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還暦おやじのスタディアブロードWith ウクレレ㊻スマホの修理

マニラのショッピングモールでスマホの修理

 翌日は、ジャムにスマホの修理を依頼する時とウクレレを買う時のレッスンをお願いした。そして、ジャムからスマホショップも紹介して貰った。

 そしてマーガリンから電話で予約の仕方、そして友人を食事に誘う時及びとレストランでの注文のレッスンを受けた。

 やっぱり最後にマーガリンから宿題をだされた。私はここぞとばかりに。

鍵:「Give me a break.」勘弁してよ。

Ⅿ:「No, I won’t forgive you. Because this is for you.」いいえ、許しません。何故なら、これはあなたの為ですから。

 と、必死の抵抗もむなしくいとも簡単に却下されてしまった。

 マーガリンとのレッスン後は、マサシさんとショウコとの待ち合わせ場所のモールへ。集合時間にはまだ少し余裕があるので、スマホの修理について相談をしてみる。

モールの2階には、沢山のスマホショップやスマホアクセサリーショップがあった。その中からジャムから紹介して貰ったショップの店員にスマホを見せて、修理が出来るか聞いてみたが在庫がないと言われた。

しかし、その店員は私のスマホを持って通路の真ん中に沢山いる個人の修理屋さんに何人も声を掛けてくれて、在庫を持っている職人を見つけてくれた。

 しかもその職人さんは、英語会話が出来ないという事で、ショップの店員が間に入って話をしてくれた。

店:「Do you want to replace this screen?」この画面を取り替えたいのですか?

鍵:「Yes, I do.」はいそうです。

店:「Is there nothing wrong with it?」他に悪いところはありませんか?

鍵:「Nothing in particular.」特にありません。

店:「How much is budget?」予算はいくらですか?

鍵:「I’m glad that it’s cheaper. How much is it?」安い方が嬉しいです。いくらかかりますか?

店員は職人とタガログ語で話をして答えてくれた。

店:「It’s 1,300pesos. 」1,300ペソです。

1,300ペソだと2,600円だ。私の記憶だと日本で同じ修理を頼むと25,000円ぐらいは掛かると思っていたので驚くほど安いのですぐに依頼した。

鍵:「Then I would like to ask. How much time do you need?」それなら頼みたいです。時間はどれぐらい必要ですか?

店員が、職人と話してくれて答えてくれた。

店:「It’s taking about 20 minutes. 」約20分かかります。

鍵:「So please. When should I pay?」それでお願いします。お金はいつ払えばいいですか?

店:「Please pay the money at this shop now.」お金は今こちらのショップで払ってください。

と言って、先ほどのスマホショップに誘導してくれて現金をレジで支払った。

鍵:「Is there a guarantee?」保証はついていますか?

店:「No, there is no guarantee. What should I do?」いいえ、保証はありません。どうしますか?

鍵:「Okay, please. Thank you for your kindness.」はい、お願いします。親切にありがとう。

出来上がったら、受け取り窓口もこのショップという事で、引換券を貰ったので安心した。

 もうすぐ、待ち合わせ時刻なのでウクレレショップの近くに移動して、ベンチに腰を下ろした。

ウクレレの選び方?

マサシさんは大きな買い物袋を両手に持って、ショウコは笑顔で両手を顔の横で振りながらやってきた。

シ:「こんばんは。シゲありがとう。」 

マ:「お世話になります。」

鍵:「どういたしまして。それで、ウクレレを買うのに予算はどれぐらいですか?」

シ:「初心者にお勧めのウクレレはお幾らぐらいかしら?」

鍵:「お勧めは3,000円位のものです。私のウクレレもそれぐらいですよ。」

シ:「あら、意外と安いわね。」

マ:「高いのと安いのとの違いは何ですか?」

鍵:「板の部分の素材が何でできているかです。ちなみに、私のウクレレは合板です。マニラで単板の物を買って帰るつもりです。」

シ:「単板だと何が違うの?」

鍵:「音色が違うらしいですよ。僕は違いが分かる男ではないけど、ショウコ、長く使うなら単板の方が良いよ。耳が良い人は、違いが分かるようになるそうだから。」

マ:「シゲさん、あそこのショップは見ましたか?」

鍵:「チラッと見ただけですが、合板も単板もありましたよ。価格は、500ペソ~5,000ペソのようです。そして、5,000ペソの物は単板でしたよ。」

マ:「僕は長く使える物がいいな。」

シ:「私もその方がいいわ。」

鍵:「それでは、単板を選ぶとして、ウクレレの大きさについて検討しましょう。」

シ:「それって何ですの?ウクレって大きさが違うの?」

マ:「ネットで見たけど、違うらしいよ。」

鍵:「そうです。私が使っているウクレレは、ソプラノサイズといってポピュラーな中では一番小さくて、一回り大きいのがコンサートサイズで、一番大きいのがテナーサイズって言うんだ。」

