核融合関係の読んだ記事まとめ 2023年4-6月
はじめに
細々とやってるツイッター(これ)が案外続いて、始めて6ヵ月が過ぎた。今のところ特に目的もないし、相変わらず核融合関連の新しい記事探しとメモ帳みたいな使い方をしてるけど、知り合いや同業者のほかに、最近は核融合に興味をもった人とか学生さんが少し集まってきた。オープンな場でやってるので、他の研究者の迷惑にならないよう、実は適当な人だということがばれないように今後も言葉少なにやっていく所存ではあるが、気軽に話しかけてほしい。
今回は、2023年4-6月の3ヵ月に読んだ記事を改めて紹介する。6月の前半は少し忙しくてだいぶさぼったので、多少偏りはあるかも。下線がひかれてる部分は記事のリンク付き。今回も詳しくない人にはわかりにくい部分が多いかもしれないけど、次は頑張るから今回は許してほしい。
1番大きかったニュース
Helion Energy社:2028年予定の核融合発電所からの電力をマイクロソフトが購入
ヘリオンエナジー社が、2028年予定の核融合発電所からの電力をマイクロソフトが購入することに合意したというニュース。相当強気。
以下、別の記事から。ヘリオンエナジー社の第7世代Polarisが来年稼働、目標2億度で、発電を実証する。DTではなく、ヘリウム3を使う予定。2028年の発電所は50MW以上の発電を目指している。すごいけど、なんでこんなに強気なのかちょっと不思議。日本語の記事もある。良い記事。
内情を知らないので予想だけど、少なくともQ=1超えには成功するんじゃないかな。電源効率とか繰り返しパルスとかの課題はその先だと思う。 強気なのが不思議で、2028年に成功が確定してるなら2024年の装置は不要のはず。発電のための法整備が完了するまでできる限り不確定要素を排除するため?いずれにせよ5年後が非常に楽しみ。この記事に対するリアクションは様々だったが、批判的なコメントより好意的なコメントが多かったように思う。
個人的には今までで最大のニュースに思ったけど、業界全体に対するインパクトという意味では前回のレーザー核融合のQ>1の方がおそらく大きかった。
国の方針に関する話題
日本:内閣府の核融合戦略が正式決定
昨年度から議論されていた内閣府の核融合戦略の話が正式決定したという記事。「実用化を加速できるようにする」「研究開発の加速により、」の様に使われる「加速」という日本語が、「予算を投じて規模を拡大させる」という意味なのか「頑張りましょう」という意味なのか。日本語って難しい。
研究を加速させるって語感はいいけど、「研究を加速させる」には人を増やすにせよ組織や施設やツールを増やすにせよ、「研究費を増やす」っていう意味のはずなんだよな。毎年予算が減らされながら研究を加速とか言われるとただただムチでたたかれてるような気持になる。今回のこの話はまだ具体的には何も始まってないので、今後の展開に期待。
日本:核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会
まだ始まったばかりで、情報共有の段階。おそらくこれは昨年度やってた内閣府の核融合戦略で言ってた令和5年度から検討を始めるという「独創的な新興技術の支援強化」なのかな。前回長々と語ったけど、期待したい。
(余談だけど、検討会の委員人事に関してツイッターで炎上してた。)
それから、こっちの記事ではプラズマを制御するAIについても言及されていて、AIの研究者も参加するらしい。小型化(など、とはあるが)の文脈で急にAI出てくるの不思議というか、そもそもそんなに前面に出すほどAI活躍するのか、個人的にはとても疑問に思った。関連して、AIが活躍した具体例についてTCVトカマクにおける応用例を教えてもらった。今まで試したことが無かった「水滴型」のプラズマ形成ができたらしいけど、これはすごい。でも不思議な感じもする。手持ちのリソース以上の実験の提案もしてくれるのかな。
話がそれちゃったけど、まだ初回が終わったところなので、今後に期待。
米国:核融合の規制を核分裂炉の規制ではなく、粒子加速器の規制を適用
この日は多くの人がこの話題のツイートしていた。アメリカの原子力規制委員会は核融合の研究開発の規制と核分裂(原発)の規制とは分けて、新たな枠組みを作成する、という話。新興勢力の誘致を獲得するためか、各国新しい規制の枠組み作りを急いでいる感じがする。
米国エネルギー省:核融合マイルストーン型官民パートナーシッププログラムの第1回受賞の8社を発表
これは企業が各マイルストーンを達成した時に資金を受け取るシステムで、失敗して無駄になったり持ち逃げされたりしないから賢い方式。以下、受賞したいくつかの団体を紹介する。
