覚醒の話3 不調の時-楽しむ所は窮通に非ざるなり-
人生には、好調の時と不調の時があります。
好調の時にはあまり考えなかったことでも、不調の時には考えることがあり、好調の時には気がつかなかったことでも、不調の時には気がつくことがあります。
好調の時には傲慢だったことが、不調の時には謙虚になることがあり、好調の時には味わえなかったことが、不調の時には味わえることがある。
不調の時はエネルギーが内向している時。
だから吸収・蓄積・充電の時。
こういう時には、こういう時なりの心得があるのだと思います。
善い本を読み知識を増やして、見識を広くしたり、動画で様々な情報を得たり、目に見えぬ内面の宝物を増やしていくことに喜びを見つけていったり。
ドイツの詩人・シラーも言っています。
「人は幸運の時には偉大に見えるかもしれないが 真に向上するのは不運の時である」
こう考えると、辛いけれども、不調の時の方が良い時期に思えるようにもなります。
不調の時の心の持ち方と過ごし方が、来たるべき好調の時の明暗を分ける鍵になるように思われます。
また、『荘子』の中にはこんな言葉があります。
「古の道を得る者は、窮するも亦(また)楽しみ、通ずるも亦楽しむ。楽しむ所は窮通に非ざるなり」
要するに、好調であろうが不調であろうが、関係なく、毎日をその人なりに楽しんでいく。
決して悲観したり、落ち込んだりしないで過ごすことが肝要ということです。