テストにまつわる勘違い
先日、非受験の小学生の保護者の方から点数、成績の相談をされました。「テストでミスが減らない、どうしたらいいでしょう?」と。
大人でもミスしますよね、とお伝えしましたが成績が良くないと不安なようで「困ったな」と思いました。
20年以上塾の先生をしていますが、ここ15年くらい、「成績を上げる」ということが強い価値観になってしまいました。塾なのか、保護者のニーズなのか相乗効果で広まってしまったように感じています。
私は「(社会)人を育てる」つもりでこの仕事をしているので、一つの価値観を疑いなく信じてしまう人を育てたくないなあと思っているのですが、時々、大人の中に無批判に一つの価値観の方がいると会話が噛み合わなくて困ってしまいます。
今回は小学生の保護者で、というので驚いたのですが中学生になると「テストの点数」に縛られている大人ばかり。
定期テスト(内申)で生徒を管理しようとしてしまっている学校、「定期テスト」のために大量の課題を出す教員、何時間も塾に来させて勉強させたり、成績保証で生徒を集めたり、テストの点数で褒めたり怒ったりする塾の人間。ブラック企業で働く人を育ててるの?と時々ゲンナリします。
以前定期テストが終わってから、自習をしたり勉強をせっせとするMくんという中学生がいました。
「テストでわからないところがあって」とのこと。
はじめは「テスト前にくればいいのに」と思っていましたが、彼の方が正しいですよね。テストってそういうもの、本来。
本来の趣旨に合っているせいか、なんか気持ちがいい。会社の「製品テスト」とかもそうだよね。資格取得のための試験でもないわけだし。
テストとは何か?を立ち止まって考えられる人。
客観的に批判的に見たり考えることができる人、そういう社会人を増やさないと多様性なんて広がらないんだけどなあ。
私が中学校の校長なら、テスト廃止とかではなく、テストの意味をちゃんと再定義したいなと思っています。テストが終わってから勉強をしっかりさせる学校ですね。