Commonwealth Fusion Systems社視点の記事。CFSに対する資金は500-2500万ドルの間と言われている。初めの18か月のマイルストーンはSPARCの磁石の製造とテスト、CFSの最初の商用核融合発電所の設計と技術ロードマップの開発など。
Princeton Stellarators社視点の記事。最初の18か月で4600万ドル、期間は最大5年。こっちには具体的なマイルストーンの内容は書いてなかった。
Zap Energy社の記事。500万ドルらしいけど、それ以外のことは載ってなかった。受賞して嬉しそうなのは何か伝わってきた。
米国行政活動検査院(GAO):核融合技術評価書を報告
52ページ。この評価では、核融合の利点・課題、課題解決に役立つ可能性のある政策オプションについてまとめられている。個人的な感想だけど、調査と方針に関する検討のクオリティが驚くほど高い。20数人の専門家(大学教授・研究所や企業のトップ)を3日間集中的にリモート会議でヒアリングしたらしい。メンバー載ってたけど、すごいのも納得。提言のポイントは「現状の努力を継続する」「政府主導と民間主導の調整」「共有資産(施設や人材)の構築」「意思決定に国民を参加させる」など。
研究の必要性についてかなり具体的で適切な認識がされてるように思う。楽観的でも悲観的でもなく。「シミュレーションの検証をするための実験データが不足している。」←すごい。 工学に関してもまだ深刻な課題があるということを認識しててすごい。misalignmentってたびたび出てくるけど、現状と理想のずれ、ぐらいの訳になるのかな。かっこいい。 公的機関では基礎科学が優先されるが、核融合エネルギー開発では技術や工学の研究にも重点を置く必要がある。他には、規制の不確実性。
もう全部日本語訳してもらっちゃおう?
EU:核融合エネルギーを推進するための世界的な動きに関する報告
上のアメリカの政府機関が核融合に関する調査報告書と同様の、EUでまとめられた報告。これも本当にすごい。113ページもあって全部は読めてないけど。P50の表なんか印刷して部屋に飾りたい。
日本が実施したこういう報告書を見たことないけど、あるのかな。もう全部日本語訳してもらっちゃおう?
米国核融合産業協会(FIA)の報告書
今回の報告書の内容は以下。核融合企業は2022年サプライチェーンに5億ドル以上かけたが、発電所までには70億ドル以上、成熟期には数兆ドルに達すると予想。しかしサプライヤーの動きは消極的。ニーズに先駆けて規模を拡大するのはリスクと考えられている。
何を言っているかというと、核融合の装置や機器は今後需要が拡大するが、一方で、受注する側は将来の需要増に備えて規模拡大するかというと、まだ動きは鈍い、という話。受注側は注文来たら作るよって姿勢なのは現段階では仕方ない(あたり前な)気はする。将来的には今の10倍、いや1000倍発注するから、今のうちから準備しといた方がいいんじゃないの?って間違ってはいないかもしれないけどちょっと無茶な気もする。 サプライヤーは資金をかけずに準備してるのかも。
この報告を紹介した日本語の記事、タイトルは「核融合発電所は70億ドル必要、米協会が報告書」なんだけど、「核融合発電所は70億ドル必要」なんて全然書いてなかったし、これだと「炉が70億ドル」とか「70億ドル出せば実現する」とか誤解する人出そう。ここで70億ドル以上とか数兆ドルとかって大きい数字はネガティブな意味じゃなくて、核融合目指して企業や研究所や大学はこのぐらいの勢いで買い物するから、核融合産業はこれから盛り上がるよ!参入してね!っていうサプライチェーンにアピールする数字だろう。
余談だけど、個人的にFIAのまとめはいつも非常に楽しみにしているし、実を言うとFIAのツイッターアカウントが話題にする記事はちゃんとしたのが多くてとても助かってる。
プロジェクト・装置・ベンチャー企業に関する話題
ITER:スケジュールや予算に関するまとめ記事
ITERのスケジュールとか予算に対する厳しめのまとめ。アメリカで情報公開法に基づく訴訟とかも起こして調べたみたい。具体的なトラブルも紹介してて「液体ヘリウムの熱シールド」「放射線遮蔽」「溶接工」とかの話は知らなかった。ただ、批判したいだけの記事では全然なかった。真空容器とブランケットの問題が大きいそうな感じがした。それにしても本当に大変そう。外部委託業者のミスでスケジュールに遅れが出たとして、そんな巨額の損害払えるの・・?怖くて調べられないので、忘れることにした。
QST:JT-60SA統合試験運転の再開について
60SA、ファーストプラズマ今年秋・・!もうすぐ!
