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秋葉原コンセプトショップ協会がクリアしなくてはならない課題

秋葉原コンセプトショップ協会とは?

 秋葉原では所謂萌えブームの頃より一部のメイドカフェによる過剰な客引きやぼったくり、労働基準法違反。さらに近年はJKビジネス問題からコロナ禍により所謂コンカフェ、偽装カフェの問題が発生し、2022年1月現在も解決していません。

 そこで千代田区が始めたのが「AKIBA安全・安心プロジェクト」であり、そのプロジェクトを受けてできたのが「秋葉原コンセプトショップ協会」です。

※メイド喫茶・メイドカフェの定義、コンカフェの定義などは過去の記事をご確認ください。

秋葉原コンセプトショップ協会への不信感

 しかし、この秋葉原コンセプトショップ協会について、秋葉原の人たちからはいい声が聞こえてきません。なぜでしょうか?

NO1.メイドカフェめいどりーみんによる客引き

 「地域に愛され、安心・安全」…これが担保されているように多くの人は思わないためです。一例としてすでに協会に参加し、代表が副理事のめいどりーみんの客引きの様子が2021年12月20日のTBS「Nスタ」で報道されました。協会の設立は10月ですので、設立後も不適切な行動をしていたということです。

 この報道に対してめいどりーみんは抗議をしました。

  が、以前からめいどりーみんのトラブルは秋葉原にいる人達に広く知られるものでした。詳細は省きますが、コロナ禍の中でも変わらず、JKビジネス業者などもめいどりーみんの客引きをモデルにしていたのです。

 秋葉原コンセプトショップ協会の副理事はめいどりーみんの徳田泰彦氏です。協会の趣旨に反する活動を繰り返してきたお店が参加するだけではなく、指導する立場は適切と言えるのでしょうか?100歩譲ったとしてもこれまでの活動についての反省や対策を明確に表明しないと信用はされません。

繰り返される所謂コンカフェの摘発と偽装メイドカフェ例

 秋葉原ではメイドカフェと偽り営業していた無許可キャバクラ店が摘発されたというニュースが5月に駆け巡りました。

 去る5月24日、東京・秋葉原でメイドカフェに見せかけ、無許可で〝接待営業〟を続けてきた飲食店が摘発され、実質的な経営者の前田昌毅容疑者(47)と会計責任者の吉川翔悟容疑者(39)が風営法違反の疑いで逮捕された。

 これに先立って警視庁は、秋葉原での違法営業が目に余るとして、同庁生活安全特別捜査隊、少年育成課、万世橋署、三田署、麻布署、東京湾岸署で構成される共同捜査本部を設置。5月18日から強制捜査に乗り出し、千代田区外神田にある『カフェ・ラシェール』『フルール』『コスプリ』『ミルクホリック』『ロジーナ』の5店舗を摘発した。

 「これらの店舗は風俗店営業の許可を取らないまま、女性従業員が男性客に対して接待、遊興、飲食を行った疑いが持たれています。風営法での決まりを守らず午後5時から翌日早朝まで営業を続け、1本200円程度の炭酸飲料を3000円から7000円で販売していました」(捜査関係者)

 この捜査でグループの経営陣の一員、川上洋介容疑者(47)と女性店長5人も逮捕されている。

https://weekly-jitsuwa.jp/archives/21617

 この摘発を受けて、摘発された店と同じようなサービスをしていたお店が臨時の休業や他の場所での営業に切り替えました。摘発を恐れてのことです。

 そういった店が秋葉原コンセプトショップ協会に参加する可能性があります。協会の住所はAKIBA観光協議会内にありますが、その観光協議会のプロジェクト「アキバメイドオンライン」には、その系列のお店が参加しています。秋葉原コンテンツショップ協会のサイトから「アキバメイドオンライン」へのリンクが貼られていますので、どういうお店が参加しているか、確認することができます。

アキバメイドオンラインの参加店舗、1ページ目https://amonline.jp/shop/?s=1&page=1  これらの店舗が問題ある店とは限りません。

 偽装メイドカフェの摘発はその後も複数回行われています。11月に神保町のおんりーぱーちぃが摘発されています。この系列として通称ビラビラ通りでの客引きが有名な不忍カフェがあります。不忍カフェの社長が摘発されたお店の運営にも携わっていたことが確認されています。

