小林 聡

大阪在住の自称「物流系行政書士」が、物流業務(倉庫)歴30年の中で経験した失敗を語ります。 どうぞ笑ってやってください! 事務所ホームページはこちらから:https://satoshi-office.com

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マガジン

  • 物流道

    私の経験をもとに物流業務のあれこれを随時アップしていきます。 物流が大好きなあなたに送ります。

最近の記事

自動倉庫の功罪について

最新型自動倉庫の設置 30年ほど前の話になりますが、機能の違う三つの物流センターを統合し新たな物流センターを立ち上げるという経験をしました。統合前の三つのセンターはそれぞれ「メーカー物流」「量販店向けの卸物流」「小売物流」で、それぞれ別々の場所にあり、「メーカー物流」と「量販店向け卸物流」はアウトソーシングしていました。 会社としては3センターを統合することにより物流機能の効率化をはかり又、アウトソーシングにより外部に流出している資金を抑制する狙いがあったと思われます。  

    • 物流センター立ち上げ時の失敗から学んだこと

      物流センターの立ち上げ時や移転時はかなりの確率でセンター業務が混乱し、物の流れが滞留してしまいます。 私は過去に5度、センターの立ち上げ・移転を経験して来ました。 振り返るとそのいずれもが失敗だったと思います。自分なりにその失敗の要因を分析した結果、下の三つの要因に要約できると考えるようになりました。   1)      人的要因 新センター立ち上げ時はもちろん、センターを遠方に移転する時は既存の作業員(主戦力のパートさん)の多くは退職することになります。社員なら転勤すること

      • 摘み取り方式か?種まき方式か?(考)

        店別仕分け:出荷指示のあった商品を店舗別(発送先別)に仕分けすること。   店別仕分けの作業には大きく分けて二種類の方法があります。 一つは摘み取り方式と言われる方法で、SKU別に集めて来た商品を 作業場に並べて置いて、店別の出荷明細を見ながら1店舗ずつそ こからピッングピックしていく方法で、もう一つはSKU別に集め て来た商品を振り分け表(店別配分表)を見ながら該当店舗のカゴ に入れていく方法で種まき方式と言われています。   どちらの方法も最終的には店別仕分けが完成します

        • 手段であるはずの「作業効率のデーター取り」が目的化してしまっていた頃のこと

          先述の通り、倉庫内作業の効率アップは倉庫業者にとっては死活問題であり、非常に重要な関心事となります。それは、作業効率が会社の業績に大きくかかわってくるからです。   ★★〇月〇日の本社会議室での部門長会議にて★★ 本社重役A:「B君!わが社の業績ダウンは物流費の高騰に原因があると思       う。早急に改善してくれたまえ!」 物流部門の長B:「わかりました。早速業務の見直し、改善を行い物流費の         削減に取り組みます!(汗)」 本社重役A:「本当か?では、

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        • 物流道
          7本

        記事

          倉庫整理に費やす時間とピッキングの所用時間は果たしてトレードオフの関係か?について考えていた頃のこと

          倉庫業者にとって自社の倉庫での作業効率は、利益獲得のための大きな指標の一つです。   倉庫内の作業を大きく分類すると ①   荷受け ②   入荷検品 ③   棚入れ(格納) ④   ピッキング ⑤   出荷検品 ⑥   梱包  ⑦   発送 となります。   作業効率の算出方法は  ①   作業量/作業時間 ②   作業量/作業コスト のどちらかが一般的です。 ①   は現場力を表し②は経営判断の資料となります。 30代後半の頃、私は作業効率ということに興味を持つように

          倉庫整理に費やす時間とピッキングの所用時間は果たしてトレードオフの関係か?について考えていた頃のこと

          指示書に支配されるな!指示書を支配しろ!ということを学んだ件

          現場リーダーたる者、その作業はどのような手順で行うべきかを考え、その手順で作業を行わせるために最適な指示書を出せ! 倉庫内の作業は当然、作業指示書の通りに正確に行わなければなりません。指示書と違った作業を行うと、誤出荷や在庫差異を引き起こす原因となります。 誤出荷や在庫差異は物流倉庫においてはあってはならない事故です。特に誤出荷の頻発は荷主の信用を失い、時には取引問題にまで発展します。 なので、倉庫業者においては誤出荷事故が発生した時は、即座に原因究明と再発防止策を徹底し

          指示書に支配されるな!指示書を支配しろ!ということを学んだ件

          出発点 遥かなる物流の道へ

          私が40年前に就職した会社は卸の営業会社で、物流部門は分社化されていました。そう、物流子会社というやつです。私は10年間営業職だったのですがその後その物流子会社に出向となりました。希望の職種ではなかったし、その時代は物流部門への配属は左遷感で満ちていました。   「小林君、これ間違えて入ってたでえ」 「あっ、すみません。気を付けます」 私は商品を入れるべきカゴを間違えて隣のカゴに入れていた。 配分ミスと呼ばれる作業ミスだった。 その先輩は私を怒るのではなく又、叱るのでもな

          出発点 遥かなる物流の道へ

          物流の社会的機能について

          物流の社会的機能は大きく分けて二つの機能に分類されます。 一つは物を移動する機能、いわゆる輸送です。 二つ目は物を保管しておく機能、いわゆる在庫です。 これら二つの機能はいずれも生産と消費のあいだにあるギャップを埋めるための機能であると言えます。 輸送は、例えば福井で生産された物が大阪で消費されるといったケースですで機能します。 保管は、例えば昨年生産された物が今年消費されるといったケースで必要となってきます。 これは生産と消費の間にある二つのギャップを物流という

          物流の社会的機能について