オタク文化と性的搾取、藤田直哉の発言の問題を秋葉原の現場から
文芸評論家藤田直哉が『フェミニズムでは救われない男たちのための男性学』という連載コラムの中で「オタク差別」について言及していました。
コラム中には、実際に秋葉原やメイドカフェに対して行われてきた偏見やデマには触れられていません。これまで誰かが言及してことをなぞるだけで、現場を確認していない都合のよい「オタク差別」の解釈に留まっています。そのため私は以下のような投稿を行いました。
藤田直哉はオタク文化に詳しいことを売りにしてきました。またColabo問題でも朝日新聞などで寄稿しています。
普通に考えると秋葉原で起きたデマや差別も聞いてきたと思います。もし知らないのであれば、ド素人が専門家のように振る舞ってきた形にもなってしまう。そういう人を重用してしまったメディア、マスコミにも問題があると思います。
今回、藤田直哉から反応がありました。
私はこの発言にまず疑問を思いました。
藤田直哉によると、秋葉原のJKビジネスのような問題にはホスト問題含めて社会的な大騒ぎになる前から言及し批判していると主張しています。ということは知っていると解釈できるのですが…
Xの投稿を確認すると「from:naoya_fujita JKビジネス」「from:naoya_fujita ホスト」「from:naoya_fujita 性産業」「from:naoya_fujita 暴力団」「from:naoya_fujita 歌舞伎町」「from:naoya_fujita コンカフェ」などコロナ禍前から言及しているのはなし。JKビジネスに関しては今回の反応まで投稿自体0件でした。
さらに問題と思ったのがこの投稿です。
この投稿から藤田直哉の意識としては、秋葉原で起きたことはあくまで問題のごく一部なので気にしなくていいという認識を持っているのではないでしょうか?しかし、2010年代半ば、JKビジネスを巡って人権団体が騒いだことで、秋葉原の街の人たちを悪者にし、メイドカフェを犯罪の温床など誹謗中傷が国内外にばらまかれる風評加害に繋がってきました。一方でJKビジネス業者側はさしてダメージを受けずにコンカフェと名前を変えたり、歌舞伎町のホスト業者などとの繋がりを強化し、社会問題としては大きくなってしまいました。
2000年代後半の歌舞伎町と言えば、石原都政の元。浄化作戦が進み、コマ劇場が建替えのためなくなるなど大きな転換の時期だったと思います。藤田直哉が歌舞伎町でどういう仕事をしていたかは知りませんが、少なくても当時の秋葉原のメインの文化と歌舞伎町を結びつけることはできません。トー横キッズから未成年による性的搾取やホスト、メンコン問題などは2010年代後半からです。
秋葉原のメイドカフェ以外に性産業と関係のないものを性産業扱いして、反社との繋がりがあるというデマが流されて国内外のメディアが報じ、国連や米国務省などにも伝わった例を私は知りません。
藤田直哉はメイドカフェをJKビジネスのひとつだから反社との関わりがあるというデマを信じているのか、間違いを知りながら無視してきたのか分からないので、ぜひとも回答して欲しいと思います。
その上で、オタク文化に詳しく性的搾取の問題に以前から声をあげてきたと主張するのであれば、秋葉原やメイドカフェの現場で起きてきたことに真摯に向き合って欲しいと思います。
なお、連載コラムでは「オタク差別」はないという藤田直哉の論への批判も多く寄せられているようですが、浜松市のサイトにある小学5年生の話を紹介します。
最後に20周年を迎えた秋葉原のメイドカフェを立ち上げた女性の投稿を紹介します。