市原 俊亮(CEO at Pegara, Inc.)

深層学習ライブラリを実行するための計算リソースを、従量課金で提供するサービス"…

市原 俊亮(CEO at Pegara, Inc.)

深層学習ライブラリを実行するための計算リソースを、従量課金で提供するサービス"GPU EATER"を開発。米Pegara, Inc.社の創業者です。 GPU EATER http://gpueater.com/ 趣味:ピアノ演奏・合唱、クラシック音楽、旅、読書

最近の記事

SARS-CoV-2 ワクチン開発競争(2020/4/28) - Nature誌Webより

 英国の著名科学論文誌 Natureに 2020年4月28日付で新型コロナ感染症ウイルスのワクチン開発競争に関する記事("The race for coronavirus vaccines: a graphical guide")が掲載されています。8種類のワクチン開発に関するアプローチ(デザイン)がたくさんのグラフィックを用いてわかりやすく解説されていました。  「ワクチン基礎:我々が免疫を獲得するプロセス」、「8種類のアプローチ」「アプローチの詳細」「Industry

    • エンジニア採用のための技術力判定テスト/既存社員の実力確認テスト を試したい企業いらっしゃいますか?

       先週「当社が技術者採用で使っているオンラインスキル判定テストを社内で試したい方いらっしゃいますか? 」というタイトルで記事を投稿したところ、スタートアップから大企業まで多種多様な12社が早速ご連絡くださり反響の高さにたいへん驚いています。個別にご連絡差し上げたわけでもないのでありがたい限りです。そして、8社が早速ご利用を開始くださっています。  ご連絡くださった企業の内訳は「SaaS提供事業者」と「AI系開発事業者」が丁度半分という感じです。前述の8社が利用開始前のアンケ

      • 新型コロナウイルス感染症のワクチンはいつ完成するのか?

        はじめに  現在(2020年4月19日20:00現在)新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが世界中で発生しており、そのワクチンの開発が進んでいるニュースを耳にします。このワクチンについてWHOのマーガレット・ハリス報道官は「少なくとも12ヶ月程度で実現すると予想すべきではない」と述べています。  国内外いくつものニュース記事で、ワクチンが普及するには短くとも12ヶ月〜18ヶ月はかかると繰り返し述べられております。例え今の感染の波が収束したからといって、ワクチンの普及な

        • 当社が技術者採用で使っているオンラインスキル判定テストを社内で試したい方いらっしゃいますか?

          はじめに当社は、自社プロダクト開発(GPU EATER)とDeep Learning(画像系)のプロジェクトを受託開発&共同開発しておりますので、通年でDeep Learningの高度技術者を募集しています。そして、ありがたいことに多くの技術者が関心を持ってくださり、厳密に計算したわけではありませんが毎月100名前後の応募がある状況です。 現在、自社開発のオンラインスキル判定テストを一次面談の前に実施しており、年明けの運用開始から3ヶ月程度で書類選考を通過した約60名の候補

        SARS-CoV-2 ワクチン開発競争(2020/4/28) - Nature誌Webより

          日本で暮らしたくない外国人の話

          あけましておめでとうございます。GPU EATERを開発・運営しているPegara, Inc.の市原です。今年もよろしくお願いします。 さて、皆さんは海外で暮らした経験はありますか?多くの方はそのような経験はないかもしれませんが、私は事業を立ち上げるために、米国で多くの時間を過ごしました。米国の住環境としては上位のカリフォルニア州ですが、自身の生まれ育った文化や言葉が異なる国での生活は苦労とそれなりのストレスがありました。 法律、行政、銀行、移動・交通の問題など数え切れま

          日本で暮らしたくない外国人の話

          激化するチャイナ・バッシング(中国叩き)

          米商務省がHuawei社への輸出規制が日本で報道された当日、たまたまその夜にHuaweiの方とお会いする機会があったので率直に話を伺った。色々伺う中で今回の決定は日本の産業界へも大きな影響があることに驚き、翌朝その事をTwitterへ投稿したところ、最初の投稿だけで1342のイイネ、1086のリツイート(2019年5月22日22:13現在)と反響があったので改めて関心の高さを実感する。今年は日本から8千億円もの調達を見込んでいる企業だけに、今後の動向次第では日本国内企業への影

          激化するチャイナ・バッシング(中国叩き)

          2021年 exaFLOPS時代の到来

          TOP 500 Supercomputer"TOP 500 Supercomputer" というウェブサイトがある。マニアックなサイトでスーパーコンピュータの性能をランキングした結果を公表している。現在公表されている最新のデータは昨年11月のもので、1位は米国エネルギー省の発注により作られたSummitというスーパーコンピュータで米国オークリッジ国立研究所へ設置されている。2位も米国のスーパーコンピュータでローレンス・リバモア国立研究所にあるSierraである。 3位、4位

          2021年 exaFLOPS時代の到来

          全自動衣類折り畳み機「ランドロイド」開発元破綻について思うこと

          今朝、洗濯乾燥機から取り出した洋服を畳んでていた。様々な形のものがある。靴下はひっくり返っているので逆向きに。Tシャツも裏返しのままである。2歳の子供もいるのでよだれかけも大量にある。5人家族ということもあり、たった1日分の洋服を畳むだけでも15分〜20分はどうしてもかかってしまう。 私が子供の頃は、二層式の洗濯機であり、洗濯が終わってから脱水、角ハンガーへぶら下げてからベランダへ干していた。そして、日が暮れたら取り込むといった事が当たり前であった。うっかり雨に濡れたり、干

