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what's favorite type of photography??/写真展壁を終えて

とてもいきなりなんですけど、「いつかはどんな大切なことや大事な記憶も忘れていってしまう」ということを最近感じたり、ふと思い出したことはないでしょうか。

だからこそ、今を一生懸命に生きようだとか、バイバイしたあとにメールししてその日の余韻を残したりとか、人によっては絵を描いたり、曲にしたり、動画を撮ったり、写真を撮ることでその生理的現象に本能であがらっていたりするのかもしれないと思っています。

そして僕は、写真であがらっているみたいです。
みなさんはどうですか?

とりあえず4月なのにまだ暖房をつけていることに違和感しかないや。

記憶と記録の残し方について

展示したキャプション

昨日まで東京にある渋谷ルデコにて開催していた、「写真展壁」に参加させていただき、今回の記事に対する展示を行いました。

出展者に与えられたテーマはただ一つ「壁」。
そこに対して、各々の解釈で自分自身にとっての壁を表現していました。

僕が取り上げたのは、記憶の壁。
さまざまな記憶はやがて薄れていきます。そこを乗り越えれる手段はあるのだろうか。そんなことから展示づくりがはじまりました。

そして展示した写真は、今一番大事で忘れたくない記憶=大切な人=妻を撮った写真でぼくは展示を行いました。

いつも展示の時に書くラフスケッチ
何度も書いては消して構想を練ります

記憶の質や重要さで媒体は変わる

今はいろんな媒体で写真を見ることができる。
その最たるものがスマートフォンやパソコンだと思うんですけど、本当にそれが写真の媒体としてぼくたちの記憶に一番残るものなのでしょうか。
プリントもいいですよね。でもプリントもいろいろな形があって、銀塩と呼ばれるプリントだったり、家庭用プリンターやコンビニでできるインクジェットという方法もあります。
プリントする紙でも様相が変わる。
さらにプリントされた写真をそのまま貼るのか、シンプルな額装や豪華な額装に入れるのか、アクリル加工するのかでも違ってきます。
フィルムとなれば、ポジフィルムをネガで光に当てて見ることもできるし、コンタクトシートにすることもできる。チェキフィルムもある。

それぞれの掛け合わせで実に何百というかそれ以上の媒体があります。
これらの手段はほんの一例だけど(実際展示中に鶏卵紙というのも面白いよと年配の方に教えていただいた)、写真で残すということには実はその先があって、それによって写真の力強さ、みたいなものが変わるような気がしました。

そんな考えと冒頭に書いた、記憶が薄れていくということへの壁を写真という表現で思考するために、妻の写真をいろいろな媒体で展示することにしました。

スマートフォンによる展示

終えてみてですが、結論「最適解」というものはなくて人それぞれだし、記憶の重要度やどういう種類のものかによって、きっと媒体は変わるんだろうなと、並べたことと来場者の方とのお話で改めて再認識しました。
あえて、見てくださった方にあなたならどれですか?と聞くことはしなかったけど、一生懸命に見てくださった方々がとても印象的で嬉しかったです。

展示した媒体
iphone 6 / チェキフィルム / ポジフィルム映写機
lenovoノートPC / A4銀塩印刷 / A3アクリル印刷
A3銀塩印刷(フィルムコンタクトシート) / A4コンビニインクジェット印刷

展示全体風景
直前に画像を落としたりしながら調整していったラフ図
特に注目をいただいたポジフィルムの映写機
初めて触る方もいて簡易的なインスタレーションになったと思う

記憶に残る写真とは

媒体だけという話でもないとも思っていて、写っている写真も影響が大きい
その大きさは、撮影地やシチュエーションもあるだろうけど、写真の裏側に隠されたバックストーリーも響いてくる気がします(それだけではないのだろうけど)。
またそこに添えられた言葉があれば、また一層変わってきます。
今回はあくまで撮影者側の主観に対して書いていますが(見る側の話はまた今度にでも)、シンプルな写真のみで強く印象が残る写真とそうでない写真は何が違うのか、はうまくこれからも言語化していきたいと思います。

さて媒体というところだけに注目するのであれば、同じ写真をすべての媒体に出して展示も考えましたが、その写真自体の力もありそうなので写真も違うものにしつつ、いろんなシーンの妻を撮った写真を展示しました。

映写機とノートパソコン
左から銀塩プリント、アクリル、コンタクトシート

見てくださった方と話をすると、表現方法自体初めて目にするものがあった方もおられたり、フィルムカメラを触ったことがない方もいたりでそういう写真自体の話をするきっかけにもなったのは、今回の展示の副産物でした。

展示というものは、いろんなテーマや目的があって行うものだけど、今回のように思考し、映写機などで体験できるミニインスタレーション的な展示も楽しいな〜って単純に思いました。

それと、はじめてぼくの作品を見てくださった方、いつも足を運んでくださる方に言われたのは、「写真があたたかい」というお言葉でした。
先月まで開催していた、個展「やわらかくて あたたかい」の時から自分のキーワードのような気がしていますが、それをまた感じられた瞬間でした。

今回の展示を終えて

久しぶりに運営ではない身で参加したグループ展は、ほんとうに申し訳ないくらい自分の作品づくりに集中させてもらいました。

このような素晴らしい機会を作ってくださった主宰の別所さんや運営メンバーのみなさん、同じ空間で一緒に展示をさせてくださった出展者のみなさん、そして何より来場いただいた皆さまには本当に感謝しかないです。

特に今回、はじめましての方や、いろんな職種の方がいらっしゃったので、普段自分だけでは接することができない来場者の方にも出会うことができました。
グループ展は、広島時代から数えて6〜7回目でしたがやっぱりいいもんだな〜。

土日の来場者に限定で配布されたパンフレット
出展者の壁に対する想いがまとまっている

最後に出展者のみなさんがそれぞれ書かれている記事を紹介させてもらって終わろうと思います。
ぜひこちらも読んでみてください(随時追加します)。


https://note.com/mitani330/n/n36fd388f5962

https://note.com/shunsaido/n/n86283d8abb7f

https://note.com/erk_inkc/n/nc0106579b37f


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Ko Okamoto
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