でんぐりかえって王選手、じゃなくて、ひっくり返って大騒ぎ
今やホームラン王といえば王ではなく大谷になりましたね。
ワタシはいまだナボナのイメージですけど。
お菓子のホームラン王。
迷走神経反射というものをご存じでしょうか。
何らかの原因で、急に意識を失う症状のことを言うそうです。
ワタシは昔から、強い痛みを感じると、めまいを起こして倒れる傾向にありました。
睡眠不足や疲れなども原因としてあるようですが、ワタシは基本強い痛みに伴って起こります。
ヒドイ人はリアルに「ばったーーーーーーん!」と倒れます。たぶん。
ワタシは倒れたくないので、ヤバくなる前に座り込んだりしました。
小学校などの朝礼で倒れたのは1回しかなく、倒れる前に座り込むことが出来ていました。
時には気分が悪くて吐いたり、冷や汗がでる、なんてこともありますが、このことで救急車で搬送、とかはありません。
とにかく人に迷惑をかけてはいけないという強迫観念症で、気合いで倒れない、がモットーでした。
倒れてなるものか。
ここでも人に頼れない性格が表れています。
生理が重いので、あまりにお腹が痛すぎると、いまだに「これ」になります。
大人になるにつれ、これにならないようにする方法(先に痛み止めを飲むなど)がわかってきて、だいぶ良くなりました。
気になる方は病院でご相談ください。
しかしワタシは相談しても、現在進行形で解決してません。苦笑。
で、「私はコレ(小指)で、会社を辞めました」じゃないですが、今回は急な「これ」で大変なことになった、という話です。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
不妊治療をするにあたり、タイミング法を取りつつ、様々な検査を行った。
まずは基本中の基本。
基礎体温の記録だ。
実は、こどもが欲しい以前の問題として、生理周期の不安定さや、PMSのひどさもあって、20代のころから基礎体温の記録はしていた。
目覚ましおよび記録のできる、オムロンの婦人体温計。
全く壊れず、電池を入れ替えながらずーっと、20代後半から38歳まで使っていた。およそ10年。
しかし、ホルモン治療でタモキシフェンを服薬するので、基礎体温を測る必要がなくなった。
意味がないからだ。
いま思えば、その時も測ってみて、どんなもんかをレポートできればよかったかも。
(測った人の話だと、「生理になる前にだけ、グンと体温が下がるから来るのがわかる」とのこと。…なんだ知らなかった。測ればよかった)
でも、楽な方に流されやすいワタシは、「必要ないもんね~♪」と、キレイに消毒してご丁寧に棚の奥にしまい込んだ。
それを、いまこそ2年ぶりに取り出して再利用した。
作りがシンプルだったのか、電池さえ入れればまったく問題なく使えた。
なんと経済的。ありがとうオムロン。
そのほか、毎度の超音波検査、血液検査など。
精液検査もあったが、旦那は非協力的だったので、できなかった。
まあ、強制するのはもう少しあとだな。
タイミングを取った翌朝、また院歌を聞きながら診察に行った。
その際、夕べ事があった、と伝えると(これ、マジで慣れなかった。診察台乗るより嫌だった)、先生が膣内の精液を採取できるという。
ほほう!興味深い。
そして、シャーレ上に採取された精液を顕微鏡で確認していた先生が「見る?」と言ってきた。
え!
見れるの!!
マジ!!!
興味津々で顕微鏡を覗いた。
レバ刺しは見られなかったからな。
顕微鏡なんて、中学か高校の化学?で覗いた以来かもしれない。
丸い円のなかで、ふよふよしている元気な彼ら(?)が居た。
ミジンコたちは可愛かった。
おお、旦那のムスコたちよ(違)。
「かわいい〜。」
などと口走ったら、先生がなんとも変わったものを見るような目でこちらを見つめる。
こんなふざけたことを言う患者他にいないんだろう。
わるかったな。
てかあなたが見せてくれたんだからね。
文句があるならおっしゃって?