 メイドカフェを装ったガールズバーを無許可で営業したとして、警視庁生活安全特別捜査隊と神田署は、風営法違反(無許可営業)の疑いで、東京都千代田区神田神保町の飲食店「おんりーぱーちぃ」の経営者、中島与範(とものり)容疑者(45)=同区外神田=と、在店責任者の住居不詳、弓戸比加里容疑者(31)を逮捕した。2人は容疑を認めている。

(中略)

 女性従業員の中には未成年の少女5人も含まれていた。10月上旬、店近くの路上で客引きを行っていた店員を生特隊員が発見して発覚した。

 逮捕容疑は12月2日、風俗営業の許可を受けずに、酒類を提供し女性従業員が男性客に対し接待をする飲食店を営業したとしている。

https://www.sankei.com/article/20211206-S62AXMOGXZKBHLAZ6IAB56USRE/

キャバクラ営業をしながら求人や広告はメイドカフェ

 秋葉原にある一部のお店は風営法1号の許可、すなわちキャバクラ営業を行っています。お店側がメイドカフェと主張することで、客や働きたい若い人を誤解させてしまっています。

 代表例としてあるこほりっく、Mermaid系列。Cafe&Bar Mermaidはテレビ東京『アド街っく天国』でもメイドカフェとして紹介されてしまいました。

 さらに電気街を巡回するアドトラックでも宣伝するようになりました。

 メイドカフェの歴史として、カフェと偽る偽求人に苦しめられてきました。メイドカフェに限らず、若い女性を集めるためにアルバイトとして人気のカフェと偽り、実際にはカフェではなく性風俗産業の求人だったというケースもあります、日本の有名な社会活動家もこちらの情報を参考にしています。

 6年前に発足し、虐待などで傷ついた若年女性を支える団体「コラボ」(東京)。相談者には、売春やJKビジネスなどの性暴力にさらされた人も。「カフェや観光案内のアルバイトがある」といった文句で女性を誘い込み、性的サービスに巻き込む悪質な事例が増えているという。

https://www.sankeibiz.jp/compliance/news/170208/cpb1702081902004-n1.htm

 敢えて誤認させる手法は安心・安全からはかけ離れているものです。風営法1号の許可を取っている店、キャバクラが悪いというものではありません。万世橋署の管轄内には所謂萌えブームの頃から営業しているコスプレキャバクラがあります。深夜営業せずに0時で閉店。週末になるとオープンの18時に行っても、終日満席で断れることもある人気のお店です。お客さんは安心して楽しんでいますし、その店で長年働くキャストも珍しくありません。

 堂々とカフェとは違うと営業すればいいのです。秋葉原コンセプトショップ協会の参加条件には、メイドカフェ・コンセプトカフェとはありますが、ジャンルには「ファミリー向け」「一般向け」とあります。

 2022年1月19日現在、会員一覧として掲載されているのはファミリー向けとしてめいどりーみん本店1店舗のみ。一般向けの店舗はありません。一般向けの会員に18歳以上などの利用条件があるお店を含めることができるのであれば、風営法1号の許可を取ったお店も入れることで、差別化するのもいいかと思います。

万世橋メイド系店舗連絡協議会の失敗

 万世橋メイド系店舗連絡協議会という組織がありました。2007年頃に防犯に関して警察とコスプレやメイド系の店舗との情報共有が目的で作られた組織です。設立時の記事がありました。

 6月6日に万世橋署にてメイド喫茶などのコスプレ系飲食店や店舗の経営者・店長を集めた「メイドカフェ等防犯連絡会議」が開催されました。そしてこの会議の特徴としては会議直後に各マスコミがこぞってニュースとして配信しています。しかしその記事というのが、各社によって捉え方が異なる記事。某店長によると取材なんて最初にカメラがズラっと並んだけど15分で撤収したよ、とのこと。警察発表の資料を基に想像で書いた?なお会議は15分ではなく2時間に渡っています。
 まずは各マスコミのメイド喫茶防犯会議について触れた記事のリスト。(省略・リンク先でご確認ください)

 読売新聞は、メイドカフェは性風俗を提供、寝ている客の金品を盗む店があるような書き方をしています。今回の防犯会議の目的は過剰なサービスを行う店がどれだけあって、どういうサービスを行っているか万世橋署が把握したいというのが(たとえ建前でも)あって、性風俗云々は飛躍すぎです。メイドカフェで性風俗サービスを提供している店はありません。かつてメイドカフェの流行によってメイドを使った違法性風俗店が摘発された事件はあります。このときにはメイド系のお店というよりも秋葉原の違法風俗が一斉に摘発された時期と重なります。