Hrs Fusion LLC社、GA DIII-D:壁の抵抗とディスラプション
私の理解が正しければ、これを読むと大型トカマクのディスラプションのリスクはもうほぼ回避可能のように見える。ITERでのサーマルクエンチの時間スケールは70-100msくらいのオーダーになるらしい。だいぶゆっくり。
ドイツMax-Planck:ASDEX-U、ダイバータ熱負荷を軽減
ASDEX-Uで、ダイバータ近傍の窒素の量を調整することで紫外線として熱を散らして(X点放射)、ダイバータ熱負荷を軽減することに成功。ELMの対策にもなるらしい。もしかしてこれすごいのでは?コンパクトなプロジェクトにとってとてもいい話な気が。PRL論文はここ。
中国合肥:EAST、Hモードで403秒の新記録を達成
中国のトカマク装置EASTで、Hモードで403秒の新記録を達成したという記事。加熱はECHとLHWで4MW弱。最後は加熱が切れたのかな?書いてない。ダイバータ温度は600度弱でさちってるようにも見える。ずっと前にNature論文で見た記録は60秒だった。
記事の最後に、CFETRが2035年までにできるって書いてあった。ITERより大きい装置がこの時間スケールで完成しちゃうのはすごい。本当にできるのかな?ほんとにできたら早すぎて怖いな。日本は2050年ごろだけど、2050年ごろはどうなってるのかな。
タイ国家原子力技術研究所:トカマク装置TT-1が稼働
中国から移送されたタイのトカマク装置TT-1が稼働するっていう記事。やっぱり人材育成とかいろんな観点で、装置があるのは大事だと思う。知り合いも頑張ってるので今度話聞いてみよ。
イギリスUKAEAと韓国KFE:ロボット工学に関する共同研究
英国原子力庁(UKAEA)と韓国核融合エネルギー研究所(KFE)(どちらも国の機関)が、核融合炉のメンテナンス等のためのロボット工学に関する共同研究するという記事。UKAEAは2014年の開設以来、極限環境におけるロボット利用の研究開発をしていたそう。
Zap Energy社:ZピンチのQの定義について(論文)
Zap Energy社の新しい論文。主に彼らのZピンチのQの定義と、それを導出するために必要な計測とかが書いてあった。一般にQは出力エネルギー/入力エネルギーだけど、どう定義するか・どんな計測でどう計算するかによって上下する。半年前のレーザー核融合でQ>1が出た時に相当大きなニュースになった(私も反響に驚いた)ので、彼らとしては今のうちにさらっと出しておくことで、将来Q>1のニュースを出したときにQの定義論争になるのを回避する狙いがあったのかなって勝手に想像した。
Helical Fusion社:8億円の資金調達
続報に期待。成功してほしい。それから、ヘリカルフュージョン社の戦略に関する論文が出てた。オープンアクセスなので興味のある方はぜひ。
TAE Technologies社:初の商業炉をイギリスに建設する可能性
TAE Technologies社の将来展望に関する記事なんだけど、TAEが初の商業炉をイギリスに建設する可能性があるらしい(知らなかった)。おそらく2030年代後半。West Midlands州。そのような可能性を模索していること自体は本当みたいだが、実際のところかなり未定。実際次の装置できてないのにその次の装置の話するのはかなり難しい。けど、準備はしなきゃいけない。業界全体的にそうなんだけど、全然確定してないもののために走り出さなきゃいけない状況ばかりでかなりしんどいと思う。
Tokamak Energy社:商用プラントST-E1のイメージ写真
