覚醒の話6 浅きから深きへ、低きから高きへ-空海の言葉-
北大路欣也さん主演の『空海』という映画を以前に見たことがあります。
その中で、空海が、最後のほうで語る言葉がとても印象的でした。
「~浅きから深きへ 低きから高きへ~」
というものです。
確か、空海がその最期に際し、弟子たちに語りかけた言葉だったと記憶しています。
人が修行を経て、悟りを上げていくまでの段階を簡潔に説明する一場面でした。
悟りとは幾重にも層を成していて徐々に高めていくもの。
実際の空海が、本当にそう言ったかどうかは知らないが、そのような意味のことは言ったのだろうと想像されます。
別段、不思議な内容でもないことで、当たり前といえば当たり前の話しだが、とても深い内容だと私は思いました。
自分の仕事や習い事、才能などにも通じる真理であると思う。
初めは浅くても、だんだん奥深い所へ入っていく。
初めは低くても、だんだん気高い所へ昇っていく。
写真でも文章でも、書でも絵画でも、ギターでもピアノでも、何でもおよそ道というべきものは、これが真実だろうと思うのです。
寒河正親氏の言葉にも次のようなものがあります。
「下手は上手の下地なり。下手よりだんだん上手になるなり」