 読売の捏造部分をスルーしつつ、各記事の主旨をまとめると、
 1.千代田区、消防関係も出席
 2.店内利用客を狙った置引の実態紹介
 3.防犯カメラの設置(防犯対策)を求める
 4.メイドさんを狙った犯罪の実態紹介
 5.風営法に触れる店舗の把握する
 6.今後は連絡会のような組織を求める

 以上が、会議の中で出てきた話題ということが浮き出てきます。さてこれを会議に出席したメイドカフェ関係者や事実関係を調査し洗いなおすと、次のように見方が変わってきます。

1.千代田区、消防関係も出席
 お店からは保健所が不参加だったことの不満の声がありました。これから食中毒の季節で、メイドカフェの中では、メイドさん手作りの料理で保健衛生上問題のメニューが提供されたものもあり、その辺の疑問が各店でもっていたようです。

2.店内利用客を狙った置引の実態紹介
 メイドカフェでの犯罪が増えたのは事実。万世橋署発表の数値データで具体例として「寝ている客から失敬」「店員が見回りに来ない」と。メイドカフェで寝ているお客さんを見かけるのは深夜営業での出来事でなくはないですが短時間だったり、見回りしないというのはないです。むしろ常連さんの目が光ることも。さらに被害があったと仮定しても、ファミレスやファーストフードでの数値比較などがなく、メイドカフェが目立つ数値なのかは全くの不明です。

3.防犯カメラの設置(防犯対策)を求める
 お店によっては既に設置している店が少なくありません。ただ設置の強制はなく、警察からのお願いレベル。もちろん補助金などは一切なし。秋葉原の地区内で防犯カメラの設置の話は出ているので、そちらでまとめるといい問題です。

4.メイドさんを狙った犯罪の実態紹介
 この話は会議では特になかったのこと。各マスコミとも「メイド狩り」という話題が頭に残り書いたものと思われます。また一部テレビ局はいまだにメイド狩りについて知りたがっているとも。ただし店舗間でストーカー対策などのノウハウの共有が図られてきています。

5.風営法に触れる店舗の把握する
 結論から言えば万世橋署は把握できていません(ページ下のリスト参照)。今回呼んだ店の中にはメイドカフェとなんら接点のない性風俗やテレクラ系のお店が入っており、それらは通常の違法風俗の摘発の候補となる店。さらにメイドカフェの中においても、ゲームが風営法に触れるかどうかの質問に対して回答を行うことができないというお粗末な結果でした。

6.今後は連絡会のような組織を求める
 万世橋署が作るのではなく、メイドカフェ側でできないかという依頼みたいなもの。ちなみにこの会議には日本メイド協会のキャンディフルーツは出席していません。今後やってくれると助かりかも。強固な組織でなくても警察への連絡、ホットラインができていればよさそうな感じで、メイドカフェで起きる犯罪に対応してもらえるのなら、何もやましいことのないメイドカフェには歓迎。

 これらから会議という割りには内容にまとまりがないものとなってしまいました。今回の会議は、万世橋署よりもテレビ局がメイドカフェの経営者の顔を知りたい、記事ネタにしたいという噂があります。それを裏付けるものが、会議の内容の曖昧さに加えて会議の席次表。(省略・リンク先でご確認ください)

  秋葉原にメイド系のお店は約80店舗あり、そのうち40店舗が参加と記事ではあります。席次をみると掲載店舗が42店舗(1店舗は読み取れず)実際にはその半数の20店舗が出席で30人くらいの参加者のようでした。当初は万世橋署が80店舗に呼びかけて返信のあった店舗のリストかと思いましたがよくみると、出席が1店舗で十分な系列店が複数掲載されていたり、メイドカフェではない性風俗の店もあります。出席する店舗のリストではなく、参加店舗に形だけ入れた店舗をリストに中に入れ42店舗にしたのではないかと参加者の声。 形だけの店の中にはかつて問題も抱えているとネットで話題となった店舗がありもちろんのように欠席しています。万世橋署がまじめにメイドカフェの防犯のために作ったとは思えないお粗末すぎる席次表となっています。他の会議では万世橋署の生活安全課は秋葉原のメイドカフェ事情は把握していると主張し、メイドカフェは75店舗あり違法営業も把握しているそうです。