Tokamak Energy社が2030年代初頭に建設する500MWの商用プラントST-E1のイメージ写真を公開。ここも比較的強気な宣伝をしているイメージがある。思うに、先進的な配位の中でもSTはトカマクだから未知の困難に直面するリスクは比較的低い気がする。イメージ図の炉はよく見たらだいぶ小さい。 この規模で商業炉を名乗れるの、ほんとに脅威だと思う(いいプロジェクトだなって意味)。前に炉が3つとか4つ並んでる絵を見た気がするけど、核融合炉のメンテナンス時の停止期間を考えると、そういう絵になるのが合理的なのはよくわかる。ITERクラスの炉をいくつも並べたら大変なことになるな。
話は変わるが、これはここのある先生のインタビュー記事。楽しそう。
Avalanche energy社:$40M(50億円)の資金調達
Avalanche energy社、$40M(50億円)の資金調達。デスクトップサイズの小型核融合炉を目指すことで研究開発のコストを抑え短期間に試験を繰り返し調整や修正が行える。鍵は高電圧と高密度。やろうとしてることは理にはかなってるし、夢はある。ただ、相当難しい挑戦。
小型の炉で挑戦してるところ他にもあるけど、そこも高密度って言ってた。ある程度の出力を稼ぐためには高密度は必須なのかも。でもただでさえ小さいほど体積のわりに表面積が大きくて放射冷却で温度が上がらないわけで、やっぱり私は高効率の中型で攻めるのが筋がいいとは思う。
他にも記事あった。楽しそう。
京都フュージョニアリング:担う役割に関する論文
京都フュージョニアリング社に関する記事かと思ったら、論文だった。おもしろかった。まとまっててオープンアクセスなので、興味のある方はぜひ。こちらは、京都フュージョニアリング社が英国原子力公社(UKAEA)と共同研究契約を結んで、炭化ケイ素(SiC)複合材を使用したブランケットの開発をするという記事。よく知らない分野なので、すごいなぁしか言えないけど、うまくいくといいな。
Neo Fusion社:中国のEVメーカーNIOが5億500万元(約200億円)を出資
元記事消えちゃってたのでリンク無し。Neo Fusion社の資本登録金990億円は、おそらく核融合スタートアップ企業でトップ5になるんじゃないかな?でも何やってるのか見えないな。この額で中身何もわからないってすごい。中国スゴイ。
Proxima Fusion社
記事というよりWebサイトだけど。どういう経緯で調べたのか忘れたけどせっかく読んだので紹介。ドイツのMax Planckからのスピンオフ。W7-Xの流れで、売りはQI Stellarator、HTS、シミュレーションみたい。 社名のProximaは恒星のProxima?かっこいい名前の社名。Stellaratorもけっこう多いな。
日本の核融合ベンチャーの解説記事
いろいろと説明があった。ヘリカルフュージョン社は2027実験炉、2034核融合発電って書いてあるけど本当かな?2040年代前半って記載を前に見た気がする。いずれにせよ続報がとても楽しみ。
MIT:核融合プラズマのシミュレーションのための量子コンピュータの活用について
核融合プラズマのシミュレーションを量子コンピュータで行うために必要な操作に関して紹介しているMITの記事。まだまだ実用化は遠いんだろうけど、量子コンピュータってどこまで話が進んでるんだろう。プラズマのシミュレーションは最新のスパコンでもまだまだ全然足りないので、量子コンピュータが使えるのは夢があるなぁ。楽しみ。
ITER Japan:核融合の記事まとめ、ITER:核融合の記事まとめ
これは素晴らしい、便利!と最初は思ったが、結局使いこなせていない。
その他
科学の先生(Science teacher)向けの核融合とトカマクの解説
先生向けならもう少しだけ難しい話を入れてもいい気もするけど、どうなんだろう、本当に加減がわからない・・。
核融合シナリオの経済性の検討
