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普通の経営改革とDXという経営改革の違いを四則演算で説明する

私が起業した、KADOKAWA Connectedの哲学である、「最大公約数」を発明するというキーワードから、DXの本質を紐解くために、DX(D: Digital思考とDigital技術で、X: 現場からTOPまでEnd To Endの視野で経営改革をする)という難しそうな仕事を、小学生でもわかる四則演算で考えてみる。
KADOKAWA Connectedの哲学
これを読むと、多くの人は、
「自分達の仕事まずくないか」
「連携の合理化必須じゃないか」
と感じるようになると思います。
さて、はじめましょう。

お題

47という仕事があります。あなたはどのように、仕事をまとめますか?
これは、最大公約数(=サービスや仕事)として分割するセンスを問う質問です。

前提条件

1つの塊(今は47)は今時点オーバヘッドがほぼゼロであるため、47の仕事をすると47のアウトプットがでる。
1つの塊は、陳腐化し47の仕事をしても2年後にアウトプットが20、3年後には10になる。
1つの塊を分割した場合、分割をした塊が連携をする際に0.2のオーバヘッドがかかる。
1に分割をすると、陳腐化はしない。
2Pizza規模で分割をした塊のアウトプットの減少は年10%

パターン 3年間のアウトプットのシミュレーション

47の仕事が3年後陳腐化しない場合は141であるが、変化が早く大きい今、それはありえないため、下記の3つのパターンを検討する。

① 47をひとつの塊の仕事として続ける。1年目47、2年目20、3年目10 3年間で77→ ▲64、こうなってはいけない。
②1×47 として仕事を分割する。(1ー0.2)「20%減なので」×47チームor人×3年=112.8 → ▲28.2 オーバヘッドが重いのでこのようにはあまりしない。
③10×4+(3+4)として仕事を標準化されたチームに分割する。10に分割した仕事は1年目10、2年目9、3年目、8.1と陳腐化。(10+9+8.1)「10に分割をしたタスク3年分」-0.2-0.2-0.2)「20%減を3年分」×4チーム+(4ー0.2+3ー0.2)「それぞれ20%減」×3年=103.52 → ▲13.6。 陳腐化とオーバヘッドの両方が重しになる。

①の陳腐化のスピードがもっと遅いと、①、②、③ではあまり変わらないように見える。しかし、①は陳腐化が加速した後のリカバリが相当きびしくなるため、全てを①を選択するということはあり得ない選択である。今の日本企業が組織という箱に丸投げをして改革をするのは、概ね①の形になりやすい。

どうしたらよいのだろう?

・分割をした際の陳腐化させないPDCAを年次や半期で行う。
・分割した仕事が連携するオーバヘッドを最小限にする。

これが今までの経営改革と、DXが異なる本質である。
つまり、PDCAをアジャイルに行う投資が3年で陳腐化対応をするというマイナスを超える、これができるかということと、連携オーバヘッド最小限にする投資が、ここでいうオーバヘッドを超えることができるか、そこが肝となる。ただの経営改革は「X」のみであり、DXという経営改革は、「D」Digital技術を適切に活用し、「X」という改革をする。まさに文字通り。

さて、上記2点が良くなり、陳腐化ゼロ、連携オーバヘッド10%とすると
②47×0.9×3年=126.9 → ▲14.1 オーバヘッドが軽くなるがきつい
③(10-0.1)×3年×4チーム+(4ー0.1+3ー0.1)×3年=139.2 → ▲1.8。

②か③がいいじゃないという話になるが、陳腐化ゼロ、連携オバーヘッドを10%に下げる投資と実現することが難しい。

解決策

・まず、47のまま分割せず属人化していたほうが陳腐化をしないタイプの仕事をしっかり残す。
・PDCAをアジャイルにまわすための、仕組み(人事制度含む)とコミュニケーション&コラボレーション基盤があること。そのような文化が根付き、アジャイルに行うコストがゼロに近づくこと。
・連携オーバヘッドが最小限となるコミュニケーション&コラボレーション基盤があること。AIやBIで自動化できる所は任せて、人間らしいコミュニケーション&コラボレーションに人は注力する。
ザックリ上記で計算をすると、10%位の投資をすることにより、3年というスパンであっても、ROIが正当化できそうである。
つまり、DXとは、この10%のDX投資のようなことを言うのであろう。
※②28.2→14.1 差分14.1 ③13.6→1.8 差分11.8

もちろん他にも、社内の仕事をDIY的にお客様にやっていただく(ネットビジネスの多くはそう)ことによって、自分でやりたい顧客にとっても楽になり、仕事が減る事業者としてもHappyになることや、データドリブンによって、このような設計を適切に行えるようにするなど、異なる論点は多数あるが、原理原則はこのあたりにある。

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