 なお、駅前のチラシ配布についての言及はなかったとのこと。

 今後の展開としては、万世橋署はメイドカフェの状況を把握しきれていないため、メイドカフェの自主的な動きに期待して、メイドカフェ側では連絡会を協力できる店舗から参加して行ない、万世橋署との連携を図るものではと、推察します。連絡会ができれば、今度はそこに対してテレビ局が取材というのも予想され、防犯のひとつにメディア対策というのも必要かと・・・

※リストとスーパーニュースなどの会議の映像を照合しても経営者の特定はできません(笑 リストに掲載されていなくても参加している店舗もあります。
(2007/06/11)

http://www.skd7.com/news/20070611bouhan.html

 チラシ配りができる場所や配布方法などのルールがこの団体によって定められてきました。

 このルールは果たして守られてきたのでしょうか?秋葉原の人たちは、その連絡協議会と秋葉原コンセプトショップ協会と何が違うのか?疑問に思っています。

千代田区長への飛び火も

 秋葉原コンセプトショップ協会に対して懐疑的な人たちは、千代田区や警察が偽装メイドカフェ、無許可キャバクラ状態の所謂コンカフェを擁護しているのではないかと不満の声を上げています。協会の目的とは真逆のはずです。

課題をクリアするために

 秋葉原コンセプトショップ協会は既に参加を表明している店舗の問題、過去の同種の団体の問題などにより、スタートからクリアしなければ課題があります。クリアするためにまずは以下の2点の対応を求めます。

  1. 優良店の定義、参加基準、検査・罰則の明確化

  2. 参加表明しない優良店の扱いの検討

  3. 継続的な情報共有、研修の実施

優良店の定義、参加基準、検査・罰則の明確化

 「AKIBA安全・安心プロジェクト」に沿った優良店の定義が必要です。チラシ配りのルールを守るのはもちろん、労働基準法など一般的な法令遵守もあるでしょう。秋葉原を訪れる人や第三者視点で客観的に評価できる基準を提示してください。

 併せて守れなかった場合のペナルティや罰則、再教育制度が必要です。協会会員の資格の停止もあるでしょう。これまでルールを平気で破ってきた企業や店舗が何もなく参加しては、安心できません。

参加表明しない優良店の扱いの検討

 秋葉原コンセプトショップ協会の目的としてメイドカフェ・コンセプトカフェの支援の側面があります。しかし、秋葉原にある全てのメイドカフェや加盟するとは限りません。既に申請を見送るというお店もあります。

 さらに協会の対象として「コンセプトカフェ」とありますが、コンセプトのあるカフェの中ではビラ配りを行うメイドカフェやコンカフェと距離を置いているお店もあります。そういう店の参加は不透明です。

  • スクエア・エニックス

  • セガ

  • アニメイト

  • パセラ

  • 刀剣乱舞2.5茶屋

  • ガンダムカフェ(1月閉店)

  • (キュアメイドカフェ) など

 これらの店もコンセプトカフェです。キュアメイドカフェに至っては日本で最初にできたメイドカフェです。秋葉原コンセプトショップ協会に入っていないから、安心・安全ではないと切ることはできません。協会への加盟は強制ではありません。協会に入っていないからダメと排除してはならないのです。

 コンプライアンス遵守が求められる上場企業が運営するカフェもあります。秋葉原コンセプトショップ協会がこういったカフェ主体で運営される形でもいいのです。

継続的な情報共有と研修の実施

 秋葉原でJKビジネスの被害が起きたり、一部の人権活動家の暴走によりメイドカフェが児童ポルノの温床というデマが国内外に流された要因として、業界内での情報共有ができていなかったことが一つの要因としてあります。

 最後の項目だけ曖昧になってしまいました。

まとめ

 基本的には秋葉原コンセプトショップ協会には期待しています。しかし、過去の問題を解決しないまま進めてしまうと目的の達成は難しいとも思っています。実際に前の団体や参加が予想されるお店はトラブルを繰り返してきてしました。

 この現実をどう捉えて方向転換できるか?コロナ禍が落ち着けばいずれインバウンドも復活していくでしょう?その時に秋葉原のメイドカフェがどう進化していくか楽しみにしています。

(2023年10月18日)
順調とは言えませんが、改善は見えています。
問題のあるグループを脱退させました。客引きで問題のあっためいどりーみんは現在ビラ配りを自粛しています。

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