シ:「シゲ、私はどうやって選んだらいいのかしら?」

マ:「一般的にはソプラノが扱いやすいってネットには書いてあったよ。」

鍵:「僕もそう思いますよ。」

シ:「じゃあ、私はソプラノサイズで単板の物にするわ。マー君は?」

マ:「僕はショウコちゃんとお揃いがいいな。」

鍵:「仲睦まじくて結構ですね。」

シ:「シゲは、マニラでどのサイズを買う予定なの?」

鍵:「僕はソプラノを持っているから、コンサートにしようと思っているんだ。」

マ:「何が違うのですか?」

鍵:「少しネックがソプラノよりも長いので、弾ける音域が1オクターブ増えるので、ソロ弾きや伴奏に向いていると言われているんです。マサシさんは体が大きいのでコンサートでも良いのではないですか?」

マ:「僕はショウコちゃんの伴奏をしたいので、コンサートにするよ。」

鍵:「婦唱夫随ですね。」

マ:「シゲさん、夫唱婦随ふしょうふずいって若いのに古い言葉を使いますね。」

鍵:「マサシさん。僕は若くないですよ。東京オリンピックの時に小学校4年でしたから。」

マ:「えっ、じゃあ昭和29年?それなら僕らは同じ年だ。」

鍵:「Seriously?大先輩だと思っていましたよ。」

マ:「僕は髪の毛がないので、いつも実年齢より上に見られてしまうのですわ。」

鍵:「でもこれからはフランクに付き合えますね。それではマサシと呼ばせて下さい。」

マ:「それでは僕も、シゲと呼ばせてもらいますわ。」

シ:「男ってダメね、年なんてどうでもいいことに拘るんだから。」

マ:「そうだね。ショウコちゃんの言う通りです。」

鍵:「そうですね。男はいくつになってもおこちゃまなのです。それでは、ショップに行きまちょう。」といって、店内の時計を見たらスマホを預けてから30分以上経過していたので、二人に待っていてもらってスマホを受け取りに行ってきた。

そして、ウクレレのショップで店員に色々と質問した。

店:「Hi. Are you looking for an ukulele?」こんばんは。ウクレレをお探しですか?

シ:「Yes, We are.」そうです。

店:「Which size would you like?」どのサイズがいいですか?

シ:「I’d like the soprano type.」私はソプラノタイプがいいわ。

店:「How about this?」これはいかがですか?

シ:「Where was it made?」どこで作られたものですか?

店:「Made in the Philippines.」フィリピン産です。

シ:「Is there anything made in Hawaii?」ハワイ産の物はありますか?

マ:「ショウコちゃん、ネットにはフィリピン産のウクレレは良いと書いてあったよ。」

鍵:「そうですね。セブには沢山の工場があるそうで、品質も良いそうですよ。私もフィリピン産を買おうと決めていますよ。」

シ:「あら、そうなの。じゃ、フィリピン産がいいわ。」

鍵:「What is material made of?」素材は何ですか?

店:「This is made of plywood.」これは合板で出来ています。

シ:「plywoodって合板なのかしら?」

鍵:「そうだと思うよ。Do you have a single plate?」単板の物はありますか?

店:「Yes, this is a single plate.」はい、これは単板です。

シ:「What kind of wood?」木の種類は何ですか?

店:「This is mahogany.」マホガニーです。

マ:「ショウコちゃん、マンゴーの単板はないか聞いてみて。」

シ:「Is there anything made of mango?」マンゴーで出来ている物はありますか?

店:「No, there is no such luxury item here.」いいえ、そんな高級品はありません。

シ:「Okay. How much is it?」分かったわ。これはいくらですか?

店:「It’s 5,000pesos. 」これは5,000ペソです。

シ:「Do you give me a discount?」安くしてくれる?

店:「Then put on the ukulele case.」それならウクレレケースを付けます。

鍵:「Service the tuner as well.」チューナーもサービスしてよ。

店:「Okay.」はい。

シ:「Thank you. Please show me the concert type as well.」ありがとう。コンサートタイプも見せてください。

店:「Here it is.」はい、これです。

シ:「マサシ君どう?」

マ:「僕はこれがいいや。」

シ:「How much is it?」いくらですか?

店:「It’s 5,500pesos. 」これは、5,500ペソです。

シ:「Is it okay for two to cost 10,000pesos? 」二つで10,000ペソ、いいかしら?

店:「Yes, that’s fine.」はい、それでいいです。

シ:「Please tuner and an ukulele case.」チューナーとウクレレケースをお願いね。

店:「You got me. All right.」まいりました。承知しました。

シ:「Thank you. Here it is. 」ありがとうと言って、10,000ペソを渡した。

店:「Do you need a receipt?」領収書が必要ですか?

