見出し画像

赤いきつねで炎上した広告コンサルのアニメ蔑視視点はどこから?~シリーズ「オタク文化とフェミニズム 第4回」

 一部ネットメディアで「非実在ネット炎上」のケースとして報道された赤いきつねへの攻撃について、その元となった広告コンサル中村ホールデン梨華はアニメを広告で使うことに対して、アニメ文化は男性視線という思い込みから否定的な立場であることがわかると思います。

 なぜ、アニメ文化に対して有識者らしいアカウントが平気で偏見を拡散しようとするのか?すでにヒューマンライツ・ナウ伊藤和子弁護士のnoteから同様の主張が行われていることがわかりました。

 noteに添付されている答弁書の内容からです。

女性や少女を性的に表象した二次元作品を公共広告などに登用することは、女性や少女を性的対象としてみる文化やジェンダーに基づく差別を助長し、レイプカルチャーを蔓延させ、ひいては性暴力を誘発する

 「性的に表象した」は「性欲として象徴や記号」という意味に捉えることができます。二次元で表現されたキャラクタの人格は無視して性欲の対象のみとして見る人たちが差別をしてしまう人に見えます。作品への冒涜、作者・表現者を無視…そこには女性も数多くいます。マイノリティである女性の存在を無視した主張になってしまっていると思います。女性の中でも存在を無視されてしまう…マイノリティの中でもさらにマイノリティの可能性はないでしょうか?

 「二次元」としたのは「三次元」すわちリアルの世界では性暴力と服装の相関関係はないことが広く知られているためわざわざ「二次元」という言葉を使った懸念があります。BBCやハフポスなどが報じたものです。

 これはこれで性暴力に「性的に表象」は関係ないと思います。服装関係なく被害に遭うのですから。

 公共広告に「性欲として象徴や記号」を採用する。女性の主体を無視する行為は差別という意識を持つことは可能かもしれません。ただし前提となるものが全くおかしく、そこにいる女性を無視することになるので、非常に女性に対して差別的なものに見えます。具体的に「女性や少女を性的に表象した二次元作品」とは何か?エビデンスをもって言えるのでしょうか?

 ヒューマンライツ・ナウ伊藤和子は、かつて秋葉原に事務所を構え、秋葉原に児童ポルノが溢れているなどのデマを流したことで知られる人物です。

 児童ポルノが溢れていることは証明できないばかりか、同居するぐらい親しい団体が児童買春スキャンダルを引き起こし、秋葉原から逃げ出すようにいなくなりました。

 伊藤和子の答弁書の内容の前に同様のものを確認すると東北学院大学の小宮友根の主張が見つかります。

上繰り返すポスター、CM…「性的な女性表象」の何が問題なのかより

 現代ビジネスだけでなく、東京新聞も報じました。

 「性的なメタファー」という批判、一見正しいように見えますが、性的なものを連想しようと思えば多くのものが性的と見ることができるので、乱暴なロジックです。2015年には「男根のメタファー」事件もありました。

 小宮友根の主張はそもそも間違いが多くミスリードを誘うもので、多くの人が否定しました。

 そもそも小宮友根も2010年代にアニメやオタク叩き、差別を繰り返してきた人物です。キズナアイの時には面白がって、遊び感覚で炎上させようとしたのではないか?というXのやりとりが残っています。相手に対して「茶化し」というのは自身が思っていることを相手に投影したものだと解釈できると思います。

 あたかもゲーム感覚で集団で攻撃をしかけようと動きは、所謂Colabo問題で触れる人がいました。

 実際に集団で攻撃、ゲーム的運動をしてきたのはどういう人たちなのか?集団で攻撃、ゲーム的運動の危うさを多くの人が実際のケースを見て考えることができる事例だと思います。

 伊藤和子の答弁書に戻りましょう。

女性や少女を性的に表象した二次元作品を公共広告などに登用することは、女性や少女を性的対象としてみる文化やジェンダーに基づく差別を助長し、レイプカルチャーを蔓延させ、ひいては性暴力を誘発する

 今回の赤いきつねの件では制作したスタッフや声優さんたち、女性への攻撃が誘発されています。

  アニメを広告に登用することで関わった女性を叩いていい、差別していいというロジックにすり替えられているのです。ジェンダー問題や女性差別をなくしたいと活動している人たちが目指す社会はとは真逆だと思います。

 この状況を利用して性対立を煽っているのは、フェミニストが嫌いな人たちにも見られるものです。敢えて嫌がるワードを使うケースもあるようです。そういう行為には賛同しません。

【追記】19日12:23に公開された小野美由紀のnoteから

 19日に作家小野美由紀が赤いきつねの件に関するnoteを公開しました。しかしそのnoteの中に女性の敵であるはずの風俗スカウトやパパ活誘導で知られるアカウントを好意的に取り上げてしまいました。

 多くの女性たちが広告に対して「こんな女いねぇよ」とツッコミを入れている例として2つのポストを引用しています。

 記事で引用されている投稿のアカウントのプロフはこちらです。どういうアカウントか確認はできなかったのでしょうか?多くの女性が言っているのであれば、わざわざこのアカウントを取り上げる必要はありません。

 小野美由紀と名乗るアカウントからコメントをいただいたのでこちらも追加します。こちらは「作家小野美由紀」と書きました。一般的にフェミニストと女衒が友達でも構わないと思います。ホストと仲の良い若年女性支援の活動家もいます。

 女衒を擁護しながら、オタク叩きをしてオタク界隈の女性が透明化される。女性への偏見、差別への加担をしてしまう行為には賛同できませんが。

 ネットメディアを中心に活動するライタの厳しい事情を反映しているのかもしれませんが…アテンションエコノミーや承認欲求を満たすために対立を利用するのも現場の人たちを疲弊させ、問題解決に繋がらないことは明記しておきます。

2月19日の某コンビニにて 赤いきつねが見事に品切れ

いいなと思ったら応援しよう!