2036-2050年の米国の送電網の電力モデルを使って核融合炉ができたと仮定したときのシナリオを検討。安全性や廃棄物に関する問題はないものの、初期費用が高く、信頼性は高いが高価な電力になる。という内容。そもそも、まだ経済性で勝負する段階じゃないと思う。
投資に関係する話
「投資家が核融合とクリーンエネルギーの未来のカギを握っている」という投資に関係する記事。有名な企業や個人の投資が注目されがちだけど、年金基金や保険会社、政府系ファンドなどの従来型の投資家が参入しているとのこと。投資家向けの大規模な説明会もあったみたい。あんまり詳しくないから意外だったんだけど、温暖化防止とか脱炭素とかのカテゴリで注目されてる気がする。想像だけど、脱炭素の分野への投資規模って大きいんじゃないかな。
投資の専門家から投資家への情報提供みたいな話
超富裕層は利益(リターン)も大事だけど、インパクトも重視する。脱炭素に貢献、世界の公平な経済成長のための電力確保に貢献。金持ちじゃないから何言ってるんだか全然わからん。よくわからないけど超富裕層も大変だなぁ。ところで20年前くらいはエネルギー問題と言えばエネルギー資源の枯渇問題だったんだけど、今は脱炭素が最重要課題って感じなんだね。
シアトルは核融合開発競争の最前線
シアトルは核融合開発競争の最前線!という記事。特に中身は無いけど、シアトルに注目してるところがちょっとおもしろい。知らなかったけど、Helion Energy社とZap Energy社ってすごい近所にあるのね。あとAvalanche Energy社と、General Fusion社もまあまあ近い。
米国エネルギー省が指摘する核融合の5つの課題
米国エネルギー省が指摘する核融合の5つの課題。1.壁材、2.トリチウム増殖、3.排気システム、4.効率的なレーザー、5.レーザー繰り返し 3を読んでるところまでは良記事だと思ってたけど、結局何の話をしてるのかわからなかった。
ステラレータの宣伝?記事
先日のType One Energy社が$2.9M(約38億円)の資金調達のニュースを受け、ステラレータの時代が来た、という主張を紹介した記事。と思いきや中盤からEUの気候変動に関する脱炭素に関する話してて、つかみどころのない記事という印象。。私の理解力が足りないのかな。
ステラレータの宣伝記事(こっちは良記事)
ステラレータの歴史や新しいプロジェクトを紹介した記事。かなり初期の話から丁寧に紹介していて、続くのはやはりW7-Xの話、それからPrinceton stellarators社・Type One Energy社の紹介という流れ。ステラレータにわくわくしてる感じがいい。トカマクと違って電流を流す必要が無く、ディスラプションも無いというのを強みに置いたこのストーリーで、日本が長年取り組んできたヘリオトロンプロジェクトが一切出てこないのはいつも残念に思う。確かにステラレータとヘリカル(ヘリオトロン)は明確に違う。けど、日本以外ではあまりヘリカルとは呼んでもらえてなくて、LHDもわりと外ではステラレータって呼ばれてる。個人的には肩身が狭い。逆に、日本人でステラレータのことをヘリカルって呼ぶ人がごくまれにいるが、それは無茶だと思う。いずれにせよ詳しくない人からしたら混乱するだけだよね。
核融合燃料の比較解説記事
核融合の燃料の候補と考えられる4種について、エネルギー収支に着目して解説しているブログの記事。結論としてはどう考えてもDT以外ない、みたいな感じでまとまってる。自然科学の事実を積み上げていってわかりやすい図で表現されているので、読み手は納得しやすい。が、これは熱平衡が前提の話なので、そらそうだし、ミスリーディングだと思う。あんまり良くないと思った。
おわりに
長い!多い!無理!終わり!
前回の記事まとめはこちら:核融合関係の読んだ記事まとめ 2023年1-3月
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