シ:「No, thank you.」いいえ、いりません。

店:「Thank you. Have a good night.」ありがとうございます。良い夜をお過ごしください。

シ:「You too.」あなたもね。

マ:「シゲ。Thank you. Bye-bye. 」

シ:「シゲ。ありがとう。おやすみなさい。」

鍵:「マサシ、ショウコ、じゃあね。と言って別れた。」

 振り返ると、マサシは両手に大きな買い物袋を持って、両肩に二人分のウクレレを担いで会釈してくれた。ショウコは顔の横で満面の笑顔で両手を振っていた。

マサシは妻をショウコちゃんと呼び、ショウコは夫をマサシ君と呼び合う。

そんな夫婦というのもいいもんだなぁ。
考えてみると、私は妻を名前で呼んだ記憶がほとんどない。それというのも結婚してすぐに子供が生まれて、ママと呼ぶようになり、子供たちがお母さんと呼ぶようになったら今度はお母さんと呼んでいた。

孫が出来たが、我が家は母と同居しているので、妻は孫におばあちゃんと呼ばせずに “お母さん” と呼ばせている。そして私の母がおばあちゃんと呼ばれている。従って、私も妻を“おばあさん”とは呼ばずにお母さんと呼んでいる。

孫は妻をお母さんと呼ぶので、私も“お父さん”と呼ばれているが、それによって少し気恥ずかしい思いをすることがある。

それは、娘と孫と出かけた時に、孫からお父さんと呼ばれたりすると、周りの方からの好奇な目線を感じる時があるからだ。

娘は30歳で私が60代だが、昨今、そんなご夫婦も世間では珍しくなくなってきているからだろう。

悪いことに、娘は世間では美人の部類に分類されていて私はというと自他ともに認めるお笑い系だ。

そのため私と娘は全く似ていない、そのために誤解を招くことになるのだ。孫ももうじき8歳になる、そろそろ私の事をおじいちゃんと呼んで貰いたいが、妻は何というだろう。

ウクレレショップで買い物をしている時に、マサシに簡単ウクレレ教室ガズレレのYou tubeを見てと伝えた。

彼らに初心者レッスンを頼まれたので、「ウクレレの持ち方などの基本部分については、動画で勉強しておきなよ」って、マサシの年を聞いてからはため口になった。

それにしても、ショウコの英会話力と価格の交渉術は圧巻だった。私がウクレレを買う時にもついて来てもらいたいぐらいだ。

今朝もルーティンからスタート、早いものでこちらに来てから10日目だ。体操で体をほぐして、ウクレレの基礎練習、そして、英会話ジムで音読の“住むならどんな部屋がいい” を練習した。

「Time flies. 」時間がたつのは早い、自己紹介をしてからもうすでに一週間がたった。こちらで過ごすのも残り20日だ。そろそろ、機内アナウンスのレッスンを受けようとスマホに録音した内容を聞きながら文字起こしにトライするが難しいのでジャムかマーガリンに頼むことにしよう。

ウクレレ初心者レッスン

 朝食後に私の部屋でマサシとショウコにウクレレのレッスンをすることになった。それは、彼らの部屋は楽器の練習は禁止されているという理由からだった。

 二人は胸の部分にウクレレの絵が描いてあるお揃いの柄で、ショウコがピンクでマサシが緑の半そでのTシャツを着て私の部屋にやってきた。

そのTシャツはどうしたのと聞いたら、昨日ウクレレを買った後にショップで見つけてゲットしたという事だった。

夕食の時は気づかなかったと伝えたらわざわざ着替えてきたらしい。

そしてウクレレを教えて貰うお礼にと言って、私にも同じTシャツで黄色の物をプレゼントしてくれた。

折角だからと、お礼を言ってその場で着させてもらったが高齢者3人がお揃いのTシャツを着てウクレレを持っている姿は、トリオ漫才のようで可笑しかった。

二人に動画を観ましたかと質問したら、ウクレレの持ち方やチューニングのやり方は、勉強したという事なので、コードとストロークのやり方について説明を始めた。

幸いにして隣の犬の鳴き声は聞こえてこないので、ドアを開けっぱなしにして簡単な曲の練習から始めた。

選択した曲目は童謡の♪ふるさと♪。

鍵:「それでは、マサシもショウコもCコードを押さえて3拍子でふるさとを弾いてみよう。歌わなくても良いし、コードはずっとCのままで良いので、トライしてみよう。ワンツウスリー」

 といって、3人でウクレレを弾こうとした時に、突然、ユリとチエが部屋に入ってきた。

 そして、驚いたことに二人ともウクレレケースを背中に背負っていて、我々とお揃いの色違いのTシャツを着ていた。

鍵:「二人ともどうしたの?」

ユ:「朝練の事をショウコに教わったので来ちゃったぁ。」

チ:「シゲ。お邪魔だったかしら?」

鍵:「そんなことはないけど。ウクレレはどうしたの?そして、そのTシャツ?」

ユ:「昨日の夕方、廊下でウクレレケースを背負っているご主人に、ショップで買ってきたことと朝練の事をお聞きしたので、その日のうちにショウコに一緒に行って貰って、一番安いウクレレとTシャツを買ってきたのよ。」

5レンジャー結成!

