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第11号:「奇跡の脳」から「奇跡の起こし方」を学ぶ

タイトルに「奇跡」とついている本を読み「奇跡」を学ぶという記事を書いています。

今回も、前回に続いて、ジル・ボルト・テイラーさんという女性の脳外科医の方が書いた「奇跡の脳」という本を読み解きながら、「奇跡」とは何なのかを探っていきたいと思います。

新潮社

この「奇跡の脳」の内容を説明すると、脳の専門家であるテイラーさん自身に脳卒中が起こってしまったために、左脳の機能が極度に低下し、その結果、右脳が表現するワンネスの世界を垣間見たり、左脳が持つ理知的な働きをあらためて知るというものです。

また、脳外科医という専門家の視点で、自身の脳が回復していく様子を、客観的に書かれているため、論理的で読み応えのある本といっていいでしょう。


これまで、5回にわたって、「奇跡の脳」という本を題材にして記事を書いてきましたが、今回で最終回になります。

そこで第6回目となる今回のテーマは、「奇跡の脳」から「奇跡の起こし方を学ぶ」です。

「世界を変えたいのなら、わたしたちが変わらなくては」
このガンジーの言葉は的を得ていると思います。右脳の意識は、わたしたちが人類のために次の大きな飛躍をすることを強く望み、この惑星を、私たちが憧れているような平和で慈愛に満ちた場所に進化させるために、私たちが右脳マインドに踏み入ることを期待しているのです。

この引用は「奇跡の脳」の最後のページに書かれているものです。

私たちは、これまで西洋的な左脳意識の強い思考性の中で生きてきました。しかし、これからは右脳的な意識をもっと使うようにして、右と左の二つの脳をバランスよく使いながら生きていく必要があるといっていいでしょう。

私は、今回「奇跡の脳」という本に向き合ったことで、右脳の素晴らしさを十分理解することができました。

おそらく、この本の著者であるテイラーさん、右脳の素晴らしさを訴えることで、現代の左脳重視になりがちな考え方を平均化させたかったのでしょう。

そして、一人でも多くの人が右脳の「ワンネスの意識」を軸に左脳の論理性を使っていけるようになれば、人の生き方を変えることができ、さらにはこの世界のあり方も変えられると考えていたのかもしれません。

右脳のマインドには、現在の瞬間以外の時間は存在しません。そしてそれぞれの瞬間が彩られています。生や死も、今この瞬間に起きています。歓びの体験も、そして、私たちを包む大いなる存在との結びつきを知り、実感することも。右脳マインドにとっての「今」の瞬間は、一瞬にして永遠なのです。

正しい方法も規則も規制も持たない右脳マインドは、なにものにも束縛されず、あるがままに考える自由を持っています。そして新たな一瞬の数々が与えてくれる可能性を、どこまでも自由に求めていくのです。右脳マインドはあらかじめ、自発的に、気ままに、そして想像的に作られていて、だからこそ私たちの芸術的な活力が、抑制や思慮分別なんてものに縛り付けられることなく、自由に迸るのを可能にしてくれるのです。

大脳の左半球は情報を処理する方法が全く異なっています。左脳は、右脳によってつくられた内容豊富で複雑な瞬間のそれぞれを取り上げて、時間的に連続したものにつなぎ合わせます。それから左脳は、この瞬間につくられた詳細と、一瞬前につくられた詳細を次々と比較し、きれいな直線上に並び替える作業を行います。こうやって、左脳が「時」の概念を明らかにしてくれ、瞬間は過去、現在、未来に分けられていくのです。

右脳と左脳は互いに役割を持って補完しながら私たちの生活を支えてくれるものであり、その連携はまさに奇跡的です。

とはいえ、この右脳と左脳の使い方を間違ってしまうと、私たちの心は乱されてしまい、結果的にこの世界のあり方も乱れていってしまうでしょう。

右脳マインドは、人が本来持っている本能であり、人の本質でもあります。

そして、私たちは、心というべき右脳の世界を左脳の論理性を使いながら具現化していくことが本来の目的であり、人生を創造の場にして芸術的に生きることが我々の真の望みなのです。

今、ここにある一瞬は、あらゆるもの、あらゆる人々を「ひとつのもの」に結びつけ、それによって、右脳の心はわたしたちみんなを、人類という家族の対等なメンバーとして知覚します。つまり、わたしの類似性を知り、生命を支えてくれるこの素敵な惑星とのつながりをりかいするということ。それは、この世界にあるものたちがどんな関係にあり、どうやって一緒に集まって全体を作り上げているのか、その全体像を描くことでもあります。

私たちの中には、あらゆるもの、あらゆる人々を「ひとつのもの」に結びつけようとする本能が備わっているものであり、この本能に従って生きることができれば、私たちの暮らすこの世界は平和で調和的な世界に変わっていくことでしょう。

そのためにも、まずは自分がどのように生き、自分の人生をどのように創造していきたいのかを考えるといいのかもしれません。

私たちの生き方としての指針は、私たちが生まれ持った右脳マインドという本能に隠されているといっていいでしょう。

人生の舵を切るのはあくまでも自分自身であり、心というべき右脳マインドがその答えを握っています。

こういった右脳マインドという本能に従って生きるとき、私たちは「平和で調和的」な世界を作り上げていくことができるようになります。

最後に「奇跡の脳」の著者であるジル・ボルト・テイラーさんのアファメーションを紹介してこの記事を終えようと思います。

息を深く吸って、次のような言葉を繰り返します。今この瞬間、わたしは心から喜んでいます。今この瞬間、わたしは完全で、ひとつで、美しい。そして私は、宇宙の無垢で平和な子どもです。こう唱えることによって、わたしは右脳マインドの意識に戻ります。

私たちは右脳マインドをもとに、左脳的の理知的で論理的な力を使って行けば、まずは「私」という個人を平和で調和的で創造性あふれる姿へと変えていくことができるでしょう。

そして、一人でも多くの人が平和で調和的で創造性あふれる人生を歩んでいけるようになると、この世界の姿を今以上によいものへと変えていけるよういなると思います。

「奇跡」は、私たちの力で起こすことができるのです。

これまで成し得なかった、平和で調和的で創造的な世界をつくり上げるという「奇跡」は私たちの意識によって成し遂げることができるようになるでしょう。



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