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塗料ひと瓶ずつ ジャーマングレーの巻

はじめに

「塗料ひと瓶ずつ」という記事を書いていこうと思います。私がよく使う塗料を1色、こう使ってるよっていう話を具体例を挙げながら進めていきます。今回は、GSIクレオス Mr.カラー40番ジャーマングレー。

これは「第二次世界大戦時のドイツの戦車用」の色なんですが、その目的に使うにはそのままではかなり暗いです。逆にそれを逆手にとって、私はほとんどの模型で黒の代わりに使っています。

比較的に多く使う色で、年に4~6本くらい買っています。

なぜ黒の代わりに使うのかというのをおおざっぱに言うと、本当の黒より少しだけ明るい色を使うことで、模型が大きく見えるんですね(スケールエフェクトの一面です)。で、このジャーマングレーは暗さが好みなので頻繁に使っています。

以下は具体例です。よかったら試してみてください。

例1 本体色として

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第二次大戦時の英国系の戦闘機には下面が半分黒く塗られたものがありますが、その部分をジャーマングレーで塗装した例です。

本物はもちろん黒色なんですが、大きな面積が黒で塗ってあったらうんざりするので・・・。そんなわけでジャーマングレー。

例2 部分色として

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1/72のF-4EJ改ですが、鼻先をジャーマングレーで塗装したものです。

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実物と同様に映り込みが起きるように、水性クリアーを筆塗りで重ねてありますよ。クリアーを混ぜるより、このほうがツヤが出しやすいです。

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こちらは1/72のトムキャット。ノーズ上面の黒い部分にジャーマングレーを塗りました。

例3 透け防止

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1/48のスピットファイアですが、キャノピー枠を塗装するとき、本体色だけでは透けてしまうことが多いため、先に筆塗りでジャーマングレーを塗っています。

上から本体色を筆塗りするんですが、塗り残しでジャーマングレーが少し見えてしまってもあまり気にならないのが利点です。

ここに黒を使うと、上から本体色を塗ったときに下地が溶けて滲んだときの影響が強くて、本体色を重ねていっても望みの色になりづらいです(マスキングしてエアブラシで塗る人にはあんまり関係ないかも)。

例4 金属色の下地として

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1/48のシャーマンの履帯部分です。ここは組み付けた後で金属色を塗装するんですが、先にランナーの段階でジャーマングレーを吹き付けてあります。程よく暗い色なので、後で奥まったところに塗り残しがあっても気になりません。

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1/48のスピットファイアですが、この排気管はまずジャーマングレーでベタ塗りしてから、Mr.メタルカラーの真鍮色とMr.カラーの赤褐色をポンポンと塗りました。

例5 金属色の代わりとして

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1/35のコンテナです。発売当時はあれだけ話題になって売り切れたりしたのにあんまり作った人を見かけない不思議なキット。

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ハゲチョロ表現にはいろんな方法がありますが、このときはメラミンスポンジにジャーマングレーをつけて凸部分などにポンポンしたりこすりつけたりしています。

トラックの荷台の上面とか鉄棒がそうなんですが、鉄でできたものの塗装が剥がれて錆びたあと、こすれて黒くなった部分はそんなにギラギラしていないので、ジャーマングレーを使うのが結構丁度いいと思うのです。

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こういう黒い部分は赤く錆びたところとセットになることが多いので、レッドブラウンと合わせて使うことが多いです。この1/24サニートラックの荷台などは、上面はジャーマングレー多め、側面はレッドブラウン多めでポンポンしてあります。

例6 黒革

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1/12のストリートライダーさんです。ジャケットと靴にジャーマングレーを吹きました。ジャケットは半ツヤ、靴は光沢で仕上げて質感を変えてあります。

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夕日が当たるといい感じ。

あと、ここではやっていませんが靴などはクリアーレッドを重ねたりしてもいいかも。

おわりに

「黒を塗るな」とまでは言うつもりはないんですけど、特に縮尺が小さいプラモデルで黒の代わりに塗るのはおすすめですよ、という話でした。


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