          全自動衣類折り畳み機「ランドロイド」開発元破綻について思うこと

          2019/5/16 IPA「AI白書2019」全員参加型徹底解剖勉強会(アクティブ・ブック・ダイアログ)のお知らせ

          一昨年、「日本の資本主義の父」といわれる渋沢栄一の「論語と算盤」を読み解くための経営塾(『論語と算盤』経営塾)へ参加したことをきっかけに、人望のあついコパイロット社の創業者である定金さん、吉岡さん、最近は老舗食堂というメディアを運営するプランナーの相川さんと共に、読書会を不定期で開催してきている。「一人で読むにはちょっとヘビーだけれども、概要は知っておきたい」資料や書籍をアクティブ・ブック・ダイアログという手法を用いて把握する勉強会だ。全員で分厚い本を手分けして読み、自分が読

          2019/5/16 IPA「AI白書2019」全員参加型徹底解剖勉強会(アクティブ・ブック・ダイアログ)のお知らせ

          中国のITイベントへ参加したら、驚くほど勉強になった話 その1

          東洋のベニスと呼ばれている中国の浙江省、桐乡市(Tongxiang)にある乌镇(Wuzhen)という場所で行われた 全球工业互联网大会(英語名:Global Industrial Internet Conference、略称:GIIC)へ参加した。そのついでに、500 Kobe Acceleratorで同期の2名と会ってきた。一人は上海の企業へインターン中、もう一人はChina Acceleratorという米国の有名VC SOSV(https://sosv.com/)が主催し

          中国のITイベントへ参加したら、驚くほど勉強になった話 その1

          OSSのいいとこ取りは勘弁?

          Redis、MongoDB、Kafkaらが相次いで商用サービスを制限するライセンス変更。AWSなどクラウドベンダによる「オープンソースのいいとこ取り」に反発 https://www.publickey1.jp/blog/19/redismongodbkafkaaws.html 米オープンソース開発各社がAWSら大手クラウドベンダへ不満を募らせているようだ。自分たちの開発した誰もが無料で使えるオープンソースをクラウドで提供し莫大な収益をあげているからだという。しかし、誰もが無

          OSSのいいとこ取りは勘弁?

          米国先端技術を中国から守れ

          昨年の11月10日、米国は外資による対米投資の規制を強化した。いうまでもなく、米国安全保障の脅威となる先端技術が中国に渡らないように保護するためである。しかし、それだけではない。本来は中国から得られるはずの知財に対するライセンスフィーが払われていないことへの米国の苛立ちが背景にある。そこで、対米外国投資委員会(CFIUS)を使って規制をかけることにしたのである。 改正前までは海外企業による米国企業の買収が、国家安全保障の脅威となるかと判断し、必要とあれば買収を阻止した。昨年

          米国先端技術を中国から守れ

          シリコンバレーのスタートアップ支援プログラムへ参加中

          先々月、10月末から6週間に渡って神戸市とシリコンバレーの500 Startups(ファイブハンドレッド・スタートアップス)というベンチャーキャピタルが共同で開催している、スタートアップ企業の素早い成長を支援するプログラムへ参加しています。こうしたプログラムはアクセラレーション・プログラムと呼ばれ、今回のプログラムは500 Kobe Accelerator(ファイブハンドレッド・神戸・アクセラレーター)という名称です。 厳しい選考を突破し選ばれた約20の企業が4週間神戸へ滞

          シリコンバレーのスタートアップ支援プログラムへ参加中

          米国から見た「AI産業の中国脅威論」

          日本から見た「AI産業の中国脅威論」に関しては前回の記事で述べた通りであるが、世界の覇権を握っているアメリカから見た「AI産業における中国の脅威」は深刻である。Wiredに掲載された下記の記事は少々長文ではあるものの(おまけに英語)、米国の中国へ対する危機感の強さを伺い知るにはとても良い内容であったので、関心のある方はぜひ読んでいただきたい。 https://www.wired.com/story/ai-cold-war-china-could-doom-us-all/

          米国から見た「AI産業の中国脅威論」

          AI産業界に「中国脅威論」を持ち込むのはまだ早いのか?

          最近、米国企業Cogitai(コジタイ)社との提携を発表したギリア社清水氏へのインタビューを元に書かれている記事。読んでみると『「中国脅威論」に踊らされてはいけない、日本企業はまだまだやれることがある』という力強いメッセージが含まれているように思える。一読以上の価値があると思うので、ぜひ。 https://www.businessinsider.jp/post-177783 そうそう、清水氏と言えば、DeepLearning界隈では知らぬ人間はいないが、昨年12月のNVI

          AI産業界に「中国脅威論」を持ち込むのはまだ早いのか?

          「人工知能ブームの終焉」は本当なのか?

          2018年10月11日に米国の調査会社ガートナーの子会社ガートナー ジャパン株式会社から「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」が発表されました。内容を見てみるとモノのインターネット(IoT)が幻滅期に、人工知能が過度な期待のピーク期の終盤〜幻滅期のほんの手前まで来ています。 © 2018 Gartner, Inc. 引用:  https://www.gartner.co.jp/press/pdf/pr20181011-01.pdf このことについて最

          「人工知能ブームの終焉」は本当なのか?