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息子とレアル・マドリード
15の夏、僕は義務教育を休んで韓国にいた
今から22年前、そう2002年W杯があった年。
僕は、「ある選手」がどうしても見たくて、韓国でアパレルを経営する叔父へ相談した。
当時、どっぷりサッカー少年だった僕は、WOWOWやBSを駆使して海外サッカーを追いかけていた。僕のプレースタイルはさておき、この時のアイドルは1998年W杯で一気にファンになったフランス代表・ジダン選手。
この日韓W杯イヤーのチャンピオンズリーグを「伝説のボレー」で優勝したことも重なり、なんとしてでもこのW杯で見たかったのだ。
(この時から思いつけばすぐ行動する癖はあったのかもしれない。笑)
そして、この時に所属したチームこそ「レアル・マドリード」であった。
もう1名のアイドルだったブラジル代表・ロナウド選手をはじめ、まさに銀河系軍団全盛期だったあの頃。青春と海外サッカーはレアルと共に過ごした。
(スパイクもその影響でプレデターシリーズを履いていた。今のモデルは細くて履けないけど。笑)
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なんとかチケットが確保でき、僕は義務教育を休んで弾丸1泊2日で韓国へ向かうことになる。しかし、このW杯直前にジダンは怪我を負い、招集されるかかなり怪しい状況だったがなんとかメンバー入りしたが、出場するかしないかはわからない状況だった。
予選第3戦となったデンマーク戦。前回王者のフランスはまさかの1分1敗で迎えることになり、予選通過には勝利が絶対条件となった。
ジダンは、スターティングメンバーに名を連ねた。
僕はもっている(笑)。
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この写真の通り、テーピングぐるぐる巻きの彼は本来の力を出せるコンディションではなく、デンマークにも敗れ衝撃の前回王者予選敗退が決まった。
それでも、あの日の「衝撃」は忘れることができない。
憧れの選手を同じ空間に立つことができたのだから。
世代をまたいで叶う夢。
僕は結果的にはプロにもなれず、当然ながらレアル・マドリードとの関係はいちファンとして見ることしかなかった。
親になり、長男が4歳からサッカーを始めることになったわけだが、
5年目となる今夏、僕の目にこんな情報が入った。
「レアル・マドリードのキャンプが日本で開催。福井・三重・埼玉で実施」
川平慈英ばりの「ムムッ!!!!」状態。
長男に思わず「行きたい?」と問いかけると即答だったので、エントリーすることにした。ま、このレベルでは厳しいとわかっていたがこれも経験だろうということで家族会議をして決定することになる。
8月1日〜3日の3日間、福井で開催されたキャンプへ参加。
初日、2日目は緊張か旅行気分かわからないけど、全然だった。
2日目にがっつり気合い直し、迎えた3日目にちょっと覚醒。笑
もしかしたら、、、があるかもなーと思いながら3日間が終了。
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迎えた8月12日、イベントぶっ通しウィーク(女子カップ戦、THESPORTS小野対応、男女バスケカップ戦、花火、ドッコイセこども大会)の最終日の帰り道にふと開いたメール。
「FRM SPAIN STAGE 2024 優秀選手選出通知」
涙腺が崩壊した。
体も限界だった最後の最後に、この通知の破壊力は半端なかった。
この日、息子がレアル・マドリードとスペインで繋がることが決まった。
僕は今日、息子のおかげでレアル・マドリードへ
そして、今日スペインへ飛び立つことになる。
正直、仕事の状況からしたら行っている暇は1ミリもない。笑
だけど、海外に行くたびに僕の人生は大きく動いてきた。
15歳(韓国)
18歳(イギリス)
22歳(イギリス・イタリア)
28歳(イギリス・ドイツ・オランダ・アメリカ・カナダ)
毎回海外での経験が、人生にとって大きな影響を及ぼしている。
この数年、ずっとアウトプットし続けたきた人生だったからこそ、このタイミングで訪れた海外への機会を逃す訳にはいかなかった。
この機会をくれたのは、紛れもなく息子になる。
ここまで辞めずに、「好きこそものの上手なれ」を体現し続けてきてくれた長男に感謝だ。君のおかげで、親父の夢が叶う。ありがとう。
そして、家を空けて守ってくれる家族に感謝し、大事な時期に行かせてくれることを認めてくれた会社感謝し、この1週間を最高のものにしていきたい。
では、いってきます。
2024.11.4