鍵:「これじゃ、5レンジャーだよ。」

ユ:「あっはっは、私が赤でチエが白だからそうね。」

シ:「5レンジャーって?」

マ:「正義の為に悪と戦う秘密戦隊で、石ノ森章太郎の漫画だよ。テレビでもやっていたよ。」

シ:「知らなかったわ。」

鍵:「4人は知り合いだったの?」

チ:「いいえ、ショウコさん達の部屋と私たちの部屋は隣り合っているけど、今まで二人とは話をしなかったの、でもウクレレの話で盛り上がって意気投合しましたのよ。」

ユ:「そうなのよ。だって、仲良し夫婦だから声かけづらいじゃない。二人は何時もいちゃいちゃしているから。

私たちの部屋とショウコ達の部屋は隣り合っていて、壁が薄いからお互いの話し声は筒抜けなのよ。濃厚なスキンシップでもされたら眠れないわよ。」

マ:「ユリ、そんなことしませんよ。」

ユ:「あらいやね冗談よ。私たちの部屋でウクレレの動画も一緒に見たわよ。」

シ:「私たちはウクレレに関しては同レベルだわ。」

マ:「シゲ。4人の面倒を見てよ。」

鍵:「Okay.では、ウクレレを持って、Cコードを押さえてください。」

 本当だ。ユリもチエもちゃんとCコードを押さえられている。

ユ:「シゲ。Cコードはこれで良かったかしら?」

鍵:「4人ともOKです。それでは、そのコードを押さえたまま、ふるさとを弾きましょう。3拍子でいきます。はい、ワンツウスリー。」

  C C C  C C C C C C  C C C  C C C  C C C  C C C  C C C

 ♪うさぎ おいし かのや ま・・ こぶな つりし かのか わ・・♪

シ:「シゲ。まのところも3回弾くの?」

鍵:「そうだよ。うさぎが小節なんだ。うで右手の親指の腹で上から下まで一回弦をこするんだ。そして、さもぎも同じようにするんだよ。そして、全部の小節は歌詞がなくても必ず3回ずつ弾くんだ。」

ユ:「シゲ。分かったわ。もう一度やろう。」

鍵:「マサシも大丈夫?」

マ:「いいよ。」

鍵:「じゃぁ皆、Cをもう一度押さえてくれる。チエ。間違っているよ。Cは、ウクレレを構えて地面に一番近い弦のウクレレの首の部分から3番目だよ。今、チエが押さえているのは一番天井に近い弦になっちゃっているよ。」

ユ:「あ、そうだったわね。このウクレレの弦の押さえ方の図を見ると、Cは一番上の弦のように書いてあるのよ。」

鍵:「そうなんだよ。ウクレレは右利きの人が構えた時に、一番上から4弦3弦2弦1弦となっているんだ。それで、地面に一番近い弦は1弦なんだ。従って、Cコードは1弦のウクレレの首から3番目なんだよ。それなのに図は一番上の弦は1弦となっていて勘違いしやすいんだよ。」

ユ:「そうなんだ。分かったわ。」

鍵:「では、ふるさとやってみよう。ワンツウスリー。」

 私が歌を歌いながら3番まで弾き切った。

シ:「凄く気持ちいいね。慣れてきたら歌いながら弾きたいわね。」

チ:「とても楽しいですわ。」

マ:「シゲ。夕方もやろうよ。どう?」

ユ:「そうだね。私とチエは高齢者施設での慰問の時に踊りを披露したいので、練習もさせて欲しいわ。慰問の時はお揃いのTシャツで行こうね。」

鍵:「えっ、そんなの恥ずかしいよ。トップスは自由でいいんじゃないかなぁ。」

ユ:「まあそのことは後で話すとして、夕食後にこの部屋にくるわね。」と言って、解散した。

 ジャムのレッスンでは、昨日のスマホの修理依頼の英会話とウクレレを購入時の英会話の復習をした。

 ノートを見ながらだが、ほぼ練習通りに出来たことを評価して貰えた。

 今日のレッスンは機内アナウンスや空港でのアナウンスをお願いしたが、ジャムが♪Take me home, country roads.♪の楽譜を私の部屋で見つけたことで、急遽ウクレレの弾き語りによる、発音の練習となってしまった。

 驚いたことにジャムは相当な音痴だが、自分では認識していないようだった。

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