その数日後、とある美術館で見た作品で、暗い中、白い星のような点が集まっていく、というくだりがある映像作品を見た。
その映像が、感動的なシーンのはずなのに、ムスコたちとイメージが重なってしまい、作品に集中できなかった。
作家さんにそんな意図はなかったろうに。
ごめんなさい。
他には「卵管造影検査」なるものもあった。
噂では「めっちゃ痛い」らしい。
でも、人によってはまったく痛くないらしい。どういうこと。
ワタシももれなく「検査しましょう」という話になり、予約を取り付けた。
検査当日、午後半休を取って病院に向かった。
ちょうど役所に書類を取りに行きたくて、午後イチの予約にし、その後、近くのいわゆる役所の分室(サービスセンター)に行くつもりでいた。
ワタシが住んでいる街では、不妊治療の助成が少し出るらしい。
なので、その必要書類が欲しかった。
が、結論、ワタシはサービスセンターに行かなかった。
行けなかったのだ。
卵管造影検査は、放射線を使った検査だ。
なので、放射線科に案内された。
あのありがたき『装置様』の御座す地下室とは別の場所の放射線科検査室に呼ばれた。
ここは、そうだ。
MRIで旦那に忘れ物をなじりになじられたあの場所だ。
リメンバーパールハーバー。
MRI室と同じフロアの端っこに、検査室があった。
更衣室で検査着に着替える。
たしかスカートみたいな形状だったような記憶。
尻丸出しにするってことだもんな。←言い方。
ベッドが1台、装置のついている、よく見るレントゲンの機械に近いだろうか…?
検査の怖さから、検査台のベッドの上で、柴崎コウ似の技師さんに声をかけながら気を紛らわせた。
コウは重そうな放射線検査用の防護服を着ていた。
それがベストというか、ジレタイプというか、腕や脚は守られていないので、
「それで大丈夫なんですか?」
と聞いてみた。
「いいんですよ、大事なところ(お腹=内臓あたりを指さしながら)が守られれば」
と軽くあしらわれながら、検査が開始した。へー、なるほどね。
造影剤が経膣で投入されていく。
MRIのときみたいに冷たくないな。ふむ。
ん?
…い…たい…え?
いってええええええええええええええええ!!!!!!!
痛い痛い痛い痛い痛い!!!
「え?こんなに痛いの?めちゃ痛い めっ ちゃ い た い !!!!」
と、涙目でコウに訴えるが、
「すぐ終わりますから」
と、けんもほろろ。
がんばって我慢し、なんとか終了。
こんなに痛いとは思わなかった。
想像以上、生理痛の10倍くらいはあった。
痛みに耐えながら(©︎小泉純一郎)、検査台を下り、更衣室で着替える。
が、まだ痛い。
死ぬほど痛い。ふらふらする。
貴乃花は頑張ったかもしれんが、アタシ頑張れない。
更衣室が狭かったので、壁に寄りかかりながらなんとか着替えた。
そして着替えてからコウに
「どこか…横になって休めるところはないですかね…?」
と聞いてみた。
「ありません」
冷たく突き放された。
美人に言われると悲しさ倍増。
いや、たぶん本人冷たいつもりないのかも?
(検査中いろいろ話しかけるからウザがられたのかもしれん)
そうですか…と、トボトボとその場を後にし、会計に進む…前に、廊下にあったベンチが目に入った。
ここで休もうと座った。
が、くらくらする。だめだ。
これは経験上ヤバいのがわかった。
このままエスカレーターに乗ったら、たぶん蒲田協奏曲だ。まずい。
カバンを枕に体を横たえ、少し休憩することにした。
ふう、これでぶっ倒れることはなかろう。
少しここで休んでいくか。
すると。
ものすごい勢いで回りが騒がしくなってきた。
なんだろ?急患かな?
「すけっちさんわかりますか?!」
は?
…急患はオレか!!!!!
と、びっくりしている間もなく、2~3人がストレッチャーを持ってきて「立てますか?ここに寝てください!」と言われる。
えええ大げさ?
でも、確かに横になりたい。
ふらつきながらなんとかストレッチャーに乗る。
乗り込むとすぐに、ストレッチャーを運ばれた。
さっきまで居た検査室の横のスペースだ。
四方をカーテンで閉められ、指先にパルスオキシメーターを挟まれた。
なんだ、こんな近くに休める場所あるんじゃん。
と、少しコウにムカついた。アイツに文句のひとつも言いたいな。
…が、その後コウには一切お目にかからなかった。
怒られちゃったかな?
だといいな。
いや、よくないか?
