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〈データの見方〉 〜貿易統計でオレンジの価格推移を調べてみよう〜

貿易統計という言葉を聞いたことあるでしょうか?
よくニュースで貿易統計 貿易収支で貿易赤字という内容が報道されています。この貿易収支について、さらに貿易統計について詳しく説明を書いていきます。因みに、貿易統計もe-Statのデータとして提供もされています。

まず貿易統計とは、国際的な商品取引のデータを集計・分析するもので、国家間の経済活動や貿易パターンを理解するための重要なツールで、輸出入の数量や金額、商品分類、取引相手国などの詳細な情報が含まれており、経済政策の策定や市場分析に利用されています。  
小難しい説明ですね。でもいろいろな情報が見えてくる有用な情報源なんです。

この情報を用いると分析できる内容としては、たとえば以下のような内容です。
1. 相場分析
2. マーケットリサーチ
3. 経済トレンドの分析
4. 競合分析
5. 政策立案
6. 国際ビジネスの意思決定

これらの中で、今回は私が購買業務で主に使用している 1. 相場分析 について説明させていただきます。

貿易統計とは?

すでに説明していますが、貿易統計とは国際的な輸出入のデータを集計したものです。主に、ある国の経済活動や貿易パターンを理解するために使用されます。具体的には、どのような商品がどの国と取引されているか、どのくらいの金額で取引されているかなどの情報が含まれます。
日本の財務省貿易統計の見方や使い方について説明をさせていただきます。

具体的な使用方法

1. データの入手方法

貿易統計のウェブサイトから入手できますが、なかなかこのサイト、どこに何があるのかわかりにくい。具体的なデータの入手方法をご説明します。

今回は輸入品の数年間の価格推移表の作成をすることを想定して説明します。
まずは、オレンジの過去5年間の輸入価格推移を調べる場合です。
ステップとしては以下の流れとなります。

①トップページ 右隣の “貿易統計検索ページ” を選択

② “1.普通貿易統計について”を選択

③ ”統計品別推移表”を選択  

④条件を設定して、検索を選択。
今回の条件は以下の内容とします。
輸入、月別推移表、2019〜2024年、全国分、世界、
品目コード指定、”080510000”

⑤データの確認とCSVダウンロードを選択

このステップで目的のデータが入手できてしまいます。
それぞれ調べる内容によって、他の方法もあり、分析軸を変えることで様々な情報が見えてきます。

2 品目コードについて

今回 品目コード指定では オレンジの品目コードである”080510000”を入れていますが、これは統計番号とも言われる9桁のコードで、6桁の国際標準HSコードと3桁の国内細分コードからなる分類番号です。また、6桁のHSコードは、類(上位2桁)、項(続く2桁)、号(最後の2桁)からなる国際標準コードです。

今回のオレンジでいうと、6桁+3桁で分かれ、以下の内容となります。
HSコード
080510 : 類08 項05 号10
国内細分コード
000        

品目コード表の調べ方の説明をします。
輸入品の調査をする場合の説明ですので、輸入統計品目表 ですの説明ですが、輸出品の場合は、輸出統計品目表 を選択してください。

①右側 各種コード 輸入統計品目表 を選択

②1番上の実行関税率表 を選択

③分類ごとに分かれているため該当する 類 の税率 を選択

④品名の内容で、該当する品名を確認し、統計番号を確認

どのHSコードが該当するのかは、輸出入の書類上に記載はありますので、そちらからの確認もできます。

3 データの分析

“1 データの入手方法”で入手したデータを用いて分析を行います。
CSVデータですので、エクセルなどで自由に加工可能です。
簡単なグラフですが、以下のようなものを作成できます。

注意点としては、金額が全て千円 の表記となっているので、計算次に気をつけてください。

3 活用方法

活用方法としては、各輸入品の価格推移とレンジを指標として購買業務で妥当性を確認していますが、値上げのための資料として活用されてもいるため、中小企業の値上げ用の資料にも有用です。

まとめ

貿易統計は、ビジネスの戦略を立てる際の重要なツールです。
この貿易統計は一見わかりにくいかもしれませんが、慣れるとさまざまな情報が見えてきます。うまく活用して、有用な情報収集の1つのツールとしていただければと思います。

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