もが手に入れることの出来るものですよね。
あなたもこれまでの人生で趣味や共通の話題を通じて、そんな素晴らしい仲間に恵まれてきたと思います。それに対して、わざわざお友達作りのために高額塾や高額サロンに参加するって、一体どういう人生歩んでんのよ?って感じじゃないですか。でもって、その程度の人たちと知り合えること、仲良くなれることに価値なんてありますか?
あと、そもそも、その程度の人間関係しか築けない人が、本当に稼いでいると思いますか、まっとうな方法で。
というわけで、結局のところ、「友人5人の平均年収」理論は、高額塾への入会を促すための詐欺的な営業トークでしかないのです。
ちなみに、その言葉を世に広めたのはジムローンです。自己啓発の大家・アンソニーロビンズの師匠筋ですが、一方でその界隈には数多のマルチ商法ペテン師が多いのは有名な話ですよね。
むしろ、そんな言葉を真に受けて入会を決めてしまうような人は、先々まで詐欺のターゲットとしてマークされる危険性が高いので要注意です。仮想通貨とか買いそうだもん。「俺たち4人は全員買っていてお金持ちだ、だけど買っていないお前は貧乏だ。その違いは何だ?」みたいな感じで丸め込まれそう。(ちなみにこの対比の言葉は、前述のジムローンの言葉のオマージュです)
とりあえず注意して欲しいこととしては、世の中には「自分は特別な存在になれる」と思わせて、高額な商品やサービスを売り付けようとする人がたくさんいるという事実。でも、人生って、そんなに都合よくは変わらないという残酷な現実があるということです。
地道な努力と、堅実な判断の積み重ねでしか、成功への道は開けません。
価値観を改めることで思想が変わる。思想が変わると反応が変わる。でもって反応が変われば基本的な行動が変わる。基本的な行動が変われば、それが良い習慣となって定着する。でもって、良い習慣の積み重ねが、良い人生を作るというわけですからね。
というわけで、高額塾やサロンで、見ず知らずの「成功者」と知り合って、その付き合いで一気に年収が上がる...そんな都合のいい話を信じるくらいなら、その参加費を自己投資や事業投資に回した方が、よほど賢明です。そういう奇跡があるのは本田健さんの本の中くらいです。
そんなあり得ないファンタジーを夢想するのではなく、良書と呼ばれる本を読みましょう。でもって、その取り組みを通じて、真に価値ある人との出会いが得られるのです。
本当に価値のある学びや交流って、お金では買えないものなんです。
むしろ、高額な参加費を取る塾やサロンほど、中身が薄いというのが世の常です。
中身のない会社ほど「うちの会社の強みは人財です」とかいうでしょう?
普通の会社のプレゼンだったら一瞬で「クソだな」と思うようなバカげたアピールも、高額塾やサロンだとセールストークとして機能しちゃうのが、この手の業界の恐ろしさと、いまだ悪辣なペテン師が跋扈している理由なんでしょうね。
注意すべきは、こういった詐欺まがいの商法に引っかかりやすい人ほど、一度騙されると抜け出せなくなってしまうことです。
「こんなに高いお金を払ったんだから、きっと価値があるはずだ」というサンクコスト効果で、どんどん深みにはまっていってしまうんです。それは、人付き合いに関しても同様。「もう少しで、●●さんの自宅のワインパーティーに招待してもらえそうだ」みたいな。
余談ですが、連中、ワインの味なんてわかってないですからね。事前に暗記したワインの評論を発表し合っているだけ。日本酒とかでも同様です。一度でもテーブルを囲むとわかりますよ、その実態が。
パクチーが食べられない、ドリアンをくさいという、鮨に醤油をドバドバつける…ものの味わい方を知らない輩がやりがちなテンプレートをフルセットでかましてくれますから。
なぜこれがワインの味がわからない理由になるのか、たぶんそれすらわからないでしょう、偽物は。というわけなので、あなたがその理由がわかったなら、どうぞリトマス紙としてご利用ください。
とりあえず、だまされたくないなら、パクチーが食えない人や、ドリアンをくさいといっている人には1円もお金を払わないことです。でもって高級寿司屋で食事をしている写真をアップしていたら手元に注目してください。醤油皿があったらそいつはペテン師です。
賢明な選択は、最初の一歩で「これはおかしい」と気づくことです。そして、その一歩を踏み出さないことです。
成功するのにメンターなんて不要です。
私にはメンターはいません。
私のメンターだと自称する人は何人かおりますが。
ともあれ、そんな風に手柄を横取りして商売のタネにしようとする人間が、誠実なのか、あなたの理想とする成功者像なのかをよく考えてみましょう。というか、考えるまでもないでしょう。
というわけで、大切なのは「お金持ちの友達を5人作る」という表層的な結果ではなく、「お金持ちと同じ価値観を身につける」という本質の部分です。お金持ちの友達5人云々というのは、お金持ちと同じ価値観を身につけた先にある結果の例示の1つでしかなく、それが全てではないということを理解しておきましょう。