いやいや、あんな対応してたら、本当に体調がヤバイ人を見過ごすことになるからな。
医療現場の人たちは、いつも人の命と隣り合わせだ。
そう考えると、細かな見落としが命とりだなあ。
我々は、そう考えると呑気な商売で楽かもしれんな。
ま、仕事のストレスで命落としかけたけど。
なんて禅問答のように、けれどのんきに考えながら、でも体調は復活しなかった。
30分くらい経っただろうか。
様子を見に来た看護師さんに「どうですか…?」と聞かれるも、いまだ体調が戻らず。
「すけっちさん、大変申し訳ないんですが、この場所にずっと居ていただけないので…婦人科に運ばせてもらいますね」
おそらくは、この場所はおそらく寝たまま検査を受けるであろう患者さんを待たせるスペースなのだろう。
あとで想像がついたが、そのときはまったく思いつかなかった。
(だから「休めるところあるじゃん」とか思ったわけだ)
そして懐かしのストレッチャーでの旅路に出た。
わー、手術の時以来だ~。
天井が動くのを眺めながら、なつかしさに浸っていた。
そして、婦人科の一室にそのまま運ばれた。
…。
2時間近く経っても体調が戻らん。
これはマズイ。
そして、検査の時間が午後イチで、仕事との兼ね合いでそのまま病院に来たので、昼食を食べてなかった。
そりゃ体力戻るわけがない。
腹減った。
下のカフェで何か食べなきゃ。
ワタシは重い頭を持ち上げて、体育座りの体制まで持って行った。
そしてなんとか歩けそうな程度に戻った(と思われる)タイミングで、たまたま近くにいた看護師がまた声をかけてくれた。
さすがに、ここにずっといるわけにもいかない。
あとは気合いと思い切りだな、と覚悟して立ち上がり、帰る宣言をした。
てかマジ腹減った。
無事階段落ちをすることなくエスカレーターに乗って下層階へ。
会計を済ませ、病院のカフェでとりあえずクロックムッシュを頼んだ。
ブラックコーヒーが飲みたかったが、また貧血で倒れるかもしれないので、普段飲まないソイラテと共に。
……えらい目にあったわ。
と、カフェの窓から見える駐車場を眺めながらぼーっとした。
…その時点ですでに4時過ぎ。
役所行けねえじゃん。
あと数時間で夕飯だっつーのに、なにクロックムッシュとか朝飯みたいなもん食べてんだよアタシ。
と、ちょっと腹が立った。
が、くらくらしすぎて、病院にクレームをつける気力もなかった。
そして、クレームをつけることも忘れて、普通に受診を継続していた。
ワタシからこのことを蒸し返すこともなく、病院からこの件についてなんの説明もなかった。
おかげで、この件はうやむやになってしまった。
毎度の通り、ポールポジションを取るべく、朝一番に病院へむかった。
診察券を機械に通した。
出てきた紙に印字されていた番号は「1」。
やった。
とうとう診察のポールポジションを奪取したぞ。
念願のいちばーーーーーーーん!!!(©︎ハルク・ホーガン)
でも診察はいつも通りに終わったし、特段事件も事故もなく平穏な日々を送った。
すでに、検査の時のことなんぞ忘れていた。
その1番の歓喜に酔いしれて、いるわけではなかったが、ある日、急に酒がまずくなった。
ん?なんだこれ??
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
後から思えば、卵管が詰まっていたのでしょう。
でも、検査結果(検査している途中も)は「卵管のつまりもなく、異状なしですね!」と言われました。
なんであんなに痛かったのか、今でも謎です。
そして、コウちゃん(仮名)にあの後一切会えなかったのは、おそらくクレーム対応的なことだったのかもしれません。
考えてみれば、なぜクレームをつけなかったのか…本当にその時は頭が回りませんでした。
だって痛かったんだもん…。
転院するとかもまったく頭になかったので、お人よしにもほどがあるな、といまさら反省しております。
クレームはまさに、「鉄は熱いうちに打て」です。
まあ、そもそもクレームする機会がないのが一番ですが。
ちなみに、私の体質とこの迷走神経反射においては、ブラックコーヒーとすこぶる相性が悪いので、ソイラテにしました。
普段はブラックでも大丈夫なのですが、この迷走神経反射が出るとややこしいので、空腹時のブラックは避けています。
じゃあ、そこは紅茶でいいじゃん、なのですが、なぜか紅茶もモノによって胃痛を引き起こすことがあり、大好きなのですが飲めません。
これ、なんとコーヒーよりも胃痛が出る頻度が高いんです。
そして、その胃痛で迷走神経反射が起こるという悪循環。
神よ、なぜこんな体にしてくれた。と、いつも思います。
頼む。
全国の病院のカフェよ。
麦茶を出してくれ(売れるか!)。
いや、百歩譲って、ルイボスティーをデフォルトで出して欲しいです。
ホント体質って、人それぞれですよね。
みなさまもどうぞお気をつけて…。
※今回は割と真実そのままですが、どうぞ「どこの病院か?」とか聞かないでください。本当のところ、ワタシのかかりつけはとてもいい病院だったんですごめんなさい。
あと基本ワタシは痛みに強いタイプです(我慢しすぎるのがよくないのかも?)。
また、何かご自身のお体にご不安がある場合は、専門の医療機関に問い合わせることを、強くおすすめします。