内なる静寂とともに生きる

静寂は強さである。

静寂の中に内なる自然が存在し、静寂の内なる自然に還るとき、人は静かな喜びに包まれる。

人類の長い歴史の中で、人は日常に静寂を感じ取って生きていたに違いない。

静寂に畏怖の念を抱くとともに、静寂と一つになれる喜びを感じて生きていたことだろう。

しかし、現代はそんな静寂を忘れてしまったかのように、至る所で音で溢れかえっている。

静寂を掻き消すかのように、絶え間なく音が鳴り響いている。

だからだろうか、我々は喧騒に急き立てられ世話しなく生きるようになっている。

静寂を見失った我々は、還るべき家を失くし彷徨うように、日々、安堵感を抱くことができずに不安定さの中で生きている。

人は内なる静寂に気づくとき、自分を癒すことができる。

自然世界が静寂とともに成長していくように、我々も自身に潜む静寂に触れることで自助作用を働かせることができる。

静寂には、評価も承認も存在しない。

静寂は、存在そのものを丸ごと包み込む。

静寂は、知らぬ間に身に纏った様々な鎧を放下させ、我々をただただ存在そのもの還らせる。

静寂が、肩書も性別も年齢も目的も欲求もすべての思いを削ぎ落し、ただ存在だけの心地よさに還らせる。

静寂の中にある心地よさに還れば、誰でも自分を癒すことができるようになる。

静寂に包まれ、その穏やかな世界に触れれば、根源から放たれるエネルギーを補うことができるだろう。

静寂に包まれ、その奥の潜む「空」に触れれば、この自分を一新させることができるようになる。

静寂の奥にある「空」に還えれば、新たな「色」を生み出せる。

人は静寂に触れないと枯渇していく。

だからこそ、人には十分な睡眠が必要となる。

睡眠で静寂に触れることで、自分自身を回復できる。

十分な睡眠をとれば、本来の自分に戻ることができるようになる。

静寂の心地よさを知り、静寂を意図して感じて生きるとき、我々は高い波動を保って生きていける。

人が静寂の神髄を知ることができたなら、たとえ喧噪の中にあっても自らの静寂を呼び戻すことができるようになり、自身を保って生きていけるようになる。

静寂という内なる自然に浸り寛ぐことができれば、喧騒と距離をおき生きていけるようになるだろう。

喧騒の中で、その波動に合わせてしまえば自分を見失うことになる。

しかし、喧噪の中にあってなお内なる静けさに気づけば、すぐに自分を取り戻すことができる。

喧騒は常に外側に存在する。

しかし、自分の内側には静寂の途轍もない偉大さが存在する。

「空」が持つ、期待感のある愛がそこにある。

この宇宙を生み出した、静かな海がそこにある。

静寂がもたらす愛に触れるとき、我を忘れすべてとひとつになれる。

人が、内なる静寂を思い出すとき、魂の故郷に還ることができるだろう。

静寂に潜む強さは、愛のように柔らかく温かい。