諸見志津子

東京生まれ。沖縄在住40年。古民家住み。猫飼い。生き物好き。高齢ゲーマー。 小さい出版社の代表。たまに文章を書いたり絵を描いたりして恥をかいています。 結婚後13年目に奇跡的に授かった息子(25歳)が音楽で食べていきたいというので応援するという道楽にお金を浪費して貧乏ぐらし。

諸見志津子

東京生まれ。沖縄在住40年。古民家住み。猫飼い。生き物好き。高齢ゲーマー。 小さい出版社の代表。たまに文章を書いたり絵を描いたりして恥をかいています。 結婚後13年目に奇跡的に授かった息子(25歳)が音楽で食べていきたいというので応援するという道楽にお金を浪費して貧乏ぐらし。

最近の記事

チコと鮫

                        記憶のカケラ#001 私が初めて映画館で観た映画は『チコと鮫』。 父に連れられて観にいったという、うっすらとした記憶。 覚えているのは、どこかの島が舞台で、肌の浅黒い半裸の少年が鮫と一緒に海の中を自在に泳ぎまわる場面。記憶を探ると、モンスーンか何かで、強風が吹きつける海辺のヤシの木の光景も。(後付け記憶かもしれない) どんな映画だったのか気になっていて、ネットが普及して間もないころに検索してみた時には見つからなかったが、最近

    • ふくふく童話大賞受賞作品「さようならラム」

      さようならラム    ラムが死んだ。十六歳だからネコとしては長生きよ、とお母さんが泣きながら言った。ラムはぼくよりずっと年上で、ぼくが生まれてからうちにはいつもラムがいた。  ペット葬儀屋さんの車でラムが行ってしまうのを、お父さんとお母さんとぼくの三人で見送った。ぼくは苦しくなるぐらい泣いた。お母さんも泣いていた。お父さんもちょっと泣いていた。夜も泣きながら眠った。夢でもいいからラムに会いたいと思った。  次の次の日、学校へ行くと、ラムのことはあんまり思い出さなかった

      • 第37回家の光童話賞佳作入選作品「おとまりの夜」

        ****昨年応募した作品が第37回家の光童話賞(一社家の光協会主催)の佳作に選ばれました。佳作は誌上に掲載されないので、主催者様の許可をいただきこちらに掲載します。*** おとまりの夜  みいちゃんはきょうはじめて、ひとりでおばあちゃんのいえにおとまりします。  おばあちゃんは、山の中の、木でできたふるいおうちにひとりですんでいます。  ひるま、みいちゃんは、おうちのまわりでバッタやチョウチョをつかまえたり、おばあちゃんといっしょにはたけでやさいをしゅうかくしたり、ちかく

        • 書きたいことを書いていく

          もうすぐ62回目の誕生日。 あと何年生きられるんだろう。 誰だっていつかは死ぬよね。 先輩の女性が、友人のお葬式前に言っていた。 「長生きすると、悲しい事が増えていく」 ほんとそれ。 楽しい事だってあるけど、悲しい事が帳消しになるわけじゃない。 悲しい事が消えてなくなるわけじゃない。 悲しみって消えないもんね。 いつかは見て懐かしむ時がくるかもって、 昔の落書きとか、 旅先で買い物した包装紙とか、 チケットの半券とか、 ペットの抜け毛とか、 捨てずにとっておいたものだけど