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呼吸器ナースが教える誰でもわかる!呼吸の仕組み vol.4

ナース丸です。

新年度を迎えるにあたり、準備に追われ更新が遅れてしまいました。

また忙しくなる時期だな~と思いながらも、新人看護師さんを迎え入れるのにワクワクしている自分もいます。

やっぱり教えるのが好きですし、教えるにあたり自分の知識もブラッシュアップされていく実感があるので楽しいです。

さて、今日は呼吸筋について書こうと思います。

呼吸リハに関して言えば専門である理学療法士さんがいるので、僕は看護師として管理する上で必要な事を書こうと思います。(なんとなく語弊を招きそうな言い方ですが…)

呼吸筋とは

前回の記事にも書きましたが、肺胞を膨張させたり収縮させたりするためには胸郭と横隔膜の運動により胸腔内圧が変化しないといけません。

ですから呼吸運動は呼吸筋によって行われます。

呼吸は安静に行う時と、苦しい時と大きく分けて2パターンあります。

前者を安静時呼吸、後者を努力呼吸と言います。

呼吸補助筋とは努力呼吸時に使われる呼吸筋で、安静呼吸時に使う呼吸筋を助ける形で働く筋肉になります。

安静時呼吸と努力呼吸時の呼吸筋

①安静呼吸時

安静吸気時の呼吸筋は約8割横隔膜の収縮により行われ、残りは外肋間筋の収縮が関与します。安静呼気時に関与する呼吸筋は無く横隔膜と外肋間筋の弛緩によって受動的に行われます。

②深呼吸時、努力呼吸時

深呼吸するときや呼吸状態が悪くなってきた時には、横隔膜と外肋間筋の他に呼吸補助筋が吸気を助けます。

呼吸補助筋はたくさんあって正直看護師さんが覚えるには相当な呼吸オタクでなければ手を出さないでしょう。(笑)

一応書いていくと、

深呼吸時または努力呼吸時:胸鎖乳突筋、斜角筋、肋骨挙筋、大胸筋、小胸筋、僧帽筋、内肋間筋、腹横筋、、腹直筋、内・外腹斜筋、広背筋など

リハビリさんには怒られそうですが、正直「覚えられます?」って言いたくなる気持ちわかってください。(笑)

覚えられる範囲でチャレンジしてみてください。(笑)

呼吸筋のアセスメント

こんなに偉そうなタイトルに出来るほどアセスメント出来ている自信はありませんが…

僕が呼吸筋のアセスメントをするときは首→肩→胸郭→横隔膜といったよう上から順に看ていくようにしています。

なぜ首から看ていくのかというと、個人的には以下のポイントになります。

・人工呼吸器から離脱した患者さんなどは首回りの筋肉が固くなるため。

・パッと見ただけで呼吸補助筋(特に胸鎖乳突筋)を使っているかわかるため。

・COPD患者さんなどは胸鎖乳突筋などの補助筋が発達しているので、緊急入院時などのファーストコンタクト時に評価しやすいため。

人工呼吸器の使用が長期化しそうな患者さんなどは、呼吸筋疲労という点を考えなくてはいけません。

横隔膜が吸気の8割を占めていると書きました。横隔膜が疲労と炎症、低栄養などにより筋破壊が進行すると非常に厳しい状態になっていきます。

当たり前ですが、その患者さんが呼吸運動をする上で現状どこの筋肉を使っているのかを理解しなくてはなりません。

ある程度症例数を稼ぐと見るコツは掴めてきます。

僕は呼吸筋に関しては少なくとも首回り、肩、内・外肋間筋、は意識的に見るようにしています。

なんせ評価しやすいし、最低限そこを押さえておけば重症化は予測・評価できる気がするから。

逆にその辺の評価をした上で、指圧でリラクゼーションしたり、離床を促したりしながら専門であるリハビリさんにパスできると、切れ目のない呼吸リハになるのではないかと思っています。

正直今回の記事、もしリハビリさん方が読んでいたらと思うとめちゃくちゃ怖いです。(笑)

呼吸筋の評価、呼吸リハに関して言えばもっともっともーーーっと深い話であるので簡単に語れずnoteにするのも難しいんです。

看護師とリハビリさんがタッグを組むと重症肺炎などの呼吸状態に勝ち切る事が出来るんです。

僕はそんな体験をたくさんしてきたので、少しでもその大切さが世の看護師さんに広まれば良いと思い書きました。

最後めちゃくちゃ置きに行った感が否めませんがお許しください。(笑)

では。

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