スピネーションとプロネーション①
スケート靴をはく前に、ぜひ確認しておきたいことがあります。
スピネーションとプロネーションです。
このふたつを理解し対策を取っておくのと、これらを知らずに滑るのとでは、安全性においても上達の面でも、大きな差が生まれてしまいます。フィギュアスケートだけでなく他のスポーツでも重要な点だと思います。まず、ご自身の足の状態を確認され、必要な場合は対策を取っておくと良いと思います。
1,スピネーションとプロネーションとは
スピネーションとプロネーションについて、わかりやすく紹介しているスケートの書籍がありますので、この記事ではそれを参考にしながらお話を進めていきます。
上の図は、上側も下側も中央が理想的な状態、左右が注意すべき状態です。見出しの通り、左がスピネーション(過回外とも呼ばれます)、右はプロネーション(過回内とも呼ばれます)。上側の図は足を後方から、下側は足を内側から描いています。左上図ではかかとは外側へ、右上図ではかかとは内側へ傾いており、左下図はハイアーチ、右下図はローアーチ(偏平足)を描いています。スピネーションとプロネーションは、両足で同じ症状がみられることもあれば、片足がスピネーションで反対の足がプロネーションという症状もあります。専門家の中には、足の状態には左右差がある場合が多いと考える方もいらっしゃいます。
2,なぜスピネーション・プロネーションに注意すべきなのか?
上の図を引用した本の著者Marty Donnellanは、この図のようなスピネーションやプロネーションが起きていると、足の痛みや怪我、故障を引き起こしやすくなると述べています。スケートでは、スピネーションやプロネーションがあると、エッジに正しく乗ったり、正しく乗った状態を保持することが難しくなる一因になります。
3,どう対応すればよいか
足がこの状態に当てはまる場合、Marty Donnellanは
・改善のためのエクササイズを行う
・スケート靴内に症状改善のための補助具を入れる(※筆者注:おそらくインソール)
ことを勧めています。私は、
・筋膜リリースなどを行い、足のスピネーション又はプロネーションが原因で凝ってしまった筋肉をほぐすようケアする
ことも必要だと考えています。
次の記事では、スケート靴をはいた状態でどう見えるかや、Donnellan の勧めるスピネーション・プロネーション改善のエクササイズなどを見ていきたいと思います。
(※ランニングのサイトでプロネーション・スピネーションを紹介している方もいらっしゃいます。気になられた方はそちらもご確認ください。プロネーション・スピネーションに対応したランニングシューズも販売されているようです。)
【参考文献】
Donnellan, Marty. "Before you skate", Teach Someone to Roller Skate! (Even Yourself!) A Beginning Skating Course For All Ages-Quad and Inline, Marturion LLC, 2013, pp.19-21