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「Not腐葉土、Butお茶」

 毎年、5月の中旬あたりに、製茶屋さんの製茶機械稼働限界ギリギリの期日に、ウチのお茶の製茶を近所のおちゃやさん(=製茶業)に頼んで、製茶してもらう。これが年に一度だけ収穫して、ちょっとだけ販売する「ウチのお茶」。ワークショップスタイルというか、手摘みや茶刈りハサミをやってみたいよ、お茶とおひるごはんのエクスチェンジで手伝ったるよ、という方といっしょに収穫して、製茶屋さんにもっていく。「ウチのお茶実験室」というネーミング。県外からも来てもらうので、2020年のコロナの移動制限のときには、こりゃ今年はむりかなあ、と思ったけども、奇跡的に収穫できて、「ウチのお茶2020【mirakuru】」という名前をつけて販売。未来がくるよ、というオモイを込めたが、それから、感染症拡大の未来が来ちゃった。
 その翌年、2021年もまた、コロナでワサワサしていて、しかも当初のコロナではなく変異株がー、という感じになった。一応、ワークショップの期日は仮に設定してみたけど、コロナというより、その日は結構雨。一日雨。
 収穫に来てくださるみなさん、お仕事の合間に手伝いに来てくださるのだから、雨天順延とはいかない、ワタシも同じこと。なので、ワークショップは中止し、雨の合間をぬうように手摘みだして、おくどさんの蒸し器で蒸して、ちょっとだけ揉んで、その後、ハソリで炒るようにして乾燥した。

 まったくもって、ウチのお茶実験室であるなあ、と言いながら、やってみて、乾燥してしばらくして飲んでみたら、香ばしいというか、いいかんじ。お茶をよく飲まれている方にも出したら、おいしい、ということ。で、そのまま、ときどきちょっと出して飲んだけど、しまっておいた。
 2023年になって、おべんとうをみんなで食べるときに、たまにはこういうお茶もどうかな、と思って出してきて淹れてみたら。淹れるといっても、温度が何度で、何分間で、みたいなことではなく、家でお茶入れるときと同じで、どびんに、腐葉土かしらというようなお茶の葉をいれて、ティファールもどきでわかしたお湯を、けっこう熱いうちにいれて、こんなもんやろ、とう感じで出してみた。

 たら、お弁当をたべてみえるおひとりが、「桜の香りがする!」とおっしゃるの。で、他の人ものまれて、「あ、するする!」みたいな雰囲気になったので、ワタシもあわてて、自分用のをのんでみたら、桜の香りがした。
 そもそも、おちゃやさんで製茶する「ウチのお茶」は前から、桜の香りがする、ということなんですよ。桜の木の下に茶畑があるから、どっかもらってくるんでしょう。桜の葉がいっぱい落ちるから、茶畑に。
 とはいえ、ほーんのり、という感じだったけど、この腐葉土みたいなお茶は、けっこうはっきりしてる。
 「ウチの釜炒り茶」と言いたいところだけど、プロの釜炒りの方法をみていたら、ぜんぜんやり方ちがったし見た目もちがった。
 でも、やっぱり、「ウチの釜炒り茶」にはかわりない。


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