ポールポジション争奪戦
棚から牡丹餅状態で、手術をした病院の不妊外来に潜入できることになりました。
しかし、世にあふれる情報や、不妊治療を経験していた友人からの話などを聞いては、これが自分にできるのか、と、とても不安でした。
特にタイミングが大事なので、タイムマネジメントの苦手なワタシは落ちこぼれになるような気しかしませんでした。
しかし、やっぱりやってみると意外と大丈夫だったし、仕事との折り合いもつけられるもんだな、と思いました。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
若手やり手婦人科医のおかげで、とうとう不妊外来に足を踏み入れた。
…と、言っても、そのやり手と診察していたブースのとなりのとなりくらいの距離。
歩いて30歩くらいの場所だ。
大病院のくせに狭い婦人科である。
ちなみに、乳腺の先生はご栄転で違う病院になったが、婦人科はまだ入院・手術をした病院のママだったので、近所で通いやすかった。
初めての診察は午前休を取って臨んだが…
一向に呼ばれる気配がない。
え?
1時間は待ってるよ?
どういうこと??呼ばれたのに気が付かなかった??
と、気になってそこらへんの看護師を捕まえて聞いてみる。
「いや、まだすけっちさんは呼ばれてないですね。もう少々お待ちください!」
明るく言われる。
ま、マジ…?
いや、今までが奇跡だったんだ。
きっとこれがスタンダードなんだ。
これは参った。
午前休じゃすまなくなりそうだ。
慌てて会社に電話し、診察が長引きそうなので全休になるかも、と伝えた。
(てか、診察されてない)
ようやく呼ばれたのは、予約時間から軽く2時間弱経った頃だった。
(そしてその後結局会社は行った)
勘弁して。。。
先生と初めましての挨拶もそこそこに、今までの経緯をカルテをみながら話し、そして今後の治療について説明を受けた。
生理周期で来院時期を決め、また性交タイミングも指導される。
また、不妊の原因があるか、今後いくつかの検査をする。
旦那の精液を調べるから、と小さいタッパーみたいなものを渡された。
ひ、非常に興味深い…。
不妊治療をしていた友人から話を聞いたり、雑誌やウェブの情報で想像はできていたものの、いろいろ面食らうことも多い。
なにしろ秘め事が秘め事にならないっつーことが、何とも言えない気分になる。
診察が終わった後、看護師からフォローアップの説明があった。
小さいタッパーを持ち込むときの注意点が
「お胸に抱いてくるとか、腹巻きに抱いてきてもらってるんです」
だったのが、一番のツボだった。
「そうしないと精子が死んじゃうんで」と軽めのノリで看護師が話すのだが、
「精子の段階から子を慈しむとは!!!!」
と、かなり目からうろこだった。
まあ、持ち運ぶときはまだ自分のこどもじゃないな。自分の要素何もないし。
おお、そうかムスコとはよく言ったものだ(違)。
さて、
その後の診察は朝イチを狙った。
生理周期のタイミングを見て診察の予約を入れる。
毎回朝一番の予約にした。
朝、謎の大病院の歌が始業(診察開始?)のベルとして放送されるのを、何度も聞いた。
校歌ならぬ、院歌っつーの?
てか大学病院だから校歌なのかな?(学校は別に校歌があるとしたら、それはそれで興味深いな)
毎回院歌を診察室に到着するくらいのタイミングで聞いた。
まさにインカのめざめ。
わあ自分でも恥ずかしいくらいうまいこと言ったつもりが、全然うまくなかった。
(てか入院中にこれ聞いたかな?覚えがない。きっと病棟では流れないんだろうな)
が、
診察券を入れる受付の機械を通すが、いつも3番手。
どういうこと。
ワタシよりも早く来てる患者さんが他に2人いるらしい。
そして、何度がんばっても彼女らになかなか勝てない。
一体いつ来てるの?
そしてその人たちとは待合で会う気配がない。
どこで待ってるの??(いや、私が気が付いてないだけな気がする)
ワタシは、無駄に不妊治療よりも、そっちに注力していた。
絶対に一番を取ってやる…(無駄)。
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ワタシは結構なモブキャラなので、1番を取るとか、目立つとか、そういった状況になれていません。
ちやほやされたい気持ちは、人間なので無きにしもあらずですが、それと同じくらい目立たずに居たい気持ちも強いので、こんなに1番乗りに固執したのは、人生では初めてだったかもしれません。
あ、ラーメン屋の開店前に並んで一番乗りしたこと、あったわ(汗)。
そして、今後ですが1という数字に縁ができます。
※先生とのやり取りや説明など、うる覚え過ぎる&ある程度の脚色が入っております。
また、何かご自身のお体にご不安がある場合は、専門の医療機関に問い合わせることを、強くおすすめします。