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部活動の今と未来

仙台でdiddyworksというスポーツテックの会社をやっている三浦です。
会社でdiddyMagという会社としてのアウトプットを始めまして、メンバーが様々な分野で投稿しているので覗いてみて下さい!
今回は自分も関心のある分野について書いてみたいと思います。

個人的にスポーツ業界の中でもスポーツ教育の領域にすごく課題感を感じていて、日本の部活動について調べたので、部活動の今までと今後どうなっていくのか考えてる事を書いてみます。

部活動の成り立ち

まずそもそもの部活動の成り立ちについて
日本の学校教育に部活動が取り入れられたのは、明治維新前後に軍事訓練としての「体操」が欧米から移入されたことに始まり、明治前半期に高等教育で運動部活動が誕生し、大正・昭和初期に中等教育まで普及しました。
その後、東京オリンピック(1964年)などが大きく影響し、学校教育での運動部活動の拡大が進んでいきました。

その後部活動は日本のスポーツ教育の中で大きな役割を担い、学校教育の枠の中で競技・スポーツとしての活動場所として成長してきました。
その中で、本来の教育的な目的と競技的な目的が混在し、指導者に求められる指導が専門家・高度化していき課題が顕在化していきました。

顕在化した部活動の課題

課題①部活動による教師への負担
数年前から「ブラック部活」のような言葉を聞くようになりましたが、1970年代にはすでに教師の部活への関わりが大きな負担であると問題になっていました。課題が顕在化してから50年くらいたっています。

2000年代前後には膨れ上がる部活動を教師だけで支えるのが困難だと外部化を進めましたが、中々外部への移行は進まず多くの部活動は学内に残ったままとなっています。

平成28年の調査では、全国の中学校で運動部の活動に外部指導者を活用した割合は74%にも達しているが、運動部の数に占める外部指導者の割合は中学で25%、高校で11%にすぎませんでした。

課題②指導力不足

課題2つ目が、指導力不足です。
2014年に調査した結果、中学校の運動部で担当する競技を学校体育以外では経験が無いと答えた指導者が46%にも達していました。

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※ 学校運動部活動指導者の実態に関する調査報告書から引用

近年スポーツ指導は高度化しており、海外では同じ年齢で同じスポーツを行っても同じメニューで練習することはほとんどありません。
一人ひとりの体力や技術力に合わせた個別の練習メニューを行うのが一般的となっています。

そのような専門的な指導を今後教師の方が担っていく事は現実的ではなく、専門的な指導は専門家に任せ、先生も本来の生徒に向き合う活動にフォーカスしてく事が生徒にとっても先生にとっても良い形なのだと思います。

課題への取り組み

上記のような課題解決に向けてスポーツ庁も積極的に動いています。

学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について
こちら資料には今後部活動を地域の活動として学校の外へ出していく方針について書かれています。
一部抜粋

部活動は、学校教育の一環として行われる活動であるが、必ずしも教師が担う必要のないものであることを踏まえ、休日に教科指導を行わないことと同様に、休日に教師が部活動の指導に携わる必要がない環境を構築すべきである。
一方で、休日の部活動に対する生徒の希望に応えるため、休日において部活動を地域の活動として実施できる環境を整えることが重要である。部活動に代わり、生徒が自主的にスポーツ・文化活動に取り組み、体力や技能の向上を目指す活動機会を保障する観点から、教師の勤務を要する日(平日)において学校の活動として行われる部活動(学校部活動)と教師の勤務を要しない日(休日)において地域の活動として行われる部活動(地域部活動)との連携を図りながら、地方自治体等において、地域部活動の実施のために必要な取組を行うことが求められる。

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この部活動を地域へ移行する動きの中で、以下のような動きも出てきています。
地域主体の部活で検討会議 教員負担減、課も創設―スポーツ庁

部活動を地域へ移行していく流れの中で、まずは令和5年に土日の部活動を先生以外の指導者が担うことが決まりました。
この取り組みが形骸化せずに必ず部活動改革の一歩となるように官民一体となって取り組む必要があるなと思っています。

部活動には選択肢が必要不可欠

このように、日本の部活には多くの課題が残っていて、50年以上残り続けたこの課題はそう簡単に解決できる課題では無く、仕組みやスポーツ教育に対するマインドなど一朝一夕で変えることができない問題にもチャレンジしていく事が必要になります。

スポーツ教育の課題は日本のスポーツ業界の根幹に関わる事であり、スポーツの未来そのものです。
今後のスポーツ教育(部活動)の在るべき姿として、産まれた場所や家庭環境に左右される事無く、楽しく運動したい人、競技として勝利や成長を目指す人、近くに指導者がいない人など、あらゆる子供の環境や気持ちに添える選択肢を作り、生徒にとってもコーチにとっても可能性が最大化される場所になるべきだと思っていますし、自分自身もこの課題に対して全力で尽力していきたいと思っています。


今回は現状の部活動の課題と部活動の今後向かっていく方向性について書いてみました。

次回はこのような社会的な課題に対して民間企業として、そしてテクノロジー企業として何ができるか、どのように向き合うか考えている事を書いてみたいなと思っています。

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