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ぐずること

もっとテレビを見ていたかったのに消されたとき。ご飯に嫌いなおかずが入っていたとき。おもちゃを買ってもらえなかったとき。はたまた、お昼寝せずに過ごして夜疲れたとき。
子どもが小さいうちは、何かとぐずぐずすること、ありますよね。

要は思いどおりにいかないことに対して気分を損ねるわけですが、この「ぐずること」は親を困らせるなかなかに大変なことでもあります。

一見、わがままにもとれるこの「ぐずり」、子どもの中では果たして何が起きているのでしょうか。

大人だって、疲れれば「はぁー」と言いたくもなるし、イライラすれば怒りたくもなります。眠くなれば、人の話が耳に入らなくなったり。であれば子どもにも、同じことが起きているのではないかな?と思います。

そして、子どものうちはその振れ幅が大きい。ちょっとした事で感情が膨れ上がり、抑えられなくなってしまう。それが「ぐずり」という形になって現れるのかな、と。

個人差はあれども、自然と成長するにつれて自分の気持ちに少しずつ折り合いがつけられるようになるので。感情の波が訪れた時でもセーブできるようになり、そうして少しずつ「ぐずること」は収まっていく。だから、この「くずり」は感情をセーブする術を身につけていくために通る道、とも言えるかと思います。

3歳の娘は未だに一日のうちに何度かぐずるタイミングがあります。赤ちゃんの頃からそれはよくぐずっていた娘ですが、ある程度コミュニケーションがとれるようになった今、娘も「ぐずること」について語ってくれるようになりました。

「ねぇ、ぐずぐずさんが止まらないよ、どうして?!」
「またグズグズさんが始まった、どうやったら止まるの??」

と。
この言葉を聞いた時、娘も好きでグズグズしているのではない、と気づかされました。

私たち大人もそうですが、好きで怒ったり、嫌な思いをしたり、不機嫌になるわけではない。感情が抑えられないから、結果的にそうなってしまう。本当はそうなりたくなんてないのに。

だから、娘も困っている、そう思うと少し見方が変わるようになりました。ただわがままにしているわけではない(そうは言っても、グズグズされるとこちらのシンドイのは確かですが)。

ぐずりは子ども自身では簡単に止められない。周りの人が止めるきっかけを作ってあげる必要があると、そう思います。大人だってそうですよね。夫婦喧嘩していて、もう終わりにしたいのに、険悪な感じが続いてしまう。そんなときに、何でもいい。何かきっかけが、終息してまたやり直せる。だから、何かの「きっかけ」を与えてあげられれば良い、と思います。

そしてそれは、その人のやり方次第。
ちなみにうちでは、グズグズしたら抱っこしてあげるようにしています。「あー、グズグズ始まったな…」と思いつつ、少し経ったところで「抱っこしようか」と声かけして、抱っこする。あとは、抱っこしながら家を出て、少し外の空気に晒してあげて。そうすると、自然と落ち着いてくるようです。

抱っこでもいい。場所を変えるでもいい。おやつの時間にする。テレビを見て気持ちを切り替える。何でも良いと思います。できれば、スキンシップを伴うことで、安心させてあげられるとより良いかな?と思いますが、親だって人間。そんな余裕のない時だってあると思うので。むしろ、子育てしていれば、なかなか余裕なんて生まれませんしね。

ただそうして子どものぐずりに振り回されつつも真摯に向き合うことで、子ども自身が少しずつぐずりを克服する力を身につけてくれるといいな、と思います。

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